HOME 国内、世界陸上

2025.04.04

東京世界陸上、ロス五輪へ 日本陸連方針 山崎一彦強化委員長は強さ求める
東京世界陸上、ロス五輪へ 日本陸連方針 山崎一彦強化委員長は強さ求める

強化委員長の山崎一彦氏

日本陸連は4月4日、2025年度の日本陸連強化委員会方針発表を都内で開いた。

昨年のパリ五輪を終え、11月に新たな強化委員会組織図が決まった。引き続き山崎一彦氏(順大)が日本陸連強化委員会の強化委員長を務める。シニアディレクターは、土江寛裕氏(東洋大)、田内健二氏(中京大)、高岡寿成氏(Kao)、杉井將彦氏(SPTアカデミー)が担う。

山崎強化委員長は「ロス五輪に向けて新体制」と4年を見据えて強化方針を策定。2017年に当時のスタッフが掲げた『JAAF VISION』を発表したが、その中で日本陸連は世界大会のプレイシングテーブル(8位までの選手を8~1点で集計した国別ランキング)で「トップ8に入る」ことを目標に掲げた。

「最初は無理じゃないかと正直思ったが、着実に順位を上げてきた。パリ五輪では80%達成。トップ8に入るためにはメダル5つ、入賞8~10が目安。メダルを増やして強豪国の仲間入りを目標にやっていく」と話し、今後も「継続して世界で活躍できる選手」への期待を込める。

2025年の主な強化施策には、
・育成年代におけるガイドラインの策定
・海外派遣を推奨
・U23対策プロジェクト始動
・ハイパフォーマンスリーダースプログラム結成
・世界選手権の選手の輝き
を掲げる。

特にジュニア、育成については、暑熱下での競技会の是正や競技会システムの見直し、部活の地域移行、心身の過度な負担をかけずに陸上を楽しんでいけるようなシステムを策定していくという。

広告の下にコンテンツが続きます

加えて、北口榛花(JAL)やサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)といったダイヤモンドアスリートに続く国際的な選手の育成のために、「大学生が隙間になっている」と課題に挙げる。それに付随して、「限られた予算ですが、海外遠征などさまざまなサポートをしていく」とした。

これまで同様、『世界基準』を選手には求めていき、「国内で出した記録はあくまで参考記録であり、海外で出した記録が実力だという気概を持ってほしい」と山崎強化委員長。ただ、そのためにも「国内でしっかり記録を出して海外に挑戦を」と期待した。

「東京五輪は1人でも多く派遣する、パリ五輪はメダル・入賞を目指す選手を1人でも多く出す。ある程度は達成できているので、ロス五輪では複数種目のメダル獲得と入賞できる選手を1人でも多く派遣できるように」とした。

9月の東京世界選手権に向けて、「今は出場を目指す選手がほとんどだと思いますが、どうすれば入賞ラインに持って行けるかとうところまで引き上げていきたい。選手が輝けるようにしっかりサポートしていく」とした。

具体的な目標は「各ブロックで数字を挙げているが、まずは地元の応援を借りて、選手が伸び伸びと競技をできるようにしたい」としつつ、「パリ五輪以上の戦いができるように」と語った。

日本陸連は4月4日、2025年度の日本陸連強化委員会方針発表を都内で開いた。 昨年のパリ五輪を終え、11月に新たな強化委員会組織図が決まった。引き続き山崎一彦氏(順大)が日本陸連強化委員会の強化委員長を務める。シニアディレクターは、土江寛裕氏(東洋大)、田内健二氏(中京大)、高岡寿成氏(Kao)、杉井將彦氏(SPTアカデミー)が担う。 山崎強化委員長は「ロス五輪に向けて新体制」と4年を見据えて強化方針を策定。2017年に当時のスタッフが掲げた『JAAF VISION』を発表したが、その中で日本陸連は世界大会のプレイシングテーブル(8位までの選手を8~1点で集計した国別ランキング)で「トップ8に入る」ことを目標に掲げた。 「最初は無理じゃないかと正直思ったが、着実に順位を上げてきた。パリ五輪では80%達成。トップ8に入るためにはメダル5つ、入賞8~10が目安。メダルを増やして強豪国の仲間入りを目標にやっていく」と話し、今後も「継続して世界で活躍できる選手」への期待を込める。 2025年の主な強化施策には、 ・育成年代におけるガイドラインの策定 ・海外派遣を推奨 ・U23対策プロジェクト始動 ・ハイパフォーマンスリーダースプログラム結成 ・世界選手権の選手の輝き を掲げる。 特にジュニア、育成については、暑熱下での競技会の是正や競技会システムの見直し、部活の地域移行、心身の過度な負担をかけずに陸上を楽しんでいけるようなシステムを策定していくという。 加えて、北口榛花(JAL)やサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)といったダイヤモンドアスリートに続く国際的な選手の育成のために、「大学生が隙間になっている」と課題に挙げる。それに付随して、「限られた予算ですが、海外遠征などさまざまなサポートをしていく」とした。 これまで同様、『世界基準』を選手には求めていき、「国内で出した記録はあくまで参考記録であり、海外で出した記録が実力だという気概を持ってほしい」と山崎強化委員長。ただ、そのためにも「国内でしっかり記録を出して海外に挑戦を」と期待した。 「東京五輪は1人でも多く派遣する、パリ五輪はメダル・入賞を目指す選手を1人でも多く出す。ある程度は達成できているので、ロス五輪では複数種目のメダル獲得と入賞できる選手を1人でも多く派遣できるように」とした。 9月の東京世界選手権に向けて、「今は出場を目指す選手がほとんどだと思いますが、どうすれば入賞ラインに持って行けるかとうところまで引き上げていきたい。選手が輝けるようにしっかりサポートしていく」とした。 具体的な目標は「各ブロックで数字を挙げているが、まずは地元の応援を借りて、選手が伸び伸びと競技をできるようにしたい」としつつ、「パリ五輪以上の戦いができるように」と語った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

中村宏之氏が79歳で死去 福島千里、寺田明日香、伊藤佳奈恵ら女子短距離日本記録保持者を育成

女子短距離で数々のトップ選手を育成した北海道ハイテクアスリートクラブ前監督の中村宏之氏が4月29日に逝去した。享年79歳。 中村氏は1945年6月9日生まれ。北海道・札幌東高,日体大で三段跳、走幅跳選手として活躍し、卒業 […]

NEWS 女子七種競技・アラウホが今季世界最高6396点で優勝 男子100mはバルディが9秒99/南米選手権

2025.04.30

女子七種競技・アラウホが今季世界最高6396点で優勝 男子100mはバルディが9秒99/南米選手権

4月25日から27日まで、アルゼンチンのマル・デル・プラタで南米選手権が開催され、女子七種競技ではM.アラウホ(コロンビア)が6396点(13秒13、1m73、13m55、24秒43/6m55、47m62、2分17秒38 […]

NEWS 【高平慎士の視点】自信持って走り切った井上直紀の強さ光る 選手層に厚み“標準突破”へ期待持てるレース/織田記念

2025.04.30

【高平慎士の視点】自信持って走り切った井上直紀の強さ光る 選手層に厚み“標準突破”へ期待持てるレース/織田記念

4月29日に広島・ホットスタッフフィールド広島で行われた織田記念。その男子100mは上位5人が10秒1台、それも0.03秒差以内にひしめく大熱戦となり、大学4年の井上直紀(早大)が自己新の10秒12(+0.4)で制した。 […]

NEWS 廣中璃梨佳が5000m日本人トップ!熱戦の男子100mは井上直紀 女子100mH中島が12秒93/織田記念

2025.04.30

廣中璃梨佳が5000m日本人トップ!熱戦の男子100mは井上直紀 女子100mH中島が12秒93/織田記念

◇織田記念(4月29日/広島・ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリシリーズの織田記念が行われ、女子5000mは序盤から積極的なレース運びをした廣中璃梨佳(JP日本郵政G)が日本人トップの15分19秒23で3位に […]

NEWS 中大・吉居駿恭が5000m連覇!圧巻スパートで13分26秒71「一歩一歩前進できるように」/織田記念

2025.04.29

中大・吉居駿恭が5000m連覇!圧巻スパートで13分26秒71「一歩一歩前進できるように」/織田記念

◇織田記念(4月29日/広島・ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリシリーズの織田記念が行われ、最終種目となった男子5000mは残り250mから仕掛けた吉居駿恭(中大)が13分26秒31で混成を制し、大会連覇を果 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top