HOME 国内

2025.01.26

早大サークル出身の小林香菜 殊勲の2位で世界陸上代表候補に「世界の舞台を走りたい」/大阪国際女子マラソン
早大サークル出身の小林香菜 殊勲の2位で世界陸上代表候補に「世界の舞台を走りたい」/大阪国際女子マラソン

小林香菜と河野匡監督(25年大阪国際女子マラソン)

女子マラソン日本歴代11傑をチェック!

2.18.59 前田穂南(天満屋) 2024. 1.28
2.19.12 野口みずき(グローバリー) 2005. 9.25
2.19.24 新谷仁美(積水化学) 2023. 1.15
2.19.41 渋井陽子(三井住友海上) 2004. 9.26
2.19.46 高橋尚子(積水化学) 2001. 9.30
2.20.29 一山麻緒(ワコール) 2020. 3. 8
2.20.31 細田あい(エディオン) 2024. 9.29
2.20.42 松田瑞生(ダイハツ) 2024. 9.29
2.21.18 安藤友香(ワコール) 2024. 3.10
2.21.19 小林香菜(大塚製薬) 2025. 1.26
<10>
2.21.33 鈴木亜由子(日本郵政グループ) 2024. 3.10
2.21.33 鈴木優花(第一生命グループ) 2025. 1.26

◇第44回大阪国際女子マラソン(2025年1月26日/大阪・ヤンマースタジアム長居発着) ジャパンマラソングランドチャンピオンシップ(JMC)シリーズG1の大阪国際女子マラソンが行われ、ウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)が2時間21分00秒で連覇を達成した。日本人トップの2位に入ったのが小林香菜(大塚製薬)。日本歴代10位となる2時間21分19秒をマークした。 残り800m。競技場に入る手前で小林が抜いたのは、昨年のパリ五輪6位入賞の鈴木優花(第一生命グループ)だった。記者室のあちらこちらでどよめきの声が起こる。 「だんだん前との距離が詰まっていて、ラスト1kmを切ってからは沿道からも『行けるよ』と言われて」力を振り絞った。持ち味の高速ピッチであっという間に2位に上がった。日本歴代10位の好記録に「実感が湧きません」と目を丸くした。 中、高と陸上部だが、早大では競走部などではなく「ホノルルマラソン完走会」というサークルに所属していた変わり種。「完走を目指すサークルなので、週1回、皇居を2周走るくらい」で、自身も「最初はマラソンを楽しく走りたいと思っていました」。だが、徐々に心に火がついていく。「高校では結果を出せずに終わっていたので心残りはずっとありました」。 23歳だが、初マラソンは2021年11月の富士山マラソン、今回は8レース目と経験は豊富。「1人でひたすらジョグをするのは好きで、ぼーっとしながら好きなだけ走っていました」。知人をつたって「実業団で競技をしたい」と自ら動いた。赤羽周平氏から河野匡監督へ「相談に乗ってあげて」と連絡が入り、話をするうちに小林から「大塚製薬でできませんか」と“ラブコール”。覚悟を感じた河野監督が「やってみれば」と実業団ランナーになることが決まった。 河野監督は「とにかく身体強く、練習ができる」と評す。4月以降も「粘りきれるだろう。マラソンを走れるスタミナはある」と見ていた。過去2度の大阪国際女子マラソンを見て力はわかっていたが、それでも河野監督も「驚いているのが正直なところ」。昨年12月には防府読売マラソンで2時間24分59秒の大会新記録で優勝。実はそのタイムも「実業団ランナーになったのだから、これくらいは出したいね、と最終目標に思っていた」(河野監督)くらい。 急成長に「今まで実業団選手と比べると遅かっただけで、自分なりに本格的な練習をするようになって、基礎が強くなったからかな」と小林ははにかむ。初めての高地トレーニングとなった「アルバカーキでの変化走は一番きつかったですし、それをやりきった達成感は自信になっていました」。 この日は25kmまで粘れれば「100点」と河野監督は送り出したが、ハーフ時点で先頭集団からは遅れた。15kmの給水地点で海外ランナーと接触する不運もあった。「ダメージはありました。一瞬、焦りましたがだからこそ落ち着けたというか…。きつさが痛みで和らいだ」と笑う。河野監督が「粘りは持ち味」というように、後半には驚異的な粘りで前を追いかけた。 これで今年9月の東京世界選手権の代表選考でも候補選手の1人に挙がる。「マラソンで世界の舞台を走りたいと言って入社しましたが、自分の成長に精神面が追いついていません」と言い、「トップ選手は見ているところが違う。もっと気持ちを強く持ちたいと思います」と小林。まだ23歳。しかも伸びしろたっぷりだ。

女子マラソン日本歴代11傑をチェック!

2.18.59 前田穂南(天満屋) 2024. 1.28 2.19.12 野口みずき(グローバリー) 2005. 9.25 2.19.24 新谷仁美(積水化学) 2023. 1.15 2.19.41 渋井陽子(三井住友海上) 2004. 9.26 2.19.46 高橋尚子(積水化学) 2001. 9.30 2.20.29 一山麻緒(ワコール) 2020. 3. 8 2.20.31 細田あい(エディオン) 2024. 9.29 2.20.42 松田瑞生(ダイハツ) 2024. 9.29 2.21.18 安藤友香(ワコール) 2024. 3.10 2.21.19 小林香菜(大塚製薬) 2025. 1.26 <10> 2.21.33 鈴木亜由子(日本郵政グループ) 2024. 3.10 2.21.33 鈴木優花(第一生命グループ) 2025. 1.26

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.05.09

フレイザー・プライスが3年ぶりにダイヤモンドリーグ参戦! 5月16日DLドーハ100mにエントリー

5月16日のダイヤモンドリーグ(DL)第3戦ドーハ大会の女子100mにS.A.フレイザー・プライス(ジャマイカ)が出場することが発表された。現在38歳のフレイザー・プライスは2008年、12年ロンドン五輪女子100m金メ […]

NEWS 女子競歩の園田世玲奈が現役引退 世界選手権7位入賞 5/11中部実業団でラストウォーク

2025.05.09

女子競歩の園田世玲奈が現役引退 世界選手権7位入賞 5/11中部実業団でラストウォーク

園田世玲奈の現役引退を発表するNTN陸上競技部 【園田世怜奈選手引退のお知らせ】 このたび、#園田世玲奈 選手が5月11日(日)に開催される中部実業団対抗陸上競技大会の女子10000m競歩に出場し、この大会が現役ラストレ […]

NEWS 男子800mマーフィーが現役引退 16年リオ五輪銅メダリスト

2025.05.09

男子800mマーフィーが現役引退 16年リオ五輪銅メダリスト

【動画】SNSで引退を表明したマーフィー この投稿をInstagramで見る Clayton Murphy(@claytonmurphy)がシェアした投稿

NEWS 1部1500mは塩原匠と大野聖登の順大勢がワン・ツー! 総合3連覇へ「少しでも力になれた」/関東IC

2025.05.09

1部1500mは塩原匠と大野聖登の順大勢がワン・ツー! 総合3連覇へ「少しでも力になれた」/関東IC

◇第104回関東インカレ(5月8~11日/神奈川・相模原ギオンスタジアム)2日目 学校対抗の第104回関東インカレの2日目が行われ、男子1部1500mは順大勢の塩原匠が3分50秒56で優勝し、大野聖登が3分51秒09で2 […]

NEWS 世界リレーが10日に開幕! 男子4×100mRはサニブラウン、鵜澤飛羽ら擁す日本が世界と勝負!!

2025.05.09

世界リレーが10日に開幕! 男子4×100mRはサニブラウン、鵜澤飛羽ら擁す日本が世界と勝負!!

5月10日、11日の両日、中国・広州で2025世界リレーが開催される。 大会では男女の4×100mリレー、4×400mリレー、男女混合の4×400mリレー、そして大会初実施となる男女混合4×100mリレーの計6種目が行わ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top