HOME 国内、駅伝

2024.11.15

1964年東京五輪3000m障害代表・横溝三郎氏死去 東京国際大監督としても手腕発揮
1964年東京五輪3000m障害代表・横溝三郎氏死去 東京国際大監督としても手腕発揮

24年10月の箱根駅伝予選会で、2年ぶりの本戦出場を決めてあいさつをする東京国際大・横溝三郎監督

1964年東京五輪3000m障害の日本代表で、現在は東京国際大の監督を務めていた横溝三郎氏が11月14日に肝臓ガンのため亡くなった。84歳だった。

1939年生まれの横溝氏は、神奈川県横浜市出身。中学から陸上を始め、横浜高では1年生の時からインターハイで活躍し、1年目には5000m5位、2年時には15分46秒8で優勝を飾っている。さらに3年目には5000mで連覇を達成し、1500mは4分02秒1と当時の高校新記録で2冠。秋には5000mで14分47秒6と高校生で初めて15分の壁を破るなど、スーパー高校生として名を馳せた。

大学は中大に進学。チームは横溝氏の加入とともに黄金期を迎え、1年生で迎えた第35回箱根駅伝で3年ぶりの優勝を飾ると、在学中には4連覇を達成。その後連勝記録を6まで伸ばしている。個人では4年次に10区区間賞を獲得したほか、トラックでも5000mと3000m障害で日本記録を樹立した。

広告の下にコンテンツが続きます

実業団のリッカー入社後は実業団駅伝や日本選手権で活躍を続け、入社3年目となる1964年には3000m障害で東京五輪にも出場を果たしている。

現役引退後は、母校・中大でコーチを務めたほか、1998年からは松下通信(現・パナソニック)の女子陸上部監督に就任。2000年に退任してからは顧問の立場でチームをサポートしていた。また、箱根駅伝では解説者として長年携わり、06年までNHKラジオで8年間、日本テレビで17年間も受け持った。

さらに、11年4月に創部した東京国際大の総監督となり、大志田秀次監督(現・Hondaエグゼクティブアドバイザー)とともにチームをゼロから立ち上げ、創部5年目となる2016年の箱根駅伝に初出場を果たすなど、指導者としても辣腕を振った。

23年に大志田監督が退任した後は、監督としてチームを指導。その後、体調を崩しながらも最後まで現場に立ち、今年10月の箱根駅伝予選会では2年ぶりの本戦出場を決め、選手とともに喜びを分かち合っていた。

横溝氏とともにチームを指導してきた東京国際大・中村勇太ヘッドコーチによると、「10月の箱根駅伝予選会でも暑い中、選手たちに声を掛け、労いの言葉を掛けてくださいました。全日本大学駅伝にも『(応援に)行きたい』と話していたのですが……」と、最後まで教え子たちの様子を気にかけていたという。

中村ヘッドコーチは「体調を崩されるまで、ずっと練習を見てくださり、『生涯現役』を体現されていた方でした」と振り返る。偉大な指導者の訃報がチームに与える影響は計り知れないが、「箱根駅伝でのシード権獲得、最高順位(5位)の更新を目指すことには変わりありません。良い結果を残して横溝さんに報告できれば」と話した。

1964年東京五輪3000m障害の日本代表で、現在は東京国際大の監督を務めていた横溝三郎氏が11月14日に肝臓ガンのため亡くなった。84歳だった。 1939年生まれの横溝氏は、神奈川県横浜市出身。中学から陸上を始め、横浜高では1年生の時からインターハイで活躍し、1年目には5000m5位、2年時には15分46秒8で優勝を飾っている。さらに3年目には5000mで連覇を達成し、1500mは4分02秒1と当時の高校新記録で2冠。秋には5000mで14分47秒6と高校生で初めて15分の壁を破るなど、スーパー高校生として名を馳せた。 大学は中大に進学。チームは横溝氏の加入とともに黄金期を迎え、1年生で迎えた第35回箱根駅伝で3年ぶりの優勝を飾ると、在学中には4連覇を達成。その後連勝記録を6まで伸ばしている。個人では4年次に10区区間賞を獲得したほか、トラックでも5000mと3000m障害で日本記録を樹立した。 実業団のリッカー入社後は実業団駅伝や日本選手権で活躍を続け、入社3年目となる1964年には3000m障害で東京五輪にも出場を果たしている。 現役引退後は、母校・中大でコーチを務めたほか、1998年からは松下通信(現・パナソニック)の女子陸上部監督に就任。2000年に退任してからは顧問の立場でチームをサポートしていた。また、箱根駅伝では解説者として長年携わり、06年までNHKラジオで8年間、日本テレビで17年間も受け持った。 さらに、11年4月に創部した東京国際大の総監督となり、大志田秀次監督(現・Hondaエグゼクティブアドバイザー)とともにチームをゼロから立ち上げ、創部5年目となる2016年の箱根駅伝に初出場を果たすなど、指導者としても辣腕を振った。 23年に大志田監督が退任した後は、監督としてチームを指導。その後、体調を崩しながらも最後まで現場に立ち、今年10月の箱根駅伝予選会では2年ぶりの本戦出場を決め、選手とともに喜びを分かち合っていた。 横溝氏とともにチームを指導してきた東京国際大・中村勇太ヘッドコーチによると、「10月の箱根駅伝予選会でも暑い中、選手たちに声を掛け、労いの言葉を掛けてくださいました。全日本大学駅伝にも『(応援に)行きたい』と話していたのですが……」と、最後まで教え子たちの様子を気にかけていたという。 中村ヘッドコーチは「体調を崩されるまで、ずっと練習を見てくださり、『生涯現役』を体現されていた方でした」と振り返る。偉大な指導者の訃報がチームに与える影響は計り知れないが、「箱根駅伝でのシード権獲得、最高順位(5位)の更新を目指すことには変わりありません。良い結果を残して横溝さんに報告できれば」と話した。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.18

駒大4年生4本柱は主要区間を熱望! 主将・山川拓馬「エース区間に挑みたい」 佐藤圭汰「しっかり走って恩返しを」

第102回箱根駅伝で3年ぶりの総合優勝を狙う駒大が12月18日、オンラインで合同会見を行い、エントリー選手が出席した。 今季の駒大は4年生の4人が強力。それぞれ希望区間を問われると、主将の山川拓馬は2区と5区、伊藤蒼唯は […]

NEWS 箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

2025.12.18

箱根駅伝Stories/青学大3連覇へ、過去最高レベルの戦力 「チームを勝たせる走り」を結集

前回優勝メンバーから6人が卒業 前回、10時間41分19秒の大会新記録で連覇を飾ったメンバーから6人が卒業。それも4区で歴代2位の好タイムをマークした太田蒼生(現・GMOインターネットグループ)に5、6区連続区間新で、「 […]

NEWS 横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

2025.12.18

横山隆義氏が死去 由良育英高でインターハイ2度の総合V 全国高校駅伝でも準優勝に導く

鳥取・由良育英高(現・鳥取中央育英高)の陸上部顧問として、インターハイで2度の総合優勝に導き、高校駅伝でも全国大会で2度の準優勝を果たした横山隆義氏が、12月15日、肺炎のため亡くなった。81歳だった。 横山氏は1944 […]

NEWS 26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

2025.12.18

26年7月に第1回U23アジア選手権開催が決定! アジア跳躍選手権も実施予定

アジア陸連は11月に理事会を開催し、2026年7月9日から12日の日程で、第1回U23アジア選手権を中国・オルドスで開催することを発表した。 陸上競技では、U18やU20など年齢別の競技会が実施されており、U20カテゴリ […]

NEWS 中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

2025.12.18

中大・吉居駿恭主将「一番恩返しできるのが優勝」 溜池一太は初マラソン意向も「箱根だけしか考えていない」

第102回箱根駅伝で30年ぶりとなる総合優勝を狙う中大が12月18日、東京・八王子市の多摩キャンパスで合同取材を開いた。 主将の吉居駿恭(4年)は「昨年の11月中旬くらいに(総合優勝の)目標を立てました。昨年の全日本の結 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top