2024.06.30
◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)3日目
第108回日本選手権の3日目が行われ、女子5000mは前日の1500mを4分01秒44の大会新記録で快勝していた田中希実(New Balance)が15分23秒72で3連覇を達成した。1500mとの2冠は3年連続となり、「5000mはすでに(パリ五輪に)内定しているので、タイムなどではなく勝つことにこだわって挑みました。レース内容はいまいちでしたが、その意味では目標が達成できてよかった」と安堵の表情を浮かべた。
最初の1000mが3分19秒と思いがけずスローな展開に。「このまま最後まで10000mのレースより遅いペースで進めば、最後は何が起こるか分からなかったので前に出ました」とペースをアップ。そこまで縦長だった集団が一気に崩れ、2700m過ぎにはそれまで食らいついていた後続が徐々に離れて一人旅となった。
「確実に勝ちたかった」と、その後もペースを緩めることなく走りきり、2位争いを制した山本有真(積水化学)に10秒以上の大差をつけ貫禄勝ちを収めた。
この日も5000mを前に800mの予選に出場。4月の金栗記念以来となる800mには「今日は1周目はまだ楽に入ることができました。最終日の決勝は勝ちを意識するのではなく、今の持てる力を出し切り、完全燃焼で日本選手権を終えたい」と、自身初となる日本選手権3冠に挑む。
週末となった大会3日目はメインスタンドが埋まるなど多くの観客が訪れ、選手の熱戦に声援を送った。女子5000mの他には、男子のフィールド4種目の決勝が行われ、円盤投は堤雄司(ALSOK群馬)が3投目に60m12を放ち6年連続最多タイとなる11回目のVを達成。棒高跳は山本聖途(トヨタ自動車)が5m50をクリアし、6年ぶりに王者へ返り咲いた。
やり投は5投目に唯一の80mオーバーとなる80m78を投げた新井涼平(スズキ)が5年ぶり8度目の頂点に。走幅跳は橋岡優輝(富士通)が追い風参考ながら7m95(+2.4)でV。すでにパリ五輪の参加標準記録を突破済のため、2大会連続の代表入りが内定した。
30日の大会最終日は、男女それぞれ6種目の決勝が行われる。準決勝で大会新記録となる12秒75(+0.8)をマークし、パリ五輪の参加標準記録(12秒77)を突破した福部真子(日本建設工業)、同じく準決勝で日本歴代2位の12秒85(-0.3)を叩き出した田中佑美(富士通)らが激突する女子100mハードルは17時50分号砲。
予選で1分45秒82のU20日本新、高校新を樹立した落合晃(滋賀学園高3滋賀)がパリ五輪参加標準(1分44秒70)に挑む男子800mは17時05分にスタート。落合同様に、注目の高校生・久保凛(東大阪大敬愛高2大阪)が田中に挑む女子800mは、その10分前の16時55分に号砲が鳴る。
村武ラシッド(JAL)ら標準突破者が激突する男子110mハードルは18時10分。連覇を狙う坂井隆一郎(大阪ガス)をはじめ、桐生祥秀(日本生命)、栁田大輝(東洋大)ら実力者が決勝に進んだ男子100mは18時25分にスタート。
フィールド種目では、女子走幅跳ですでにパリの参加標準記録をクリアしている秦澄美鈴(住友電工)が4連覇に挑む。また、ワールドランキングで五輪出場圏内に入っている赤松諒一(SEIBU PRINCE)、真野友博(九電工)、瀬古優斗(FAAS)らが代表の座を争う男子走高跳は15時30分にテイクオフ。最終日、どんなドラマが待ち受けているか。
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