HOME 国内

2024.05.19

北口榛花 またラストで逆転Vで昨年から10連勝!!「まだちょっと足りない」3年前涙に暮れた国立で貫禄/セイコーGGP
北口榛花 またラストで逆転Vで昨年から10連勝!!「まだちょっと足りない」3年前涙に暮れた国立で貫禄/セイコーGGP

24年セイコーGGP女子やり投で6投目に逆転優勝を飾った北口榛花

◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場)

世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が63m45のシーズンベストを投げて優勝した。

世界女王の恐るべき集中力と底力。昨年のブダペスト世界選手権金メダリストの北口は、3回目まで60m20の2位だった。5回目にはフロル・デニス・ルイス・フルタド(コロンビア)が62m06を投げてトップに立ち、北口は3位に順位を下げる。

広告の下にコンテンツが続きます

その直後、62m02を投げて2位に浮上すると、やはり6回目だった。「今日は修正点を見つけながらも、もうちょっと投げられるなというのは感じていました」。手拍子を求め、「前への力」を意識。持ち味の柔軟性から生み出される“しなり”から放たれたやりは、この日、誰よりも遠くへ飛ばした。

これで昨年7月のダイヤモンドリーグ・シレジア(ポーランド)から、負け知らずの10連勝。そのうち8試合で6回目にその日最高のスローを見せている。試合の中で修正する力が並外れている。

1回目に60m20を投げ、「安全に投げて、やりの飛び方も良くない中で60mだったので、もうちょっと行けると思った」というが、「その後は止まって投げるシーンが多かったり、前に行きたい気持ちが強すぎて(やりを)後ろで投げられなかったりしました」。

ただ、60m19だった2回目は「比較的きれいに飛んだ」ためその後は勢いを出しながら、その軌道の再現を意識。5、6回目でようやく形となり、「高さが出たのは、柔らかさが戻ってきたから」だと捉える。

今季2試合はウエイトトレーニングなどの影響もあり、上半身の柔軟性が戻らずに苦しんだ。身体を「板」に例え「まったく動かなくて板のようだったのが、柔らかい板に変わってきた」と、2週間で「コンディションを一番」に考えてきた効果が表れた。それが「芯があってもうちょっと柔らかく」なれば、さらに状態は良くなるだろう。

この後は欧州へ渡り、海外転戦する予定。「1個できたら、また1個できなくなる、というのが続くと思います。63mじゃまだちょっと足りないので、65mに乗せられるようにしていきたいです」。

勝ち続けてはいても、決して順風満帆ではない。それでも勝つのが本物の強さ。21年東京五輪でケガのため涙に暮れた国立競技場で女王の貫禄を示した北口は、花の都での歓喜に向かってまた一歩前進した。

◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場) 世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が63m45のシーズンベストを投げて優勝した。 世界女王の恐るべき集中力と底力。昨年のブダペスト世界選手権金メダリストの北口は、3回目まで60m20の2位だった。5回目にはフロル・デニス・ルイス・フルタド(コロンビア)が62m06を投げてトップに立ち、北口は3位に順位を下げる。 その直後、62m02を投げて2位に浮上すると、やはり6回目だった。「今日は修正点を見つけながらも、もうちょっと投げられるなというのは感じていました」。手拍子を求め、「前への力」を意識。持ち味の柔軟性から生み出される“しなり”から放たれたやりは、この日、誰よりも遠くへ飛ばした。 これで昨年7月のダイヤモンドリーグ・シレジア(ポーランド)から、負け知らずの10連勝。そのうち8試合で6回目にその日最高のスローを見せている。試合の中で修正する力が並外れている。 1回目に60m20を投げ、「安全に投げて、やりの飛び方も良くない中で60mだったので、もうちょっと行けると思った」というが、「その後は止まって投げるシーンが多かったり、前に行きたい気持ちが強すぎて(やりを)後ろで投げられなかったりしました」。 ただ、60m19だった2回目は「比較的きれいに飛んだ」ためその後は勢いを出しながら、その軌道の再現を意識。5、6回目でようやく形となり、「高さが出たのは、柔らかさが戻ってきたから」だと捉える。 今季2試合はウエイトトレーニングなどの影響もあり、上半身の柔軟性が戻らずに苦しんだ。身体を「板」に例え「まったく動かなくて板のようだったのが、柔らかい板に変わってきた」と、2週間で「コンディションを一番」に考えてきた効果が表れた。それが「芯があってもうちょっと柔らかく」なれば、さらに状態は良くなるだろう。 この後は欧州へ渡り、海外転戦する予定。「1個できたら、また1個できなくなる、というのが続くと思います。63mじゃまだちょっと足りないので、65mに乗せられるようにしていきたいです」。 勝ち続けてはいても、決して順風満帆ではない。それでも勝つのが本物の強さ。21年東京五輪でケガのため涙に暮れた国立競技場で女王の貫禄を示した北口は、花の都での歓喜に向かってまた一歩前進した。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.10

箱根駅伝2026チームエントリー16人がいよいよ今日発表! 有力校が順当な登録なるか 学生連合チーム枠10人も

来年1月2日、3日に行われる第102回箱根駅伝のチームエントリーが今日12月10日に実施され、各チーム登録の16人が発表される。 出雲、全日本の両駅伝や11月のハーフマラソン、トラックレース、11月下旬~12月上旬の合宿 […]

NEWS 中大が来春の新入生を発表!長距離は栗村凌、簡子傑ら U20東アジア選手権代表・後藤大輔も進学

2025.12.09

中大が来春の新入生を発表!長距離は栗村凌、簡子傑ら U20東アジア選手権代表・後藤大輔も進学

中大男子陸上部は12月9日、来春入学となるスポーツ推薦試験の合格者20人を発表した。 長距離ブロックでは広島インターハイ5000m3位で、高校歴代歴代8位の13分34秒38を持つ栗村凌(学法石川高・福島)が合格。栗村は昨 […]

NEWS 富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外

2025.12.09

富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外

全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の主催者は、12月30日に行われる大会のエントリー選手を発表した。 10月の全日本で25年ぶりの優勝を果たした城西大は、区間賞を獲得した兼子心晴(4年)、金子陽向(4年)、本間香( […]

NEWS 鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」

2025.12.09

鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」

鹿児島銀行は12月8日、宇都ひなたと坂口日菜子が10月末に退部したことを発表した。 宇都は鹿児島・伊敷中から鹿児島高に進学し、3年時には1500mでインターハイに出場。卒業後はワコールに進み、1年目からクイーンズ駅伝に出 […]

NEWS ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」

2025.12.09

ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」

ユニクロ女子陸上競技部が、選手の一般公募を12月5日に開始した。 同社女子陸上競技部は1997年に創部。全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)には2003年に初出場。14年には7位に入った。 その後は浮き沈みを繰り返 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top