◇第100回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)
フレッシュグリーンが誇る“駅伝男”が、3度目の箱根路でも大仕事をやってのけた。
当日の区間変更で、1年生以来の3区に起用された太田蒼生(3年)は、22秒前にスタートした駒大の佐藤圭汰(2年)を猛追した。
「展開的に追いつくには攻めるしかないと思っていました」と、5kmを13分台で入ると、7.6km地点で佐藤に並びかける。その後はしばらく並走が続き、10kmも27分26秒という驚異的なラップタイムを刻んだ。
それでも、「キツさはそこまでなかった」と、以降は何度かペースを上げて前に出るなど主導権を握っていき、最後は18km過ぎにサングラスを頭にかけると同時にロングスパート。粘る佐藤を振り切り、最後は4秒先着して平塚中継所に飛び込んだ。
圧倒的な強さを見せ、昨年の箱根駅伝4区から続いていた駒大の学生三大駅伝連続トップ中継を「23」でストップする快進撃。走り終えた瞬間、後ろの運営管理車に乗る原晋監督から、「良く頑張った。あっぱれ!」の声がかかると笑顔で応えた。
59分47秒は区間歴代2位、日本人初の59分台だ。下り基調とはいえ、21.4kmをハーフマラソンの日本記録(1時間0分00秒)を上回るペースで走り切ったことになる。
だが太田本人は、「箱根駅伝はお祭り。楽しく走りたいと思っていて、その通りの走りができた結果、タイムがついてきた」と飄々と話す。
今大会出場選手で10000m自己記録トップ(27分28秒50)の佐藤とのデットヒートを制する殊勲にも、「競り合っている時が一番楽しかった。ロードは自分のフィールドなので」と言ってのけるほど。「追いかける怖さはなかった。並走してからは最後までもつれる覚悟もしましたけど、今季は1年間継続して練習もできていたので、1年時より走れる自信もあった」という同コースでの経験も武器にした。
これで勢いに乗ったチームは、4区の佐藤一世(4年)が区間賞。5区の若林宏樹(3年)も区間新記録(区間2位)と独走態勢を築き、2年ぶりに往路優勝を奪還。1年時は“シンデレラボーイ”と呼ばれた男は、2年の時を経て、“スーパーエース”となって箱根ファンを魅了した。
文/田中 葵
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2026.09.10
-
2026.09.08
-
2026.09.05
Latest articles 最新の記事
2026.09.10
桐生祥秀が全日本実業団の100m欠場を発表「アジア大会で自分の仕事をしっかり果たすために」
男子短距離の桐生祥秀(日本生命)が9月10日、自身のSNSで100mにエントリーしていた全日本実業団対抗選手権(9月11日~13日/京都・西京極)を欠場することを発表した。 9月23日から始まる名古屋アジア大会陸上競技の […]
2026.09.10
世界陸連が公式モバイルアプリをリリース 最新情報、大会速報、優勝者予想などさまざまなコンテンツ
世界陸連は9月9日、公式のモバイルアプリをリリースしたと発表した。 これまで世界陸連は、ウェブサイトやSNSで陸上競技にまつわる情報を発信してきたが、11日から開幕する世界陸上アルティメット選手権を前に、新たなアプリを立 […]
2026.09.10
TBSアジア大会陸上応援サポーターに&TEAMのKが就任!「全力で大会を盛り上げたい」昨年の東京世界陸上でも担当
9月に開幕する名古屋アジア大会を独占生放送するTBSは9月9日、9人組グローバルグループ「&TEAM」のKが、アジア大会の「TBS陸上応援サポーター」に就任したことを発表した。 Kは長距離選手として高校では強豪校の一員と […]
2026.09.10
ソニーが世界アルティメット選手権での活動発表!フィニッシュシーンで革新的映像表現に挑戦
ソニー株式会社と世界陸連(WA)は9月9日、初開催となる世界アルティメット選手権(9月11日~13日/ハンガリー・ブダペスト)において、独自の光学トラッキング技術を活用した、フィニッシュシーンを新たな形で可視化する取り組 […]
2026.09.09
桐生祥秀、多田修平、井戸アビゲイル風果らアジア大会代表集結!世界選手権標準突破の上田百寧も注目/全日本実業団
第74回全日本実業団対抗選手権が9月11日から13日までの3日間、京都市のたけびしスタジアム京都で行われる。名古屋アジア大会(陸上:9月23日~29日)の代表に加え、代表には届かなかったものの、その後、調子を上げてきた選 […]
Latest Issue
最新号
2026年9月号 (8月17日発売)
滋賀IH総特集
山口全中展望
アジア大会代表Close up