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2023.12.25

【Playback箱根駅伝】第76回/駒大 悲願の初優勝 34回連続出場、2年連続2位の悔しさ晴らす
【Playback箱根駅伝】第76回/駒大 悲願の初優勝 34回連続出場、2年連続2位の悔しさ晴らす

第76回箱根駅伝/初優勝のフィニッシュテープを切る駒大・高橋正仁

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第76回(2000年/平成12年)
中大が1996年以来のトップ3 帝京大が初シードの4位

20世紀最後の箱根駅伝は連覇を目指す順大、2年連続準Vの駒大、出雲・全日本の両駅伝で2位に入った山梨学大、上位10人の持ちタイムで上位につけていた神奈川大と中大の“5強”による優勝争いが予想された第76回大会。

前回出場校の中央学大が予選会で姿を消した一方で、関東学院大が2年ぶりに本戦へ返り咲いた。また、今大会から5区と6区のコースに変更があり、区間記録が刷新された。

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1区は法大の徳本一善(2年)がスタート直後に飛び出すと、そのままリードを広げて区間賞を獲得。2位以下に1分以上の大差をつけると、2区の坪田智夫(4年)も区間トップの快走で、“オレンジエクスプレス”の愛称を持つ法大が抜群のスタートダッシュに成功した。

2区終了時点の順位は、法大から1分40秒差の2位で順大、ほぼ同着で駒大が3位。優勝候補に挙げられた神奈川大、中大、山梨学大はそれぞれ6位、9位、10位とやや出遅れた。

3区でも法大が首位をキープ。後続では帝京大の北島吉章(2年)が区間賞の走りで2位に浮上し、2区終了時で11位だった東海大も伊藤孝志(3年)の6人抜きで5位に躍り出た。

先頭争いに動きがあったのが4区。帝京大が法大を抜いて先頭に躍り出ると、その帝京大を順大の野口英盛(2年)が追い抜いて首位に浮上。2位に帝京大、3位駒大、4位法大、5位早大の順番で5区走者にタスキをつないだ。

山上りの5区では駒大の1年生・松下龍治が帝京大、順大を交わして先頭へ。そのまま独走かと思われたが、後方から前回区間賞の東海大・柴田真一(2年)が猛烈な勢いで迫っていく。14km過ぎで柴田が松下を捕らえたが、17km過ぎで松下が再逆転に成功。そのまま芦ノ湖のフィニッシュに飛び込み、見事往路2連覇を飾った。

5区の区間賞は柴田と、中大のルーキー・藤原正和が同時受賞。東海大は6位から2位へ、中大は8位から4位までジャンプアップ。一方で山梨学大は12位、神奈川大は13位まで沈み、優勝争いから脱落した。

往路を制した駒大は、復路でさらなる強さを見せつけた。6区の大西雄三(4年)が区間2位の好走で後続との差を広げると、7区の揖斐祐治(2年)が区間賞。9区の西田隆維(4年)、10区の高橋正仁(2年)も区間新。6区以降は一度も先頭を譲ることなく、往路・復路完全制覇で悲願の初優勝を飾った。

8区・奥田真一郎(2年)の区間賞などで意地を見せた前回王者の順大が2位。5区と6区で大きく順位を上げた中大が優勝した1996年以来となるトップ3に食い込んだ。2年連続最下位(15位)だった帝京大は往路で3位に入った勢いを持続させて過去最高順位の4位。予選会トップ通過の実力を発揮し、出場3回目にして初めてシード権を獲得した。

エースの山本佑樹(4年)をケガで欠いた日大は序盤で大きく出遅れたものの、総合5位で名門の底力を見せた。熾烈を極めたシード権争いは山梨学大が10区で2人を抜いてギリギリ9位を確保。往路序盤を盛り上げた法大がわずか29秒差で10位に泣き、9区終了時で8位だった大東大も10区で4つ順位を落とした。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第76回(2000年/平成12年) 中大が1996年以来のトップ3 帝京大が初シードの4位

20世紀最後の箱根駅伝は連覇を目指す順大、2年連続準Vの駒大、出雲・全日本の両駅伝で2位に入った山梨学大、上位10人の持ちタイムで上位につけていた神奈川大と中大の“5強”による優勝争いが予想された第76回大会。 前回出場校の中央学大が予選会で姿を消した一方で、関東学院大が2年ぶりに本戦へ返り咲いた。また、今大会から5区と6区のコースに変更があり、区間記録が刷新された。 1区は法大の徳本一善(2年)がスタート直後に飛び出すと、そのままリードを広げて区間賞を獲得。2位以下に1分以上の大差をつけると、2区の坪田智夫(4年)も区間トップの快走で、“オレンジエクスプレス”の愛称を持つ法大が抜群のスタートダッシュに成功した。 2区終了時点の順位は、法大から1分40秒差の2位で順大、ほぼ同着で駒大が3位。優勝候補に挙げられた神奈川大、中大、山梨学大はそれぞれ6位、9位、10位とやや出遅れた。 3区でも法大が首位をキープ。後続では帝京大の北島吉章(2年)が区間賞の走りで2位に浮上し、2区終了時で11位だった東海大も伊藤孝志(3年)の6人抜きで5位に躍り出た。 先頭争いに動きがあったのが4区。帝京大が法大を抜いて先頭に躍り出ると、その帝京大を順大の野口英盛(2年)が追い抜いて首位に浮上。2位に帝京大、3位駒大、4位法大、5位早大の順番で5区走者にタスキをつないだ。 山上りの5区では駒大の1年生・松下龍治が帝京大、順大を交わして先頭へ。そのまま独走かと思われたが、後方から前回区間賞の東海大・柴田真一(2年)が猛烈な勢いで迫っていく。14km過ぎで柴田が松下を捕らえたが、17km過ぎで松下が再逆転に成功。そのまま芦ノ湖のフィニッシュに飛び込み、見事往路2連覇を飾った。 5区の区間賞は柴田と、中大のルーキー・藤原正和が同時受賞。東海大は6位から2位へ、中大は8位から4位までジャンプアップ。一方で山梨学大は12位、神奈川大は13位まで沈み、優勝争いから脱落した。 往路を制した駒大は、復路でさらなる強さを見せつけた。6区の大西雄三(4年)が区間2位の好走で後続との差を広げると、7区の揖斐祐治(2年)が区間賞。9区の西田隆維(4年)、10区の高橋正仁(2年)も区間新。6区以降は一度も先頭を譲ることなく、往路・復路完全制覇で悲願の初優勝を飾った。 8区・奥田真一郎(2年)の区間賞などで意地を見せた前回王者の順大が2位。5区と6区で大きく順位を上げた中大が優勝した1996年以来となるトップ3に食い込んだ。2年連続最下位(15位)だった帝京大は往路で3位に入った勢いを持続させて過去最高順位の4位。予選会トップ通過の実力を発揮し、出場3回目にして初めてシード権を獲得した。 エースの山本佑樹(4年)をケガで欠いた日大は序盤で大きく出遅れたものの、総合5位で名門の底力を見せた。熾烈を極めたシード権争いは山梨学大が10区で2人を抜いてギリギリ9位を確保。往路序盤を盛り上げた法大がわずか29秒差で10位に泣き、9区終了時で8位だった大東大も10区で4つ順位を落とした。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第76回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 駒大  11時間03分17秒 2位 順大  11時間07分35秒 3位 中大  11時間09分58秒 4位 帝京大 11時間16分48秒 5位 日大  11時間17分42秒 6位 早大  11時間18分12秒 7位 東海大 11時間20分00秒 8位 神奈川大11時間20分18秒 9位 山梨学大11時間22分58秒 10位 法大  11時間23分27秒 11位 日体大 11時間25分37秒 12位 大東大 11時間26分54秒 13位 関東学院大11時間26分58秒 14位 拓大  11時間28分34秒 15位 東洋大 11時間40分45秒 ●区間賞 1区 徳本一善(法大) 1時間02分39秒 2区 坪田智夫(法大) 1時間08分16秒 3区 北島吉章(帝京大)1時間03分16秒 4区 野口英盛(順大) 1時間02分14秒 5区 柴田真一(東海大)1時間11分36秒    藤原正和(中大) 6区 永井順明(中大)    58分35秒 7区 揖斐祐治(駒大) 1時間03分12秒 8区 奥田真一郎(順大)1時間04分37秒 9区 西田隆維(駒大) 1時間09分00秒 10区 高橋正仁(駒大) 1時間10分26秒

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