2023.12.11
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第25回(1949年/昭和24年)
明大は1区区間賞から全中継所で首位リレー 9区、10区で早大が競りかけるも最後に力尽く
日体大の前身である日本体育専門学校が初出場。12校で開催されたレースは波乱含みの展開だった。
大誤算だったのが前回優勝校の中大。1区こそ2位と上々の滑り出しを見せるが、2区の井上俊一が区間最下位のブレーキで7位に転落する。5区でも前回区間2位の西田勝雄が区間10位で、トップと40分近い差の9位で終えた。なお、西田はフィニッシュ手前200mで倒れ込み、関係者に担ぎ込まれるようなかたちでたどり着いたが、失格とはならなかった。
その中で往路を制したのが明大。1区の島村和男が2位に1分47秒差をつける会心の走りを見せると、3区の田中久夫と5区の岡正康も区間賞を獲得して往路優勝を果たし、2位の早大に8分52秒の大差をつけた。
復路でも明大が首位を守ったが、早大が猛追を見せる。6区の山田俊が区間賞の走りで3分9秒差まで迫ると、8区でも大塚良一が区間賞を獲得して26秒差まで追い上げた。9区では早大が追いつく場面もあったが、中継所では明大が再び27秒のリードを作り、勝負は最終区へ。
27秒差でスタートした早大の水野栄英は明大の木渓博志を追いかけて快走を続け、一時は逆転。このままトップを守るかに主合われた。しかし、八ツ山橋を過ぎたところで水野が突然左脚にけいれんを起こして立ち止まるアクシデント。苦痛に顔を歪めながら歩き出す水野に対し、木渓は淡々とフィニッシュを目指す。思わぬかたちで優勝争いに決着がつき、明大が2年ぶり7回目の総合優勝。水野は何とか2位でたどり着いたが、明大とは26分42秒の大差がついていた。
連覇を狙った中大は6区でも前回区間賞の田邉定明が区間11位と失速して10位に下がる。それでも7区以降は4連続区間賞で4位に浮上。復路優勝で王者の面目を保った。また、神奈川師範は3区で大会史上初の途中棄権となった。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第25回(1949年/昭和24年) 明大は1区区間賞から全中継所で首位リレー 9区、10区で早大が競りかけるも最後に力尽く
日体大の前身である日本体育専門学校が初出場。12校で開催されたレースは波乱含みの展開だった。 大誤算だったのが前回優勝校の中大。1区こそ2位と上々の滑り出しを見せるが、2区の井上俊一が区間最下位のブレーキで7位に転落する。5区でも前回区間2位の西田勝雄が区間10位で、トップと40分近い差の9位で終えた。なお、西田はフィニッシュ手前200mで倒れ込み、関係者に担ぎ込まれるようなかたちでたどり着いたが、失格とはならなかった。 その中で往路を制したのが明大。1区の島村和男が2位に1分47秒差をつける会心の走りを見せると、3区の田中久夫と5区の岡正康も区間賞を獲得して往路優勝を果たし、2位の早大に8分52秒の大差をつけた。 復路でも明大が首位を守ったが、早大が猛追を見せる。6区の山田俊が区間賞の走りで3分9秒差まで迫ると、8区でも大塚良一が区間賞を獲得して26秒差まで追い上げた。9区では早大が追いつく場面もあったが、中継所では明大が再び27秒のリードを作り、勝負は最終区へ。 27秒差でスタートした早大の水野栄英は明大の木渓博志を追いかけて快走を続け、一時は逆転。このままトップを守るかに主合われた。しかし、八ツ山橋を過ぎたところで水野が突然左脚にけいれんを起こして立ち止まるアクシデント。苦痛に顔を歪めながら歩き出す水野に対し、木渓は淡々とフィニッシュを目指す。思わぬかたちで優勝争いに決着がつき、明大が2年ぶり7回目の総合優勝。水野は何とか2位でたどり着いたが、明大とは26分42秒の大差がついていた。 連覇を狙った中大は6区でも前回区間賞の田邉定明が区間11位と失速して10位に下がる。それでも7区以降は4連続区間賞で4位に浮上。復路優勝で王者の面目を保った。また、神奈川師範は3区で大会史上初の途中棄権となった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第25回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 明大 13時間36分11秒 2位 早大 14時間02分53秒 3位 東京体専 14時間11分26秒 4位 中大 14時間14分12秒 5位 東京文理科大 14時間18分04秒 6位 法大 14時間18分57秒 7位 日本体専 14時間19分05秒 8位 専大 14時間40分21秒 9位 立教大 14時間55分16秒 10位 東洋大 15時間09分49秒 11位 横浜専門 15時間49分40秒 神奈川師範 途中棄権 ●区間賞 1区 島村和男(明大) 1時間17分25秒 2区 相沢末男(東洋大)1時間15分36秒 3区 田中久夫(明大) 1時間18分40秒 4区 白鷺靖昌(早大) 1時間13分33秒 5区 岡正康(明大) 1時間43分38秒 6区 山田俊(早大) 1時間21分59秒 7区 牧野信弘(中大) 1時間12分47秒 8区 大塚良一(早大) 1時間16分45秒 9区 黒木弘行(中大) 1時間10分56秒 10区 高杉良輔(中大) 1時間16分56秒RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.08
甲南学園陸上競技部創部100周年式典を開催!中尾恭吾主将「次の100年へつなげたい」
2025.11.08
5000m競歩で山田大智が高校新! 従来の記録を10秒近く更新する19分20秒59
-
2025.11.07
-
2025.11.07
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.11.02
-
2025.11.02
-
2025.11.03
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.08
甲南学園陸上競技部創部100周年式典を開催!中尾恭吾主将「次の100年へつなげたい」
甲南学園陸上競技部創部100周年記念式典、および記念祝賀会が11月8日、神戸市内のホテルで開催された。 甲南大学、甲南高校・中学校を運営する甲南学園の歴史は1911年の幼稚園創立からスタート。翌年に小学校、1919年に中 […]
2025.11.08
女子5000mで山田桃愛が15分33秒70の自己新 3000mで高3・栃尾佳穂9分11秒48/京都陸協記録会
11月8日、京都市の東寺ハウジングフィールド西京極で第6回京都陸協記録会が行われ、女子5000mでは山田桃愛(しまむら)が15分33秒70の自己新で全体トップとなった。 山田は埼玉県出身の24歳。小学生時代に発症した骨髄 […]
2025.11.08
5000m競歩で山田大智が高校新! 従来の記録を10秒近く更新する19分20秒59
11月8日、兵庫県尼崎市の尼崎市記念公園陸上競技場で第6回尼崎中長距離記録会が行われ、男子5000m競歩で山田大智(西脇工高3兵庫)が19分20秒59の日本高校新記録を樹立した。従来の高校記録は住所大翔(飾磨工高/現・富 […]
2025.11.08
中部・北陸実業団駅伝の区間エントリー発表! 最長4区はトヨタ紡織・西澤侑真、トヨタ自動車・湯浅仁が出場
11月8日、中部実業団連盟と北陸実業団連盟は、ニューイヤー駅伝の予選を兼ねた第65回中部・第55回北陸実業団対抗駅伝(11月9日)の区間エントリーを発表した。 中部では、昨年大会新記録で優勝を果たしたトヨタ紡織が4区(1 […]
2025.11.08
中電工は1区・相葉直紀、6区・北村惇生 中国電力は池田勘汰を6区に起用/中国実業団対抗駅伝
中国実業団連盟は11月8日、第64回中国実業団対抗駅伝(11月9日)の区間エントリーを発表した。 前回大会で3年ぶりの優勝を果たした中電工は、優勝の立役者となった北村惇生を2年連続でエース区間の6区(19km)に登録した […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望