2023.12.02
第311回日体大長距離競技会兼第7回NITTAIDAI Challenge Gamesが12月2日に行われ、NCG女子5000mに日本記録(14分29秒18)保持者の田中希実(New Balance)と前日本記録保持者(14分52秒84)の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が出場し、田中が15分07秒40、廣中が15分07秒43でフィニッシュした。
11月を休養に充ててこれがオフ明け初レースとなった田中。ブダペスト世界選手権8位の田中は参加標準記録(14分52秒00)を切ればパリ五輪の代表に内定するため、記録を見据えて出場した。
だが、「最初の200mから頭に血が上ってしまって、気づいたら2番手にいました」と冷静に試合を運べず。3000mも「元々は8分50秒、直前の調整で8分55秒」を想定していたが、「1000mの時点で遅れてしまいました」。ペースはもちろん、「余裕があるかどうかが一番大事なのですが、そこもダメでした」と唇を噛んだ。
「一番良い時の走りではなかったですが、その中でもタイム(参加標準記録)を切るというのが最低限の目標でした。切れなくても14分台はいつでも走れる状態にしないと。自己ベストとの格差が出てしまった」
オフの期間は「イベントなど日々楽しめてはいたのですが、その答えが今日のレース。集中しきれない日々が続きつつ、意識だけはしていたのが苦しくもありました。仕方ない部分はありますが、フラストレーションが溜まってしまった」と言う。
父・健智コーチからも心が整わないのであれば棄権する選択肢もあると言われたが、今シーズンもそうだったように、逃げずに立ち向かった。苦しみから逃げなければ、その先に何か得られると実体験を持って知っている。
12月9日のハワイ・ホノルルマラソンのイベントとして実施される1マイルレースに出場するが、「12月もリフレッシュを兼ねて練習は少し落とす」という。都道府県女子駅伝後はケニア遠征をして、米国で室内シーズンに入る予定だ。今年と同様に6月までは1500mを中心に据えながら、ダイヤモンドリーグなどで5000mにチャレンジしていく構えだ。
「パリ五輪にはちゃんと2種目(1500mと5000m)で出て結果を残すのが目標。そこに向かって、今まで以上に気持ちを充実させて仲間とともに向かっていく時間を大切にできるかかなと思っています」
東京五輪では1500mで8位入賞の快挙ながら5000mで予選敗退の“借り”がある。自身2度目のオリンピックに向かってノンストップで突き進む。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.05.03
パリ五輪へ!日本選手権10000m、今日静岡で号砲 男子は塩尻、太田、相澤の三つ巴か
-
2024.05.02
2024.04.26
やり投・北口榛花 五輪シーズン初戦へ「結果がどうであれ次につなげられれば」/DL蘇州
-
2024.04.29
-
2024.04.29
2024.04.12
40年以上の人気シューズ”ペガサス”シリーズの最新作!「ナイキ ペガサス 41」が登場!
-
2024.04.26
-
2024.04.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.05.03
パリ五輪へ!日本選手権10000m、今日静岡で号砲 男子は塩尻、太田、相澤の三つ巴か
◇第108回日本選手権10000m(5月3日/小笠山総合運動公園静岡スタジアム) パリ五輪代表選考会となる第108回日本選手権10000mが5月3日に静岡・エコパで行われる。日本GPシリーズの静岡国際の後に開催となるのは […]
2024.05.02
栗原啓吾が富士山の銘水に加入 「新たな環境で陸上を続けられる感謝を忘れず」 3月にSUBARUを退社
富士山の銘水は、5月1日付で栗原啓吾が入社したことを発表した。 栗原は群馬県出身。東農大二高時代に3年連続で全国高校駅伝の4区を走るなど活躍し、中央学大では1、2、4年時に箱根駅伝に出場。2年時には1区でトップと13秒差 […]
2024.05.02
単独インタビュー「私は田中希実ですと自信を持って言えるようになった」プロ1年目の総括と思い描くパリでのレース
昨年4月、田中希実は実業団チームを離れて「New Balance」所属の“プロランナー”としてのキャリアをスタートさせた。 プロとして駆け抜けた1年。ブダペスト世界選手権では5000m8位入賞し、ダイヤモンドリーグ(DL […]
2024.05.02
塩尻和也、太田智樹、相澤晃がパリ五輪に近づくか!?田澤が欠場、次の勢力は!?/日本選手権10000m
パリ五輪代表選考会となる第108回日本選手権10000mが5月3日に静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアムで行われる。男子の有力選手を見ていこう。 【女子のみどころ】3連覇中の本命・廣中が不在 小海遥、五島莉乃、高島由香 […]
Latest Issue 最新号
2024年5月号 (4月12日発売)
パリ五輪イヤー開幕!