HOME 国内、世界陸上、日本代表
準決勝ならずも100mH初の3人出場 田中佑美&青木益未はパリ五輪への思い強く/世界陸上
準決勝ならずも100mH初の3人出場 田中佑美&青木益未はパリ五輪への思い強く/世界陸上

ともに13秒台で準決勝には届かなかった青木益未(左)と田中佑美

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)4日目

ブダペスト世界陸上4日目のアフタンーンセッションが行われ、初の3人フルエントリーを果たした女子100mハードルの日本勢は、そろって予選敗退。世界の壁に跳ね返された。

1組に出場した青木益未(七十七銀行)は13秒26(+0.1)で8着にとどまり、2組の寺田明日香(ジャパンクリエイト)は13秒15(+0.1)で6着。最終5組に出場した田中佑美(富士通)は13秒12(+0.4)で7着だった。

日本勢では最速タイムだった田中は、初めてのシニア世界大会に「無心で」臨んだという。「ウォーミングアップで動きが良かったので、できる限り全力で挑もう」。

予選突破のラインも「12秒9台は必須」と確認。4月末の織田記念で自身初の12秒台突入を果たして以降、「今季、普通に走れば12秒9台は出ている」田中にとって、準決勝は十分射程圏内に入っていた。

だが、スタートでやや出遅れ気味となり、得意の後半でも巻き返せず。13秒台の結果に、「敗北した気分です」と唇を噛む。

広告の下にコンテンツが続きます

それでも、田中にとってはここがスタートライン。5月のセイコーゴールデングランプリで12秒89(日本歴代4位)をマークし、日本選手権では日本記録保持者・福部真子(日本建設工業)を含む4強の争いで3位に食い込み、ワールドランキングでの代表入りをつかんだ。インターハイ2連覇を果たした大阪・関大一高時代から口にしてきた「世界」の舞台に、ようやく立ったところだ。

その目線は、早くも来年に向く。「五輪はまだ出場したことないので目指している舞台です」。秋にはアジア大会を控えており、「アジアで記録を出して、しっかりとトレーニングを積んで来年に備えたい」と力強く語る。

「世界の借りは世界で」。ブダペストでの悔しさを糧とし、さらなる飛躍への経験とする。

前回準決勝に進んだ青木だが、今回は出場すら迷うほどの状態だったを明かす。

「(6月の)布勢スプリントの時に左足のくるぶしを痛めていて、7月のアジア選手権で悪化しまいた。1週間休んで治るかと思ったのですが……」

ケガの回復は見られないままブダペスト入りしたが、東京五輪を含む3年連続世界大会のスタートラインに立つことを決断した。その中でも、得意のスタートから前半は上位争いを展開。ただ、後半は「別の種目をやっているくらいに違った」と大差をつけられた。

涙をこらえながら、それでも「来年に向けて組み立てていきたい」とパリ五輪への思いを口にした青木。持ち味のスピードが戻れば、その舞台への道が開けるはずだ。

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)4日目 ブダペスト世界陸上4日目のアフタンーンセッションが行われ、初の3人フルエントリーを果たした女子100mハードルの日本勢は、そろって予選敗退。世界の壁に跳ね返された。 1組に出場した青木益未(七十七銀行)は13秒26(+0.1)で8着にとどまり、2組の寺田明日香(ジャパンクリエイト)は13秒15(+0.1)で6着。最終5組に出場した田中佑美(富士通)は13秒12(+0.4)で7着だった。 日本勢では最速タイムだった田中は、初めてのシニア世界大会に「無心で」臨んだという。「ウォーミングアップで動きが良かったので、できる限り全力で挑もう」。 予選突破のラインも「12秒9台は必須」と確認。4月末の織田記念で自身初の12秒台突入を果たして以降、「今季、普通に走れば12秒9台は出ている」田中にとって、準決勝は十分射程圏内に入っていた。 だが、スタートでやや出遅れ気味となり、得意の後半でも巻き返せず。13秒台の結果に、「敗北した気分です」と唇を噛む。 それでも、田中にとってはここがスタートライン。5月のセイコーゴールデングランプリで12秒89(日本歴代4位)をマークし、日本選手権では日本記録保持者・福部真子(日本建設工業)を含む4強の争いで3位に食い込み、ワールドランキングでの代表入りをつかんだ。インターハイ2連覇を果たした大阪・関大一高時代から口にしてきた「世界」の舞台に、ようやく立ったところだ。 その目線は、早くも来年に向く。「五輪はまだ出場したことないので目指している舞台です」。秋にはアジア大会を控えており、「アジアで記録を出して、しっかりとトレーニングを積んで来年に備えたい」と力強く語る。 「世界の借りは世界で」。ブダペストでの悔しさを糧とし、さらなる飛躍への経験とする。 前回準決勝に進んだ青木だが、今回は出場すら迷うほどの状態だったを明かす。 「(6月の)布勢スプリントの時に左足のくるぶしを痛めていて、7月のアジア選手権で悪化しまいた。1週間休んで治るかと思ったのですが……」 ケガの回復は見られないままブダペスト入りしたが、東京五輪を含む3年連続世界大会のスタートラインに立つことを決断した。その中でも、得意のスタートから前半は上位争いを展開。ただ、後半は「別の種目をやっているくらいに違った」と大差をつけられた。 涙をこらえながら、それでも「来年に向けて組み立てていきたい」とパリ五輪への思いを口にした青木。持ち味のスピードが戻れば、その舞台への道が開けるはずだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

PR

2025.05.01

KIPRUNが環境に優しい新たなシューズを発表 接着剤不使用の「KIPX」はリサイクル可能な次世代アイテム

KIPRUNは4月上旬、フランス・パリで発表会を行い、新たなブランドロゴを発表するとともに、今後日本国内でも発売を予定している新モデルシューズを発表した。 競歩世界チャンピオンも愛用したシューズ 2021年にブランド初の […]

NEWS セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら

2025.05.01

セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら

日本陸連は5月1日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第10弾としてトラック種目の海外選手を発表した。 男子100mには昨年のパリ五輪男子4×100mリレーで金メダルのジェロー […]

NEWS 坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP

2025.05.01

坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP

5月1日、日本陸連はセイコーゴールデングランプリ(5月18日/東京・国立競技場)の欠場者を発表した。 日本人選手で欠場するのは、男子100mの坂井隆一郎(大阪ガス)、同200mの水久保漱至(宮崎県スポ協)、同400mの中 […]

NEWS アジア選手権男子400m中島佑気ジョセフが故障のため辞退 44秒台の佐藤風雅が代表入り

2025.05.01

アジア選手権男子400m中島佑気ジョセフが故障のため辞退 44秒台の佐藤風雅が代表入り

日本陸連は5月1日、韓国・クミで開催されるアジア選手権の代表選手の入れ替えを発表した。 男子400mで選出されていた中島佑気ジョセフ(富士通)が辞退。右ハムストリングスのケガのためとしている。中島は昨年のパリ五輪代表。4 […]

NEWS 東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」

2025.05.01

東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」

東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top