◇第110回日本選手権マラソン競歩(3月15日/石川県能美市)
アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権マラソン競歩が行われ、男子は諏方元郁(愛知製鋼)が2時間58分21秒で優勝した。主要大会初タイトルとなる。
これまでの35kmから世界陸連(WA)のルール変更によりマラソン(42.195km)となってからは日本選手権として初開催となる。
「前半は落ち着いてレースを進めていきました」という諏方。住所大翔(富士通)、髙橋和生(ADワークスグループ)、村山裕太郎(富士通)と先頭集団を形成。20kmあたりから村山が遅れ始めた。
30km付近では住所がペースアップ。だが、「ラスト10kmで上げていくプランだったので溜めていた」という諏方は冷静だった。じわじわと差を詰めると、35km以降は前に出ると、ラスト1周となる残り2kmでは40秒近くの差をつける完勝だった。
世界記録基準記録(2時間56分30秒)には届かなかったが、昨年、勝木隼人(自衛隊体育学校)が出した2時間55分28秒の日本最高記録に次ぐ歴代2位の2時間58分21秒という“サブスリー”だった。
1999年生まれの26歳。新潟・中越高では長距離に励んだが、3年目に競歩を始める。卒業後は「中越よつば森林組合」所属で、地元に残って競技を続けていた。その才能と歩きが目に留まって21年に山西利和、丸尾知司が在籍していた愛知製鋼に入部したという異色の経歴の持ち主だ。
20kmは1時間18分42秒、35kmは2時間28分56秒が自己記録。だが、これまで日本選手権など国内でも入賞止まり。五輪、世界選手権などには届かなかった。それでも、その能力を認めてくれていた1人が名指導者の内田隆幸コーチ。その内田コーチが昨年12月に病気のため他界。「その事実を受け入れられず3ヵ月が経ちました」。胸に喪章を付けて歩いた諏方。内田氏の地元・石川での初優勝に「恩返しができました」と語る。
日本選手権ハーフマラソン競歩の山西とともに、愛知製鋼勢で“2冠”で、企業が本社を構える愛知で開催される名古屋アジア大会代表に内定。これまで世界チーム競歩選手権への出場はあるが、国際舞台は初代表。「アジア大会内定を得られたので、そこに向けて頑張っていきたい」と、力強く語った。
併催の全日本能美競歩の男子ハーフマラソン競歩は、川野将虎(旭化成)が1時間21分52秒で優勝。アジア大会代表候補に名乗りを上げた。アジア競歩選手権は同レース3位だった野田明宏(自衛隊体育学校)が1時間21分58秒で優勝。日本学生ハーフマラソン競歩選手権は同2位だった原圭佑(京大)が1時間21分55秒でタイトルを手にした。
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