HOME 特集

2023.06.10

三浦龍司 4度目の日本新!DLのすごさとは?18年ぶり、転倒、五輪など大舞台での強さ…
三浦龍司 4度目の日本新!DLのすごさとは?18年ぶり、転倒、五輪など大舞台での強さ…

21年東京五輪3000m障害で7位に入った三浦龍司(順大)

ダイヤモンドリーグ(DL)パリ大会、男子3000m障害で三浦龍司(順大)が自身の日本記録を0.01秒更新する8分09秒91で2位に入った。

昨年のDLファイナルでも4位に入る快挙を成し遂げているが、中長距離種目で2位、しかも日本新記録更新というのは衝撃的な活躍である。

DLとは世界最高峰のリーグ戦。5月5日のドーハ大会を皮切りに、12ヵ国15都市を巡る。各大会ごとに出場できる人数も限られている上に、各種目のポイント上位者のみが9月16、17日のファイナル(米国オレゴン/男女各16種目)に進出できる。

1ヵ国3人までが上限のオリンピックや世界選手権とは異なり、実力があれば出られる仕組み。賞金が懸かっていることもあり、選手や種目によっては上記2大会よりも『本気度』が高い場合もある。

DLに出られるだけでもとてつもないことだが、その中で結果を出し、ファイナルに進出するのは至難の業。やり投の北口榛花(JAL)と三浦は、そうした中で戦っている。

三浦にとって今回は4度目の日本新樹立。そのいずれもが価値の高い大会で出しているところも三浦の特長の一つだ。

最初に出したのは2021年5月のReady Steady TOKYO(国立競技場)。これは東京五輪のプレ大会として5月に開かれたもの。8分17秒45は18年ぶりの日本新だった。

広告の下にコンテンツが続きます

さらに翌月には日本選手権で8分15秒99をマーク。しかも残り1周を前にした水濠で転倒した直後にスピードアップして見せる快レースだった。

その勢いのまま挑んだ東京五輪では、予選で8分09秒92の日本新。この種目で49年ぶりとなる決勝進出を果たした。さらに決勝でも8分16秒90で7位入賞。まさに快挙連発だった。

そして昨年は、3000m障害でのDL初出場だったローザンヌ大会で当時シーズンベストの8分13秒06で4位。DLファイナルでもシーズンベストを更新する8分12秒65で4位に入っている。

これまで大舞台で常に結果を出してきた三浦。これで2年連続でのDLファイナルに大きく近づいたと言える。

ちなみに、三浦は3000m障害で高校記録、U18、U20、学生記録などを次々と塗り替えてきた。

洛南高3時には当時、インターハイ種目で最古だった櫛部静二の高校記録(8分44秒77/1989年)を30年ぶりに更新(※同時に20年ぶりU18日本記録)。後に8分39秒37まで短縮した。

順大進学後、コロナ禍で遅れたデビュー戦は7月のホクレンディスタンスだったが、ここで8分19秒37をマーク。これは37年ぶりのU20日本新(愛敬重之8分31秒27/1983年)、41年ぶりの日本学生新記録(新宅雅也8分25秒8/1979年)だった。

次々と歴史を塗り替えてきた三浦龍司。次はどんな歴史の扉を開いていくのだろうか。

ダイヤモンドリーグ(DL)パリ大会、男子3000m障害で三浦龍司(順大)が自身の日本記録を0.01秒更新する8分09秒91で2位に入った。 昨年のDLファイナルでも4位に入る快挙を成し遂げているが、中長距離種目で2位、しかも日本新記録更新というのは衝撃的な活躍である。 DLとは世界最高峰のリーグ戦。5月5日のドーハ大会を皮切りに、12ヵ国15都市を巡る。各大会ごとに出場できる人数も限られている上に、各種目のポイント上位者のみが9月16、17日のファイナル(米国オレゴン/男女各16種目)に進出できる。 1ヵ国3人までが上限のオリンピックや世界選手権とは異なり、実力があれば出られる仕組み。賞金が懸かっていることもあり、選手や種目によっては上記2大会よりも『本気度』が高い場合もある。 DLに出られるだけでもとてつもないことだが、その中で結果を出し、ファイナルに進出するのは至難の業。やり投の北口榛花(JAL)と三浦は、そうした中で戦っている。 三浦にとって今回は4度目の日本新樹立。そのいずれもが価値の高い大会で出しているところも三浦の特長の一つだ。 最初に出したのは2021年5月のReady Steady TOKYO(国立競技場)。これは東京五輪のプレ大会として5月に開かれたもの。8分17秒45は18年ぶりの日本新だった。 さらに翌月には日本選手権で8分15秒99をマーク。しかも残り1周を前にした水濠で転倒した直後にスピードアップして見せる快レースだった。 その勢いのまま挑んだ東京五輪では、予選で8分09秒92の日本新。この種目で49年ぶりとなる決勝進出を果たした。さらに決勝でも8分16秒90で7位入賞。まさに快挙連発だった。 そして昨年は、3000m障害でのDL初出場だったローザンヌ大会で当時シーズンベストの8分13秒06で4位。DLファイナルでもシーズンベストを更新する8分12秒65で4位に入っている。 これまで大舞台で常に結果を出してきた三浦。これで2年連続でのDLファイナルに大きく近づいたと言える。 ちなみに、三浦は3000m障害で高校記録、U18、U20、学生記録などを次々と塗り替えてきた。 洛南高3時には当時、インターハイ種目で最古だった櫛部静二の高校記録(8分44秒77/1989年)を30年ぶりに更新(※同時に20年ぶりU18日本記録)。後に8分39秒37まで短縮した。 順大進学後、コロナ禍で遅れたデビュー戦は7月のホクレンディスタンスだったが、ここで8分19秒37をマーク。これは37年ぶりのU20日本新(愛敬重之8分31秒27/1983年)、41年ぶりの日本学生新記録(新宅雅也8分25秒8/1979年)だった。 次々と歴史を塗り替えてきた三浦龍司。次はどんな歴史の扉を開いていくのだろうか。

三浦龍司のそれぞれの自己記録は?

1500m3.36.56=日本歴代3位、日本人学生歴代2位 3000m7.47.98=日本歴代6位 5000m13.26.78=U20日本歴代4位 3000m障害8.09.91=日本記録 ハーフ1.01.41=U20日本最高

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.13

富士山女子駅伝エントリー発表! 立命大は村松灯ら全日本Vメンバーが登録 名城大も谷本七星ら主力がエントリー 拓大・不破は最後の学生駅伝

日本学生連合は、12月30日に行われる2024全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)のエントリー選手を発表した。 10月の全日本大学女子駅伝で9年ぶりに女王の座を奪還した立命大は、同大会で区間賞を獲得した村松灯(4年) […]

NEWS スピード練習やデイリートレーニングをサポートするランニングシューズ「MIZUNO NEO ZEN」が登場!

2024.12.13

スピード練習やデイリートレーニングをサポートするランニングシューズ「MIZUNO NEO ZEN」が登場!

ミズノは、進化したミッドソールを搭載し、軽量性、クッション性、反発性を兼ね備えたデイリーランニングシューズ「MIZUNO NEO ZEN(ミズノネオゼン)」を12月26日に全国のミズノランニング品取扱店で発売することを発 […]

NEWS 日本スポーツ大賞に北口榛花 パリ五輪金、陸上競技では2017年以来

2024.12.13

日本スポーツ大賞に北口榛花 パリ五輪金、陸上競技では2017年以来

読売新聞社が制定する、国内外で活躍した選手やチームを表彰する第73回日本スポーツ賞の選考会が12月12日に開かれ、北口榛花(JAL)が大賞に選ばれた。 北口は今夏のパリ五輪女子やり投で金メダルを獲得。陸上競技の五輪金は通 […]

NEWS 日本GPシリーズチャンピオンは福部真子と筒江海斗!種目別800mは落合晃&久保凛の高校日本記録保持者コンビがV、女子1500m田中希実が4連覇

2024.12.12

日本GPシリーズチャンピオンは福部真子と筒江海斗!種目別800mは落合晃&久保凛の高校日本記録保持者コンビがV、女子1500m田中希実が4連覇

日本グランプリ(GP)シリーズ2024のシリーズチャンピオンが発表され、男子は400mハードルの筒江海斗(ST-WAKO)、女子は100mハードルの福部真子(日本建設工業)と、ともにパリ五輪のハードル種目代表が初の栄冠に […]

NEWS 青学大・原晋監督 連覇へ「山で区間新を出せる準備」チームの雰囲気「単なる仲良しクラブじゃない」

2024.12.12

青学大・原晋監督 連覇へ「山で区間新を出せる準備」チームの雰囲気「単なる仲良しクラブじゃない」

第101回箱根駅伝に出場する前回王者の青学大が、東京の青山キャンパスで壮行会を開き、原晋監督やエントリー選手たちが登壇した。その後、会見が開かれて報道陣の取材に応えた。 原監督が掲げた恒例の作戦名は「あいたいね大作戦」。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top