HOME 国内

2023.06.02

「今後は世界のライバルを相手に勝ち切るレースをしたい」女子1500mで田中希実が4連覇!/日本選手権
「今後は世界のライバルを相手に勝ち切るレースをしたい」女子1500mで田中希実が4連覇!/日本選手権

女子1500mで4連覇を飾った田中希実(New Balance)

【動画】女子1500mでロングスパートを決めた田中希実をチェック!

◇第107回日本選手権(6月1日~4日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目 ブダペスト世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権の2日目に女子1500mが行われ、田中希実(New Balance)が4分08秒29で4連覇を飾った。 「今日は勝てるかどうかではなく、世界を意識して自分の可能性にチャレンジしようというワクワク感のほうが大きかった」と言う田中。序盤は籔下明音(豊田自動織機)が飛び出し、田中はそれを追う集団の先頭に位置する。2周目に入って籔下を吸収してトップに立つと、残り800mで一気に抜け出した。 「今年はラスト400mからしか上げられず、イチかバチかという上げ方しかできなかった。今日は同じことをするのではなく、自分の殻を破るためにチャレンジしよう」。世界との勝負も見据えた、覚悟のロングスパート。残り1周ではさらに腕を振ってペースを上げ、60秒でカバーした。 4分17秒66で2位の後藤夢(ユニクロ)に10秒近い大差をつけての快勝に、「今まではラスト2周から行って飛ばし過ぎ、ラスト1周は止まっていました。今日はラスト200mを切って落ちてしまったけど、ラスト1周から上げられたことは収穫です」と手応えを口にする。 残り1周で見せたロングスプリンターのような力強いフォームも、「昨年の秋ごろから腕で持っていく意識を持ってやってきたけど、脚との連動ができ始めてきた」。 2週間前のセイコーゴールデングランプリでも4分11秒56で3年ぶりの優勝。その前後には、「幼い頃から慣れ親しんだ場所」という岐阜・御嶽で合宿をし、日本選手権に向けては「ポイント練習を1つも外さず、余裕を持ってこなせた」と言うほどに状態を仕上げてきた。 もちろん「(イメージの中で)世界のライバルを追い切れたのか、1人で妥協があったか、ラストを絞り切れたか」と反省は尽きない。だが、「今後は世界のライバルを相手に勝ち切るレースをしたい」と、その目線はまっすぐに定まっている。 昨年のオレゴン世界選手権では、8位だった東京五輪に続くファイナル進出は果たせなかった。その悔しさを晴らすために、4月にプロへ転向するなど新たな挑戦を続けている。2日後の5000mで、再びその成果を見せるつもり。「5000mでは、5000m選手にないスピードを見せつけたい」と力強く語った。

【動画】女子1500mでロングスパートを決めた田中希実をチェック!

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.19

北口、サニブラウンら国立競技場で“世界”を体感!!セイコーゴールデンGP今日5/19開催

◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場) 世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが今日5月19日に国立競技場で行われる。WAの試合の格付けでは日本選手権よりも高 […]

NEWS 山西利和が復活V 金メダリスト抑える殊勲 五輪代表池田向希は5位 柳井綾音が自己新の1時間29分44秒/WA競歩ツアー

2024.05.19

山西利和が復活V 金メダリスト抑える殊勲 五輪代表池田向希は5位 柳井綾音が自己新の1時間29分44秒/WA競歩ツアー

【動画】白熱の接戦!前王者・山西利和と現王者・マルティンとの一騎打ちをチェック 第37回ラ・コルーニャ国際グランプリ 上位&日本人成績   男子 1位 山西利和(愛知製鋼)     1時間17分47秒 2位 A […]

NEWS 男子400m中島佑気ジョセフが45秒63のシーズンベスト ノーマン44秒53で快勝/ロサンゼルスGP

2024.05.19

男子400m中島佑気ジョセフが45秒63のシーズンベスト ノーマン44秒53で快勝/ロサンゼルスGP

5月18日、WAコンチネンタルツアー・ゴールド第3戦のロサンゼルスGPが米国カリフォルニア州で行われ、男子400mの中島佑気ジョセフ(富士通)が45秒63のシーズンベストで7位に入った。 この春に社会人となった中島は5月 […]

NEWS 5000m競歩で濱西諒が4年ぶり日本新!デーデー・ブルーノが100m10秒32で快勝!男女1500mで大会新ラッシュ/東日本実業団

2024.05.19

5000m競歩で濱西諒が4年ぶり日本新!デーデー・ブルーノが100m10秒32で快勝!男女1500mで大会新ラッシュ/東日本実業団

◇第66回東日本実業団選手権(5月18日~19日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場) 東日本実業団選手権の1日目が行われ、男子5000m競歩で濱西諒(サンベルクス)が18分16秒97の日本新記録をマークした。従来の記 […]

NEWS 【女子200m】バログン・ハル(市川高1)24秒13=高1歴代6位

2024.05.19

【女子200m】バログン・ハル(市川高1)24秒13=高1歴代6位

女子200m 高1歴代10傑をチェック ■女子200m 高1歴代10傑 23.94 2.0 河野千波(東京学館浦安・千葉) 2004.10. 3 23.98 1.5 鈴木智実(市邨学園・愛知) 1995. 8. 4 24 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年6月号 (5月14日発売)

2024年6月号 (5月14日発売)

別冊付録学生駅伝ガイド

page top