◇第106回日本選手権リレー(10月1日~2日/国立競技場)
日本選手権リレーの2日は、各種目の決勝を実施。女子4×100mリレーは甲南大が44秒72で初優勝を飾った。
予選で学生歴代3位の44秒74をマークしていた甲南大は、2~4走は東京五輪代表・青山華依、奥野由萌、井戸アビゲイル風果と同じメンバー。1走を4年生の下村日向子から1年生の岡根和奏に代わるオーダー臨んだ。
目標は日本一と、昨年の日本インカレで福岡大が出した学生記録44秒51の更新。ただ、3週間前の日本インカレで2走・青山から3走・奥野へのバトンパスにミスが出て、青山が転倒。結局、レーン侵害で失格となった流れがあり、青山は「バトンパスで不安があった」と明かし、まずは思い切ってバトンをつなぐことに集中した。
決勝はその通りに、流れるようにバトンをつなぐ。学生記録には届かなかったが、予選の記録を0.02秒更新し、日本インカレを含めても初の4継日本一の座をつかんだ。
岡根が「不安と緊張がすごかったけど、後ろに心強い3人がいたのでしっかり走ることができた」と言えば、青山も「昨日から44秒台で安定してつなぐことができた。(バトンの)不安は解消されました」と笑顔が弾けた。
奥野も「予選でしっかりとつなげて、決勝もそれができた。優勝して、タイムも良かったのでうれしいです」。アンカーの井戸は「目標の優勝ができて、記録も更新できたので良かったです」と笑顔で振り返った。
青山、井戸をはじめ、力のある選手がそろい、男子100mで10秒00の記録を持つ伊東浩司先生の指導を受けながら「練習で切磋琢磨できる環境があります」(青山)。今回のメンバーは1年生2人、2年生、3年生が1人ずつ。青山は「もっとバトンを改善できるし、そうしればタイムをもっと縮められる」ときっぱり語り、井戸は「さらにタイムを更新して、優勝も来年、再来年とつなげたい」と力強く語った。
男子は大東大がチーム記録の39秒05で、2018年以来4年ぶりの優勝を飾った。
アンカーの假屋直幹(4年)は「(2017年ロンドン世界選手権4×100mリレー銅メダルの)白石黄良々(現・セレスポ)先輩がいた2018年以来の日本一。それを見て入学した学年で、最後の最後に日本一が取れて良かった」と話した。同じ4年生の3走・平野翔大も「1年の時からずっと勝てるメンバーと言われてきた。最後の日本選手権リレーも日本一の目標をぶれずにやってきたので、うれしいです」と笑顔を浮かべた。
1走の深川真平(3年)は「4年生たちを優勝させたいという思いで走りました」と抜群のスタートダッシュを決め、100m10秒27を持つ2走の守祐陽(1年)は「入学した時から『日本一』と言われていて、そこについていきました」と、エースとして優勝に貢献した。
3走、4走を担った4年生2人は「来年は2人が残るし、1年生にも強い選手がいます。安心して後を託せるので、スプリントの強い大東を作っていってほしい」と、後輩たちにエールを送った。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.01
坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.01
KIPRUNが環境に優しい新たなシューズを発表 接着剤不使用の「KIPX」はリサイクル可能な次世代アイテム
KIPRUNは4月上旬、フランス・パリで発表会を行い、新たなブランドロゴを発表するとともに、今後日本国内でも発売を予定している新モデルシューズを発表した。 競歩世界チャンピオンも愛用したシューズ 2021年にブランド初の […]
2025.05.01
セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら
日本陸連は5月1日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第10弾としてトラック種目の海外選手を発表した。 男子100mには昨年のパリ五輪男子4×100mリレーで金メダルのジェロー […]
2025.05.01
東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」
東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)