◇関東インカレ(5月20~23日/神奈川・相模原)
関東インカレ2日目の男子110mハードル決勝は、泉谷駿介(順大)が追い風5.2mの参考記録ながら、日本人“最速”となる13秒05で圧勝。2年ぶりの優勝を手にした。
前日の予選で13秒30(+0.8)と、東京五輪の参加標準記録13秒32を突破する日本歴代3位を叩き出していた泉谷。翌日の準決勝は風が吹き荒れるなか、13秒36(+5.9)で悠々トップ通過した。午後の決勝でもスタートから他を寄せ付けず。強烈な追い風に背中を押されながら、最後までしっかりと刻んで対応した。
「13秒05で走ったという実感が湧きません」。それが正直な気持ちだった。追い風参考を含めた世界歴代32位タイ。10台のハードルがある中で、追い風が吹けば走れるというものではない種目であり、スプリントと、踏み切り、インターバルラン、そのすべてで“13秒05”の走りをした事実は大きい。
実はレースに向けたアップで風が強くて転んでしまったといい、「不安でいっぱいでした」と泉谷。「無事にゴールできてホッとした」。スタートは後輩の村竹ラシッドに先行されたが、「焦らず後半にかわせたのが良かった」と振り返る。
日本選手権で3位以内に入れば東京五輪代表に内定。金井大旺(ミズノ)、高山峻野(ゼンリン)との三つ巴が予想されるが、「まずは3位以内に入ってオリンピック代表に。欲張らず、13秒2台を狙います」と確実に代表権をつかみ取る構えだ。
「(このタイムで走っても)大丈夫という自信がつきました。あらためてこのタイムをアベレージにする選手はすごいな、と。公認記録でも出せるように頑張ります」
このタイムを出してなお、まだ秘める可能性を感じるほどそのポテンシャルは計り知れない。「金井さんたちに負けたくない。ついて行けるように」と話す若武者は、日本のスプリントハードルをどこまでの高みへと誘うのだろうか。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.06.11
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.16
100mH・石原南菜が13秒33!地元で高校歴代2位・U18日本新・高2歴代最高の激走/IH北関東
◇インターハイ北関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場)最終日 広島インターハイ出場を懸けた北関東地区大会の最終日の4日目が行われ、女子100mハードルで石原南菜( […]
2025.06.16
クレイ・アーロン竜波が800m1分46秒31! ポートランドのレースで6年ぶり自己ベスト更新
6月15日に米国・ポートランドで行われたポートランド・トラックフェスティバルの男子800mで、クレイ・アーロン竜波(ペンシルベニア州立大)が1分46秒31の自己ベストで5位に入った。 クレイのこれまでの自己ベストは、神奈 […]
2025.06.16
女子400mHサザーランドが52秒46の全米学生新V 女子3000m障害レンゴールは今季世界最高の8分58秒15/全米学生選手権
6月11日から14日、米国オレゴン州ユージンで全米学生選手権が開催され、女子400mハードルではS.サザーランド(ミシガン大/カナダ)が52秒46の全米学生新で優勝を飾った。 サザーランドは昨年のパリ五輪では7位に入って […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会