HOME 特集

2021.03.15

桐生が2021年初戦、激戦必至のスプリントハードルなど見どころ満載/日本選手権室内・日本室内大阪大会展望
桐生が2021年初戦、激戦必至のスプリントハードルなど見どころ満載/日本選手権室内・日本室内大阪大会展望

「日本選手権室内・2021日本室内大阪大会」は3月17、18日の2日間、大阪市の大阪城ホールで開催される。当初は2月6、7日の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言を受けて延期された。シニアから小学生までトップ選手が多数参戦する予定で、見どころを紹介する。

広告の下にコンテンツが続きます

■日本選手権室内

最注目は男子60mだろう。昨秋の日本選手権男子100m王者・桐生祥秀(日本生命)がエントリーしている。東京五輪イヤーを迎え、ピークはまだまだ先だが、2021年初戦で弾みとなる走りができるか。前回王者で、東京五輪代表を狙う多田修平(住友電工)も参戦。得意のスタートダッシュで桐生との対決にも注目だ。この種目の室内日本記録(6秒54)を持つ川上拓也(大阪ガス)も出場する見込みで新記録もあるかもしれない。

さらに、60mハードルも見逃せない。日本記録(13秒25)保持者の高山峻野(ゼンリン)、同歴代2位(13秒27)を持つ金井大旺(ミズノ)、同3位(13秒36)の泉谷駿介(順大)ら日本歴代10傑のうち7選手がエントリー。いずれも昨年の日本選手権のファイナリストでもあり、男子60m以上の豪華な顔ぶれだ。激戦が予想され金井が前回マークした室内日本記録(7秒61)の更新も十分ある。

走高跳は昨秋の日本選手権で2m30をマークして優勝した真野友博(九電工)、日本記録(2m35)保持者の戸邉直人(JAL)、2大会連続五輪出場を狙う衛藤昂(味の素AGF)らが出場する見込み。棒高跳では山本聖途(トヨタ自動車)に注目だ。

広告の下にコンテンツが続きます

走幅跳は19年ドーハ世界選手権8位の橋岡優輝(日大)や日本記録(8m40)保持者の城山正太郎(ゼンリン)がエントリー。昨年、屋外で高校歴代3位の7m89をマークした舞永夏稀(太成学院大高2大阪)もシニアのトップ選手に混じって出場する。

女子の注目は60mハードル。出場選手も女子ではもっとも多い24名がエントリーしている。特に100mハードルで日本記録(12秒97)保持者・寺田明日香(パソナグループ)や昨年の日本選手権女王の青木益未(七十七銀行)が激しく競り合いそうだ。青木は前回大会で8秒11の室内日本新をマークしているだけに、再更新もありうる。棒高跳は昨秋の日本選手権1位の那須眞由(籠谷)、2位の諸田実咲(中大)の他、高校記録(4m13)保持者の古林愛理(明石商3兵庫)もエントリーしている。


昨年、男子棒高跳で高校記録の5m51をマークした古澤

■日本室内大阪大会

広告の下にコンテンツが続きます

【U20】
男子60mは全国高校大会100m3位の島田開伸(浜松湖東高3静岡)や100m10秒39の河田航典(中京大中京高3愛知)、10秒43の岡田寛人(崇徳高3広島)らの争いか。男子60mハードル(U20規格)は全国高校大会110m王者の近藤翠月(新潟産大附高3)が主導権を握りそう。

棒高跳は高校記録(5m51)保持者の古澤一生(前橋育英高3群馬)、同走幅跳は高校歴代7位の7m81を自己記録に持つ北川凱(東海大翔洋高2静岡)、三段跳は昨年、高校歴代4位タイの15m84をマークした廣田麟太郎(長崎日大高3)を軸に展開されるだろう。

女子60mは前回の優勝者で、昨年の全国高校大会100m2位の青山華依(大阪高3)が連覇に挑む。全国高校大会100m4位の角良子(倉吉東高2鳥取)や、早生まれで参戦する宮武アビーダラリー(日体大)にも注目だ。60mハードルは伊藤彩香(青豊高3福岡)と淺木都紀葉(広島皆実高2)らが競り合いそう。

棒高跳には、昨秋の日本選手権で中学生ながら6位に入った柳川美空(南橘中3群馬)が出場する。3m90の中学最高記録保持者は4mを越えられるか。走幅跳は6m10前後の自己記録を持つ中田茉希(大塚高2大阪)、吉田花鈴(摂津高2大阪)、竹元咲(鹿児島高3)の争いか。

広告の下にコンテンツが続きます

【U18】
男子60mは川口大輝(五條高2奈良)が100mで持ちタイムトップの10秒69。また、100mで10秒7台の記録を持つ高橋大地、香山勇輝の中京大中京高(愛知)の1年生コンビには勢いがありそう。

60mハードルは全国高校大会110mハードル3位の西徹朗(名古屋高2愛知)に注目。走幅跳は昨年、高1最高の7m67をマークした深沢瑞樹(東海大翔洋高1静岡)に、中学記録にあと1cmと迫る中学歴代2位の7m39を跳んだ元木涼介(三加茂中3徳島)が挑む。

女子60mは混戦予想。中京大中京高(愛知)の藏重みう(1年)や倉橋美穂(2年)の2人と、昨年の全国中学生100mで1、2位を占めた南こはる(奈良学園登美ヶ丘中3)と先村若奈(高川学園中3山口)が優勝候補か。

60mハードルは一般用の100mハードルで13秒86の自己ベストを持つ藤原かれん(園田学園高1兵庫)が出場。昨年、四種競技で中学新記録の3233点を打ち立てた3年生の林美希(TSM・愛知)が挑む。走幅跳は昨年、中学歴代10位の5m99をマークした松村琴都(TSM・愛知)と全国中学生で優勝した釣本陽香(郡山南中3奈良)が出場する。

広告の下にコンテンツが続きます

【U16】
男子60mは100m11秒0~1台に7人がひしめき混戦が予想される。60mハードルは全国中学生110mハードル2位の須佐見容平(吉備中3和歌山)がリード。走幅跳は自己ベストが7m05の植村亮太(五箇荘中3大阪)と6m95の大西勧也(白鳳中3奈良)の争いか

女子60mは全国中学生100mで3位の坂本実南(貴志中3和歌山)、5位の佐藤俐有(田原東部中2愛知)、7位の谷口紗菜(福島三中3)を軸に展開される。60mハードルは全国中学生100mハードルで2年生Vを果たした岸本礼菜(咲くやこの花中・大阪)と同3位の宮﨑叶和(長崎日大中3)の優勝争いか。走幅跳は5m60前後に5人がひしめき、混戦となりそう。

大会は無観客開催で動画によるライブ配信が行われる。

 

広告の下にコンテンツが続きます
「日本選手権室内・2021日本室内大阪大会」は3月17、18日の2日間、大阪市の大阪城ホールで開催される。当初は2月6、7日の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言を受けて延期された。シニアから小学生までトップ選手が多数参戦する予定で、見どころを紹介する。 ■日本選手権室内 最注目は男子60mだろう。昨秋の日本選手権男子100m王者・桐生祥秀(日本生命)がエントリーしている。東京五輪イヤーを迎え、ピークはまだまだ先だが、2021年初戦で弾みとなる走りができるか。前回王者で、東京五輪代表を狙う多田修平(住友電工)も参戦。得意のスタートダッシュで桐生との対決にも注目だ。この種目の室内日本記録(6秒54)を持つ川上拓也(大阪ガス)も出場する見込みで新記録もあるかもしれない。 さらに、60mハードルも見逃せない。日本記録(13秒25)保持者の高山峻野(ゼンリン)、同歴代2位(13秒27)を持つ金井大旺(ミズノ)、同3位(13秒36)の泉谷駿介(順大)ら日本歴代10傑のうち7選手がエントリー。いずれも昨年の日本選手権のファイナリストでもあり、男子60m以上の豪華な顔ぶれだ。激戦が予想され金井が前回マークした室内日本記録(7秒61)の更新も十分ある。 走高跳は昨秋の日本選手権で2m30をマークして優勝した真野友博(九電工)、日本記録(2m35)保持者の戸邉直人(JAL)、2大会連続五輪出場を狙う衛藤昂(味の素AGF)らが出場する見込み。棒高跳では山本聖途(トヨタ自動車)に注目だ。 走幅跳は19年ドーハ世界選手権8位の橋岡優輝(日大)や日本記録(8m40)保持者の城山正太郎(ゼンリン)がエントリー。昨年、屋外で高校歴代3位の7m89をマークした舞永夏稀(太成学院大高2大阪)もシニアのトップ選手に混じって出場する。 女子の注目は60mハードル。出場選手も女子ではもっとも多い24名がエントリーしている。特に100mハードルで日本記録(12秒97)保持者・寺田明日香(パソナグループ)や昨年の日本選手権女王の青木益未(七十七銀行)が激しく競り合いそうだ。青木は前回大会で8秒11の室内日本新をマークしているだけに、再更新もありうる。棒高跳は昨秋の日本選手権1位の那須眞由(籠谷)、2位の諸田実咲(中大)の他、高校記録(4m13)保持者の古林愛理(明石商3兵庫)もエントリーしている。 昨年、男子棒高跳で高校記録の5m51をマークした古澤 ■日本室内大阪大会 【U20】 男子60mは全国高校大会100m3位の島田開伸(浜松湖東高3静岡)や100m10秒39の河田航典(中京大中京高3愛知)、10秒43の岡田寛人(崇徳高3広島)らの争いか。男子60mハードル(U20規格)は全国高校大会110m王者の近藤翠月(新潟産大附高3)が主導権を握りそう。 棒高跳は高校記録(5m51)保持者の古澤一生(前橋育英高3群馬)、同走幅跳は高校歴代7位の7m81を自己記録に持つ北川凱(東海大翔洋高2静岡)、三段跳は昨年、高校歴代4位タイの15m84をマークした廣田麟太郎(長崎日大高3)を軸に展開されるだろう。 女子60mは前回の優勝者で、昨年の全国高校大会100m2位の青山華依(大阪高3)が連覇に挑む。全国高校大会100m4位の角良子(倉吉東高2鳥取)や、早生まれで参戦する宮武アビーダラリー(日体大)にも注目だ。60mハードルは伊藤彩香(青豊高3福岡)と淺木都紀葉(広島皆実高2)らが競り合いそう。 棒高跳には、昨秋の日本選手権で中学生ながら6位に入った柳川美空(南橘中3群馬)が出場する。3m90の中学最高記録保持者は4mを越えられるか。走幅跳は6m10前後の自己記録を持つ中田茉希(大塚高2大阪)、吉田花鈴(摂津高2大阪)、竹元咲(鹿児島高3)の争いか。 【U18】 男子60mは川口大輝(五條高2奈良)が100mで持ちタイムトップの10秒69。また、100mで10秒7台の記録を持つ高橋大地、香山勇輝の中京大中京高(愛知)の1年生コンビには勢いがありそう。 60mハードルは全国高校大会110mハードル3位の西徹朗(名古屋高2愛知)に注目。走幅跳は昨年、高1最高の7m67をマークした深沢瑞樹(東海大翔洋高1静岡)に、中学記録にあと1cmと迫る中学歴代2位の7m39を跳んだ元木涼介(三加茂中3徳島)が挑む。 女子60mは混戦予想。中京大中京高(愛知)の藏重みう(1年)や倉橋美穂(2年)の2人と、昨年の全国中学生100mで1、2位を占めた南こはる(奈良学園登美ヶ丘中3)と先村若奈(高川学園中3山口)が優勝候補か。 60mハードルは一般用の100mハードルで13秒86の自己ベストを持つ藤原かれん(園田学園高1兵庫)が出場。昨年、四種競技で中学新記録の3233点を打ち立てた3年生の林美希(TSM・愛知)が挑む。走幅跳は昨年、中学歴代10位の5m99をマークした松村琴都(TSM・愛知)と全国中学生で優勝した釣本陽香(郡山南中3奈良)が出場する。 【U16】 男子60mは100m11秒0~1台に7人がひしめき混戦が予想される。60mハードルは全国中学生110mハードル2位の須佐見容平(吉備中3和歌山)がリード。走幅跳は自己ベストが7m05の植村亮太(五箇荘中3大阪)と6m95の大西勧也(白鳳中3奈良)の争いか 女子60mは全国中学生100mで3位の坂本実南(貴志中3和歌山)、5位の佐藤俐有(田原東部中2愛知)、7位の谷口紗菜(福島三中3)を軸に展開される。60mハードルは全国中学生100mハードルで2年生Vを果たした岸本礼菜(咲くやこの花中・大阪)と同3位の宮﨑叶和(長崎日大中3)の優勝争いか。走幅跳は5m60前後に5人がひしめき、混戦となりそう。 大会は無観客開催で動画によるライブ配信が行われる。  

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.07

【竹澤健介の視点】葛西潤と五島莉乃に感じた「意志」と冷静さ 太田智樹の安定感、前田和摩の潜在能力に驚き/日本選手権10000m

静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアムを舞台に開催された第108回日本選手権10000m。男子は葛西潤(旭化成)が27分17秒46、女子は五島莉乃(資生堂)が30分53秒31と、ともに日本歴代6位の好タイムで初優勝を飾 […]

NEWS 【高平慎士の視点】男子4×100m、4×400m「収穫ある4位」五輪シードレーン獲得、後手に回ってメダル争いの価値/世界リレー

2024.05.06

【高平慎士の視点】男子4×100m、4×400m「収穫ある4位」五輪シードレーン獲得、後手に回ってメダル争いの価値/世界リレー

バハマ・ナッソーで開催された2024世界リレー(5月4日、5日/日本時間5日、6日)で男子の4×100mと4×400mがパリ五輪出場権を獲得した。初日の予選で、4×100mは38秒10で1着通過して五輪切符を決めると、決 […]

NEWS ダイヤモンドリーグ・ドーハに三浦龍司、田中希実、ディーン元気がエントリー!

2024.05.06

ダイヤモンドリーグ・ドーハに三浦龍司、田中希実、ディーン元気がエントリー!

5月10日に行われるダイヤモンドリーグ(DL)ドーハ大会のエントリーリストが発表された。 男子3000m障害に日本記録保持者の三浦龍司(SUBARU)が登録。世界記録保持者のラメチャ・ギルマ(エチオピア)、ブダペスト世界 […]

NEWS 男子は銭海峰が1時間19分05秒でトップ 女子はベテラン・劉虹が快勝/WA競歩ツアー

2024.05.06

男子は銭海峰が1時間19分05秒でトップ 女子はベテラン・劉虹が快勝/WA競歩ツアー

5月5日、世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールドのコルゼニフスキ・ワルシャワ競歩カップがポーランドで開催され、男子20km競歩では銭海峰(中国)が1時間19分05秒で、女子20km競歩はリオ五輪金メダリストの劉虹(中国)が […]

NEWS 米国が4種目を制覇! 男子4×400mはボツワナが2分59秒11で初優勝/世界リレー

2024.05.06

米国が4種目を制覇! 男子4×400mはボツワナが2分59秒11で初優勝/世界リレー

5月4日、5日の両日、バハマ・ナッソーで世界リレーが開催され、米国が5種目中4種目で優勝を飾る圧倒的な強さを見せた。 男子4×100mではアンカーに世界選手権100m王者のN.ライルズを起用。1走から3走も全員が100m […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top