2025.12.22
◇全国高校駅伝・男子(12月21日/京都・京都市たけびしスタジアム京都発着:7区間42.195km)
全国高校駅伝の男子が行われ、学法石川(福島)が2時間0分36秒の高校最高記録で初優勝を飾った。
学法石川があいにくの雨のなか、大会史上初の2時間1分切り。2023年に佐久長聖(長野)が出した高校最高、大会記録の2時間1分00秒を24秒更新。福島県勢初の優勝は男子初で、女子を含めると、1998年の田村以来となる。
1981年の初出場から数えて、17回目の出場でつかんだ日本一に、松田和宏監督は「この1年間、選手たちは全国優勝を目標に頑張ってきました。悲願を達成できるとしたら、このメンバーかなと思っていましたので、非常にうれしいです」と、昨年の5位から大きく力をつけた選手たちを称えた。
1区の増子陽太(3年)の走りが、いきなりレースそのものを決定づけるかのような走りを見せた。
昨年冬から貧血の症状が出て、改善するまで長引いた増子。高校最後のインターハイ路線は5000mで東北大会敗退と、全国大会にすら出られない悔しさを味わった。
それだけに、今大会に懸ける思いは強い。「世代ナンバーワンは、自分だと証明したいと思っていました」と、レース前半から集団の前に立った。5km通過は14分21秒。前回大会で八千代松陰(千葉)・鈴木琉胤(現・早大)が出した日本人区間最高記録(28分43秒)の時より9秒速い。
5km過ぎから上りがきつくなったが、ハイペースは衰えない。どんどん先頭集団は長くなる。5000mでインターハイ、国民スポーツ大会2冠の西脇工(兵庫)・新妻遼己(3年)と、前回1区2位で、U20日本選手権3000m・5000m2冠の鳥取城北(鳥取)・本田桜二郎(3年)が、増子に食らいつく展開となった。
そんな展開のなか、「引き離したつもりはない」(増子)と6.6km付近で本田が離れる。増子の7km通過は鈴木の時より29秒速い20分11秒。7.5kmでは新妻を引き離した。
残り2.5kmは独走した増子。「気持ち良く走れました」と、下りに入ると勢いはさらに増し、28分20秒で駆け抜けた。前回の鈴木の記録を一気に23秒更新した。
2位の西脇工・新妻には20秒、優勝候補の仙台育英(宮城)に47秒リードし、チームに自信と勢いもたらした。
さらに、3区の栗村凌(3年)が、日本人区間歴代3位となる23分13秒で走破。区間2位に20秒差をつける区間賞でリードを拡大した。この時点で2位に浮上した仙台育英とは54秒差。続く4区の佐藤柊斗(3年)は都大路初出場ながら区間3位と粘り、追い上げを図る仙台育英とは10秒詰められたに過ぎなかった。
その差は変わらず、レースは終盤を迎える。アンカーを務めた1年生の美澤央佑は「45秒も差があったので安心して走りました。3kmぐらいで、優勝を確信しました」と、プレッシャーを感じず、西京極を目指す。終わってみれば、全中継所トップ通過で、美澤は歓喜の初優勝のテープを切った。
学法石川は練習メニューが個別に組まれるなど、部員個人の考えを尊重して取り組んできた。そのぶん、一人ひとりの意識の高さが求められるが、3年生が自らその姿勢を示し、後輩たちを牽引してきた。
2区を走った若田大尚(1年)は「一人ひとりが目標をしっかり持って取り組んでいるので、練習の雰囲気が良いです。中学時代に練習見学した時から、このチームは何か違うなと感じていました」と、自立心に満ちた先輩たちから多くを学んできたと話す。
この日はレース中、終始雨が降り続いた。そんな天候でもレースは開催される。だからこそ、ブレない個性を育んできたことが、確固たる強さと栄光につながった。
文/田端慶子
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.02.05
東京メトロ・佐藤奈々が現役引退 女子3000m障害でアジア選手権銅、日本選手権7度入賞
-
2026.02.04
-
2026.02.04
-
2026.02.03
2026.01.31
青学大・黒田朝日は「コンディション不良に近い」MGC獲得が「第一目標」/別大毎日マラソン
2026.02.01
【大会結果】第29回日本学生ハーフマラソン選手権(2026年2月1日)
-
2026.02.01
-
2026.01.29
2026.01.31
青学大・黒田朝日は「コンディション不良に近い」MGC獲得が「第一目標」/別大毎日マラソン
-
2026.02.01
-
2026.01.18
Latest articles 最新の記事
2026.02.05
東京メトロ・佐藤奈々が現役引退 女子3000m障害でアジア選手権銅、日本選手権7度入賞
東京メトロは2月5日、佐藤奈々が2月8日の全日本実業団ハーフマラソンをもって現役を引退することを発表した。 佐藤は1989年生まれの36歳。京教大附高から京教大に進み、大学院生時代から3000m障害に取り組み、日本インカ […]
2026.02.04
関東学院大にチーム初のケニア人留学生・オンディソが入学 自由ケ丘高・吉田悠輝ら11人が加入
2月4日、関東学院大は今春に入部予定の11人を発表した。 5000mの持ち記録では14分45秒63の吉田悠輝(自由ケ丘高・福岡)がトップ。吉田は1500mも得意としており、インターハイ路線では北九州大会に進んでいる。 広 […]
2026.02.04
トヨタ紡織・下史典が引退 IH5000m日本人トップ、全国高校駅伝1区区間賞 箱根、ニューイヤーでも活躍
2月4日、トヨタ紡織は所属する下史典が今年度限りで競技を引退することを発表した。 下は三重県出身の29歳。伊賀白鳳高では2年時に全国高校駅伝6区で区間賞を獲得し、チームの3位入賞に貢献した。翌年は山梨インターハイの500 […]
2026.02.04
日本選手権ハーフマラソン競歩 山西利和、勝木隼人、吉川絢斗、柳井綾音らがエントリー! 世界陸上金のボンフィムも参戦
2月4日、日本陸連は2月15日に開催される第109回日本選手権ハーフマラソン競歩(兵庫・神戸、六甲アイランド甲南大学西側長距離競歩路)のエントリー選手を発表した。 同大会はこれまで20kmの距離で開催されてきたが、ルール […]
2026.02.04
キプリモのハーフマラソン56分42秒は世界記録認定ならず 先導車が助力行為と判断
世界陸連は、25年2月16日に行われたバルセロナハーフマラソンにおいて、ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ)が出した56分42秒について、世界記録として認定しないと判断した。 東京五輪10000m銅メダルのキプリモは、このレ […]
Latest Issue
最新号
2026年2月号 (1月14日発売)
EKIDEN Review
第102回箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
全国高校駅伝
全国中学校駅伝
富士山女子駅伝