HOME 国内、世界陸上、日本代表
やり投・﨑山雄太は予選A組15位 「身も心も強くなって」 28年ロス五輪が最大目標/東京世界陸上
やり投・﨑山雄太は予選A組15位 「身も心も強くなって」 28年ロス五輪が最大目標/東京世界陸上

東京世界陸上の男子やり投に出場した﨑山雄太

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)5日目

東京世界陸上5日目のイブニングセッションが行われ、男子やり投予選A組に出場した﨑山雄太(愛媛競技力本部)は77m61で組15位に終わり、上位12人で争う決勝には進めなかった。

広告の下にコンテンツが続きます

「会場に入った時点ですごい歓声で、絶対にこの応援の力を自分の投げに使おう」と、﨑山は気合い十分だった。

初出場だった2年前のブダペスト大会は、右脚の痛みの影響で記録なし。その悔しさを「晴らすために2年間準備してきた」。競技開始を前に「助走練習は悪くなかったし、感覚的にも良かった」。あとはしっかり投げて結果を出すだけだった。

ただ、この大一番で思い描いていたパフォーマンスは披露できなかった。1投目は76m30で、2投目はファウル。最終3投目に77m61まで伸ばしたが、予選突破ラインはそのはるか先にあった。

ミックスゾーンにやって来た﨑山は、「ちょっとあまり整理がついてないんですけど」と口を開いた後、「率直な感想としては、情けないなという一言に尽きると思います」と声を振り絞った。

前回大会後、痛みの原因が右脛の疲労骨折だったことが判明。それが今も完治せず、さらにアキレス腱痛とも付き合いながら競技を続けている。溝口和洋が1989年にマークした日本記録(87m60)に迫る87m16を放った7月の日本選手権も、そういう状態で成し遂げたものだった。今も痛みはあるが、それを言い訳にはしたくない。

「ずっと騙し騙しでやっていたので、あまりダメな方向には考えていなかったです。このピットに立ったからには全力で、ケガはないものとして考える」と気持ちは整理できていた。

しかし、実際の試技では「ポイントが外れたり、身体が無意識的に脚をかばったりしていた」と話し、「徐々に修正できていたつもりでしたが、下半身が良くても上半身がダメだったりして、修正力が足りなかったです」と敗因を分析する。

同じ組で戦い、ともに予選敗退となったディーン元気(ミズノ)からは「こういう時もあるよな」と声をかけられた。それがディーンの優しさだとは理解していたが、﨑山はそうは思いたくなかった。

「今季ランキングの5番で来て、87mという記録を持っているのに、不甲斐なさすぎるというか、自分に対してイラつきます。こういう結果しか残せられないのか、大事なところで力を発揮できないのかという悔しさの方が大きかったので、こういう時があってはいけないと考えています」

悔しさを晴らすつもりだった2度目の世界陸上で、また新たな悔しさを重ねることになった﨑山。だが、気持ちは折れてはいない。

「(3年後の)ロサンゼルスオリンピックが自分の最大目標。そこまでに今回のできなかったこと、やれなかったことの反省点をしっかり出して修正し、身も心も強くなって帰って来たいです。絶対に帰って来ないといけないと思っています」

日本選手権で披露したようなビッグアーチで、世界の舞台で輝く﨑山の姿を見たい。

文/小野哲史

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)5日目東京世界陸上5日目のイブニングセッションが行われ、男子やり投予選A組に出場した﨑山雄太(愛媛競技力本部)は77m61で組15位に終わり、上位12人で争う決勝には進めなかった。「会場に入った時点ですごい歓声で、絶対にこの応援の力を自分の投げに使おう」と、﨑山は気合い十分だった。初出場だった2年前のブダペスト大会は、右脚の痛みの影響で記録なし。その悔しさを「晴らすために2年間準備してきた」。競技開始を前に「助走練習は悪くなかったし、感覚的にも良かった」。あとはしっかり投げて結果を出すだけだった。ただ、この大一番で思い描いていたパフォーマンスは披露できなかった。1投目は76m30で、2投目はファウル。最終3投目に77m61まで伸ばしたが、予選突破ラインはそのはるか先にあった。ミックスゾーンにやって来た﨑山は、「ちょっとあまり整理がついてないんですけど」と口を開いた後、「率直な感想としては、情けないなという一言に尽きると思います」と声を振り絞った。前回大会後、痛みの原因が右脛の疲労骨折だったことが判明。それが今も完治せず、さらにアキレス腱痛とも付き合いながら競技を続けている。溝口和洋が1989年にマークした日本記録(87m60)に迫る87m16を放った7月の日本選手権も、そういう状態で成し遂げたものだった。今も痛みはあるが、それを言い訳にはしたくない。「ずっと騙し騙しでやっていたので、あまりダメな方向には考えていなかったです。このピットに立ったからには全力で、ケガはないものとして考える」と気持ちは整理できていた。しかし、実際の試技では「ポイントが外れたり、身体が無意識的に脚をかばったりしていた」と話し、「徐々に修正できていたつもりでしたが、下半身が良くても上半身がダメだったりして、修正力が足りなかったです」と敗因を分析する。同じ組で戦い、ともに予選敗退となったディーン元気(ミズノ)からは「こういう時もあるよな」と声をかけられた。それがディーンの優しさだとは理解していたが、﨑山はそうは思いたくなかった。「今季ランキングの5番で来て、87mという記録を持っているのに、不甲斐なさすぎるというか、自分に対してイラつきます。こういう結果しか残せられないのか、大事なところで力を発揮できないのかという悔しさの方が大きかったので、こういう時があってはいけないと考えています」悔しさを晴らすつもりだった2度目の世界陸上で、また新たな悔しさを重ねることになった﨑山。だが、気持ちは折れてはいない。「(3年後の)ロサンゼルスオリンピックが自分の最大目標。そこまでに今回のできなかったこと、やれなかったことの反省点をしっかり出して修正し、身も心も強くなって帰って来たいです。絶対に帰って来ないといけないと思っています」日本選手権で披露したようなビッグアーチで、世界の舞台で輝く﨑山の姿を見たい。文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2026.11.06

〝虎視眈々〟と初マラソンへ、HOKAアスリート・近藤幸太郎の新たな挑戦

大学・実業団ではチームのエースとして駅伝で活躍 近藤幸太郎というランナーを語る上で欠かせないのが、学生駅伝だ。愛知・豊川工業高校を卒業後、駅伝の名門・青山学院大学へ進学。 大学入学当初は世界やマラソン挑戦などは見据えず、 […]

NEWS 後藤大樹 シーズン最後は走幅跳で7m10!「楽しくやれました」と笑顔の自己新締め

2026.11.06

後藤大樹 シーズン最後は走幅跳で7m10!「楽しくやれました」と笑顔の自己新締め

男子400mの高校記録更新から中2日、後藤大樹(洛南高2年京都)が京都府私学総体(11月6日/たけびしスタジアム京都)で男子走幅跳に出場した。4回目に自己新となる7m10(+0.9)をマークして優勝。400mハードルで日 […]

    NEWS 競歩指導者の鈴木茂雄氏が78歳で他界 競歩界の発展に尽力、日本陸連競歩部長など歴任

    2026.11.06

    競歩指導者の鈴木茂雄氏が78歳で他界 競歩界の発展に尽力、日本陸連競歩部長など歴任

    競歩指導者の鈴木茂雄氏が11月3日に病気のため亡くなった。78歳だった。 鈴木氏は東京都荒川区出身。区役所に勤務しながら競歩の指導に携わり、小坂忠広、園原健弘、今村文男といったオリンピアン、指導者として活躍する三浦康二氏 […]

    NEWS 2027年WA室内ツアーの日程が決定 ゴールド大会はミルローズ・ゲームなど8試合

    2026.11.06

    2027年WA室内ツアーの日程が決定 ゴールド大会はミルローズ・ゲームなど8試合

    世界陸連(WA)は11月6日、27年のWA室内ツアーの日程を発表した。26年12月にも1試合実施されるが、残る73試合が1月から3月にかけて予定されている。 ツアーでは大会の規模により、ゴールド、シルバー、ブロンズ、チャ […]

    NEWS 川崎橘&東海大相模が激戦制す 八千代松陰と拓大一も名乗り 東洋大牛久2時間4分台、山梨学院男女16連覇/高校駅伝都道府県大会

    2026.11.05

    川崎橘&東海大相模が激戦制す 八千代松陰と拓大一も名乗り 東洋大牛久2時間4分台、山梨学院男女16連覇/高校駅伝都道府県大会

    全国高校駅伝の出場権を懸けた茨城県、群馬県、千葉県、山梨県の各高校駅伝が10月31日、東京都、神奈川県の両高校駅伝が11月3日に行われた。 日産フィールド小机及び付設ハーフマラソンコースで行われた神奈川県大会(男子7区間 […]

      SNS

      Latest Issue 最新号最新号

      2026年11月号 (10月14日発売)

      2026年11月号 (10月14日発売)

      アジア大会総特集
      駅伝プレビュー

      page top