◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)5日目
東京世界陸上5日目のイブニングセッションは4種目で決勝が行われた。
最初の400mが59秒45のスローペースで始まった男子1500m。最後まで混戦となったレースを制したのは、26歳のイザーク・ナデル(ポルトガル)だった。残り200mで先頭に出た22年オレゴン大会の覇者、ジェイク・ワイトマン(英国)をフィニッシュ直前で逆転し、0.02秒先着する3分34秒10で金メダルを獲得した。
1400m通過で5位だったナデルだが、残り100mを12秒29で突っ走り、4人抜き。この種目でポルトガルにとって世界陸上だけでなく、五輪も含めて初の金メダルもたらすとともに、英国勢の連覇を2で止めた。
今季は6月中旬に1マイルでダイヤモンドリーグオスロを制覇。同月下旬には1500mで初の3分30秒切りとなる3分29秒37をマークしている。ショートトラックを含め800mから1マイルまで5種目でナショナル記録を更新していた。「最後の100メートルは、完全に自信があった。金メダルは達成できないという人もいたが、私はポルトガル初の世界チャンピオンになった」と胸を張った。
なお、前回覇者のジョシュ・カー(英国)は900m付近で脚を負傷。それでも4分11秒23で最後まで走った。また、21年東京五輪覇者で世界陸上では過去2大会銀メダルのヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)はアキレス腱の故障が影響し、本来の力が出せず予選落ち。昨年のパリ五輪1位のコール・ホッカー(米国)は準決勝で「走行妨害」があったとして失格している。
終盤の駆け引きという面では女子棒高跳も盛り上がった。
大会2連覇中だったケイティ・ムーンと、パリ五輪銀、22年オレゴン大会銀のサンディ・モリスの米国コンビが金メダル争い。4m80をムーンが1回で越え、モリスは2回目に成功。続く4m85の1回目でモリスが跳ぶと、ムーンは失敗してパス。バーは4m90に上がった。ムーンは1回目を失敗し、最後の試技となった2回目にクリア。一方のモリスは4m90を2回失敗。バーを4m95に上げたが、これも越えられず、ムーンの3連覇が決まった。
この種目での3連覇は初。34歳のムーンは「信じられないくらい激戦だったが、4m90を跳べば優勝できると自分に言い聞かせていました」と振り返る。東京五輪金メダルを含め、各国際大会でメダルを獲得しているが「このメダルは格別」と喜んでいた。
女子3000m障害ではフェイス・チェロティチ(ケニア)が8分51秒59の大会新記録で初の金メダル。レースを引っ張った前回覇者で、パリ五輪も制しているウィンフレッド・ヤヴィ(バーレーン)は最後の水壕でチェロティチに逆転され、8分56秒46で銀メダルに終わった。
21歳のチェロティチは23年ブダペスト大会とパリ五輪でいずれも3位。今季はDLドーハ、オスロと連勝していた。「銅メダルから金メダルになって、とてもうれしい。レースのペースは遅かったけど、自分のキックを信じていて、最後の400mでチャンスと思った。世界記録(8分44秒32)更新も可能だと思う」と話した。また、21年東京五輪金メダリストのペレース・チェムタイ(ウガンダ)は2000m付近の障害で転倒し、途中棄権した。
男子走幅跳は4回目終了時で4位だったマッティア・フルラーニ(イタリア)が、自己記録を1cm更新する8m39(+0.2)をマークしてトップに立ち、そのまま逃げ切った。「今夜は特別な夜。最初は助走に少し問題があったが、冷静さを保ち、最後に良いところを出そうと考えていた。最高のコンディションで、きっとできると確信していた」と手応えを感じていた。
20歳のフルラーニはパリ五輪で銅メダルを獲得。8m38のU20世界記録を保持している。前回大会の覇者で、パリ五輪も制しているミルティアディス・テントグルー(ギリシャ)は7m83(+0.3)で11位に終わった。
なお、今大会では、決勝に進出した12人全員が3回試技に臨んだあと、4回目は上位10人、5回目は上位8人、最終6回目は上位6人で試技を行うルールで行われた。
このほか、女子400mハードル準決勝ではフェムケ・ボル(オランダ)が、男子400mハードル準決勝ではカールステン・ワルホルム(ノルウェー)やライ・ベンジャミン(米国)がそれぞれ順当に決勝へ進んだ。
男子やり投予選ではB組のアンデルソン・ピーターズ(グレナダ)が89m53を放ち、A組と合わせたトップ記録で通過した。
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