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2025.06.17

失格とアクシデント乗り越え本村優太郎200mV 藤原千櫻&岩本咲真4冠 3000m障害の竹信祐太郎が学校初の地区制覇/IH北九州
失格とアクシデント乗り越え本村優太郎200mV 藤原千櫻&岩本咲真4冠 3000m障害の竹信祐太郎が学校初の地区制覇/IH北九州

本村優太郎(25年IH北九州大会)

◇インターハイ北九州地区大会(6月13日~16日/佐賀・SAGAスタジアム)

広島インターハイをかけた北九州地区大会の最終日は、風が強く吹き荒れる厳しい条件下で、トラック8種目、フィールド4種目の決勝が行われた。

男子200mは、本村優太郎(修猷館2福岡)が直線に入る手前で抜け出し、21秒72(-4.4)で制覇した。ホームストレートはあいにくの強い向かい風。好条件ならば、自己ベストの21秒25が更新できていた可能性もあり、「決勝に残るには20秒中盤に近いタイムが必要と思うので、そのレベルに到達できるよう頑張りたいです」と気を引き締めていた。

本村は100mで地区トップの10秒45を持っていたが、大会2日目の準決勝で不正スタートにより失格に。さらに、3日目の4×100mリレー決勝でも、メンバーがレース中に負傷するアクシデントに見舞われ、7位でインターハイ出場を逃していた。

精神的なダメージは相当なものだったが「どれだけメンタルが安定していなくても、悔しくても、出るからには勝たないといけないと思っていました」と気持ちを奮い立たせた。最後の4×400mリレー決勝も8位で全国切符を逃し、悔しさがあふれ出て涙が止まらなかったが、「個人種目でチームの分も頑張りたい」と、最後は顔を上げ、力強く言葉を紡いだ。

女子200mは、藤原千櫻(大分雄城台3)が2日目の100m、3日目の4×100mリレー(4走)に続いて、最終日は200mを25秒68(-3.2)制覇。さらに、4×400mリレーでもアンカーとして3分50秒41で優勝に貢献し、4冠を達成した。

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向かい風7.0mで行われた男子110mハードルは、初日の400mと3日目の4×100mリレー(1走)で優勝している岩本咲真(東福岡3)が15秒44で2連覇。加えて、4×400mリレー(1走)でも3分15秒45で優勝に導き、藤原と同じく4種目Vを遂げた。県大会で東福岡は3分10秒57を出していたが、この日は悪コンディションでタイムに影響した。

女子100mハードルは、長崎県大会で追い風参考ながら13秒51を出していた吉永優衣(長崎日大2)が14秒39(-6.1)でトップ。1台目の入りが早く、佐賀国スポ少年女子B100mハードル2位の井千夏(筑紫女学園2福岡)を最初から引き離した。「向かい風が強くて押し戻されるような感覚がものすごくありましたが、良いレースができたと思います」と、100m2位の雪辱に満面の笑みだった。

男子3000m障害は、竹信祐太郎(福工大城東2福岡)が9分31秒97でV。福工大城東から北九州大会の優勝者が出るのは男女通じて初めてだった。

男子三段跳は土師立幹(佐賀東3)が自己新の14m88(+1.1)で優勝。昨年のインターハイ覇者・大森恵偉音(福岡一3)は、跳躍回数を最初の2回に絞り、14m86(+7.4)で2位だった。強風の影響でこの種目では追い風10.6mで試技を行った選手もいた。

学校対抗総合は、男子が80点を獲得した東福岡で2年ぶり、女子は中村学園女子が74点を挙げて3連覇を果たした。
文/田端慶子

◇インターハイ北九州地区大会(6月13日~16日/佐賀・SAGAスタジアム) 広島インターハイをかけた北九州地区大会の最終日は、風が強く吹き荒れる厳しい条件下で、トラック8種目、フィールド4種目の決勝が行われた。 男子200mは、本村優太郎(修猷館2福岡)が直線に入る手前で抜け出し、21秒72(-4.4)で制覇した。ホームストレートはあいにくの強い向かい風。好条件ならば、自己ベストの21秒25が更新できていた可能性もあり、「決勝に残るには20秒中盤に近いタイムが必要と思うので、そのレベルに到達できるよう頑張りたいです」と気を引き締めていた。 本村は100mで地区トップの10秒45を持っていたが、大会2日目の準決勝で不正スタートにより失格に。さらに、3日目の4×100mリレー決勝でも、メンバーがレース中に負傷するアクシデントに見舞われ、7位でインターハイ出場を逃していた。 精神的なダメージは相当なものだったが「どれだけメンタルが安定していなくても、悔しくても、出るからには勝たないといけないと思っていました」と気持ちを奮い立たせた。最後の4×400mリレー決勝も8位で全国切符を逃し、悔しさがあふれ出て涙が止まらなかったが、「個人種目でチームの分も頑張りたい」と、最後は顔を上げ、力強く言葉を紡いだ。 女子200mは、藤原千櫻(大分雄城台3)が2日目の100m、3日目の4×100mリレー(4走)に続いて、最終日は200mを25秒68(-3.2)制覇。さらに、4×400mリレーでもアンカーとして3分50秒41で優勝に貢献し、4冠を達成した。 向かい風7.0mで行われた男子110mハードルは、初日の400mと3日目の4×100mリレー(1走)で優勝している岩本咲真(東福岡3)が15秒44で2連覇。加えて、4×400mリレー(1走)でも3分15秒45で優勝に導き、藤原と同じく4種目Vを遂げた。県大会で東福岡は3分10秒57を出していたが、この日は悪コンディションでタイムに影響した。 女子100mハードルは、長崎県大会で追い風参考ながら13秒51を出していた吉永優衣(長崎日大2)が14秒39(-6.1)でトップ。1台目の入りが早く、佐賀国スポ少年女子B100mハードル2位の井千夏(筑紫女学園2福岡)を最初から引き離した。「向かい風が強くて押し戻されるような感覚がものすごくありましたが、良いレースができたと思います」と、100m2位の雪辱に満面の笑みだった。 男子3000m障害は、竹信祐太郎(福工大城東2福岡)が9分31秒97でV。福工大城東から北九州大会の優勝者が出るのは男女通じて初めてだった。 男子三段跳は土師立幹(佐賀東3)が自己新の14m88(+1.1)で優勝。昨年のインターハイ覇者・大森恵偉音(福岡一3)は、跳躍回数を最初の2回に絞り、14m86(+7.4)で2位だった。強風の影響でこの種目では追い風10.6mで試技を行った選手もいた。 学校対抗総合は、男子が80点を獲得した東福岡で2年ぶり、女子は中村学園女子が74点を挙げて3連覇を果たした。 文/田端慶子

インターハイ北九州大会の優勝者一覧をチェック!

●男子 100m 石川晴飛(龍谷2佐賀) 10秒64(-1.8) 200m 本村優太郎(修猷館2福岡) 21秒72(-4.4) 400m 岩本咲真(東福岡3福岡) 47秒03 800m 鶴田宇大(瓊浦3長崎) 1分53秒22 1500m 黒岩蘭太朗(長崎日大3長崎) 3分55秒54 5000m キブニ・エヴァンス(福岡一3福岡) 14分12秒90 110mH 岩本咲真(東福岡3福岡) 15秒44(-7.0) 400mH 家入俊太(東福岡3福岡) 51秒01=大会新 3000m障害 竹信祐太郎(福岡工大城東2福岡) 9分31秒97 5000m競歩 林昊也(鳥栖工2佐賀) 22分05秒13 4×100mR 東福岡(福岡) 40秒55 4×400mR 東福岡(福岡) 3分15秒45 走高跳 渡邊凌已(福岡第一2福岡) 2m09 棒高跳 杉本真南斗(長崎日大3長崎) 4m30 走幅跳 大森恵偉音(福岡第一3福岡) 7m46(-1.2) 三段跳 土師立幹(佐賀東3佐賀) 14m88(+1.1) 砲丸投 石丸大智(純真3福岡) 15m94 円盤投 石丸大智(純真3福岡) 45m48 ハンマー投 村島悠斗(長崎日大3長崎) 59m76 やり投 大塚涼也(自由ケ丘3福岡) 65m51 八種競技 中村有輝(諫早農2長崎) 5382点 学校対抗 東福岡(福岡) 80点 [adinserter block="4"] ●女子 100m 藤原千櫻(大分雄城台3大分) 11秒97(-0.9) 200m 藤原千櫻(大分雄城台3大分) 25秒68(-3.2) 400m 小松美咲(中村学園女3福岡) 56秒09 800m 小松美咲(中村学園女3福岡) 2分05秒63=大会新 1500m 嶋本はな乃(筑紫女学園2福岡) 4分26秒05 3000m 佐々木玲奈(筑紫女学園3福岡) 9分39秒65 100mH 吉永優衣(長崎日大2長崎) 14秒39(-6.1) 400mH 松本鈴美杏(九国大付3福岡) 62秒28 5000m競歩 西本結恵(自由ケ丘3福岡) 24分46秒08 4×100mR 大分雄城台(大分) 46秒58 4×400mR 大分雄城台(大分) 3分50秒41 棒高跳 秋山穂乃夏(若松商3福岡) 3m30 走高跳 古賀羽菜(福岡雙葉2福岡) 1m68 走幅跳 藤田紗英(中村学園女3福岡) 5m95(+0.4) 三段跳 本多和佳(長崎南3長崎) 11m77(+6.0) 砲丸投 濵田莉子(福岡大若葉3福岡) 12m73 円盤投 東かれん(八女学院3福岡) 41m78 ハンマー投 新納愛加(中村学園女3福岡) 49m02 やり投 田中亜実(中村学園女3福岡) 45m75 七種競技 田中萌(三潴3福岡) 4398点 学校対抗 中村学園女(福岡) 74点

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