2025.04.11
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた第109回日本選手権10000mを前日に控えた4月11日、有力選手が前日会見に登壇した。
男子10000m日本記録(27分09秒80)保持者で、2年ぶりVを目指す塩尻和也(富士通)。昨年はパリ五輪を逃しただけに「悔しい思いがある」と述べ、加えて2021年の東京五輪にも届かなかったため「今年こそ(東京世界選手権を)目指して取り組んでいます」と強い思いをにじませる。
順大時代、3000m障害でリオ五輪代表になった塩尻。東京五輪挑戦を終えた後は、3000m障害を一時封印してフラットレースに力を注いできた。23年12月の日本選手権で日本新初優勝を飾り、完全復活と26分台への期待を感じさせた。だが、その後は故障もありパリ五輪を逃している。
その後は「良い意味で走り過ぎないようにして、1本1本しっかり走っていこう」と練習量をコントロール。12月には10000mでセカンドベストの27分36秒37をマークした。全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は3区区間23位と苦しんだが、「それ以降はしっかり走れている」と言うように、都道府県対抗男子駅伝で3区区間賞、日本選手権クロカン(10km)3位と安定感が増してきた。
「特別な練習をしたわけではないですが、通常より少し早いタイミング(例年5月)に合わせて、冬季で少し早くスピードの仕上がりができるように予定を組んできた」と話し、「ここまで順調にトレーニング消化してこられています。自信を持って臨めます」。
東京世界選手権の参加標準記録は日本記録よりも早い27分00秒00。「26分台も自己記録を出した時の感覚であれば十分に目指せるタイム」だとしつつも「国内レースでは難しいですし、簡単なタイムではない」とも。
そのため、世界選手権代表入りに向けて「ポイント(ワールドランキング)で出場を目指しているので、勝負に徹したい。そのために5月のアジア選手権の出場を目指す」と言う。レースのポイントには、電子ペーサーの設定も上がる「8000m以降で前から落ちないように」と語った。
目指すのは「優勝」と力強い塩尻。2大会ぶり優勝でアジア選手権、そして東京世界選手権まで突っ走るつもりだ。
日本選手権10000mは4月12日に熊本・えがお健康スタジアムで行われ、男子は19時35分、女子は20分15分にスタート。NHK BSで19時30分から中継される。
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