2024.11.14
女子やり投パリ五輪金メダリストの北口榛花(JAL)が11月14日、練習公開と会見を開いた。
9月中旬のダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルを終えて帰国し、オフを過ごした北口。11月1日から練習を再開させた。この日はいつものウォーミングアップやドリルを公開。注目を集めるようになった『解剖学的立位肢位』を意識した動きや姿勢を確認し、傾斜18度の特注椅子を用いて身体をほぐすなど、汗を流した。
DLファイナルを終えてから「1ヵ月半はまったく運動ができなかった」。シーズンの疲労を取るため、そして、イベント・テレビ出演など引っ張りだこだったのもその理由。オフで印象に残っているのは地元・北海道旭川でのパレードだと言い、「あんなにたくさんの方々が集まってくださって、改めてたくさんの方に応援していただいていると実感しました。金メダルの喜びを共有できてよかった」と笑顔を見せる。ゆったりできる時間は少なかったというが、家族で旅行に出掛けたり、友人と食事に行くなど、つかの間のオフでリフレッシュした。
練習を再開し、「去年まではオフの間もジョギングしていたので、少し心肺機能がついてこない部分があるので、今は練習することに身体を慣れさせる段階。有酸素運動が多いです。あまり焦らずできれば」と言う。例年通り、水泳やバドミントン、山でのウォーキング、ローラースケートなどに加え、体操の頻度も増やしたという。
「前転、後転、倒立前転など、授業でやったようなところを教えていただいています。自重でのトレーニングにもなりますし、体操の床は少し跳ねるので、いろいろな身体の動かし方をすることで、そこで反発をもらえるように」。今季は持ち味の柔軟性が損なわれるなどコンディション作りに苦労した反省もあり、柔軟性を残しながら「しなやかな動きにどう力を加えていくか」をより強く意識して取り組んでいく。
冬季練習に入る時には「また新しい自分に出会えると思って練習を始める」と言い、「来シーズンに向けて自分がどういうふうに仕上がっていくのかすごく楽しみ」と笑う。パリ五輪を制したものの「勝負が一番とはいえ、過去最低記録での金メダルだった」と悔しさは残り、記録への強い思いがある。「アジア記録(67m98)は条件がそろえば出る。それなりに自信があります。ゆくゆくは70mを目指していきたい。徐々にでもいいので自己記録を更新できれば」と力強い。
来季は「順調に行けばダイヤモンドリーグの中国(蘇州/5月3日)が初戦になりそう」と明かし、「ダイヤモンドリーグや(コンチネンタルツアー)ゴールドの試合が中心で、ヨーロッパを行ったり来たりすると思います」。こちらも例年通り、「2、3月に暖かい場所に行って投げ始められれば」とイメージしていた。
34年ぶりに東京で開催される来年の世界選手権。「今までお世話になった方々が会場に足を運びやすいと思いますし、選手として満員の国立競技場で試合をしたい。試合についてはやってみないとわからないし、一番調子が良い選手が勝つことになっているもの。結果どうこうよりも、たくさんの方々の中で投げて、できれば良い投てきを見せたいというのが一番です」。
年末年始も国内で過ごす予定。「強火ではなく、じっくりコトコトできれば」。この時期の地道なトレーニングを、焦らずこなし、夢見ていたビッグスローへの土台を作っていく。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.06.16
競歩・山西利和が愛知県スポーツ功労賞を受賞!20km競歩世界記録樹立が評価
-
2025.06.11
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.16
競歩・山西利和が愛知県スポーツ功労賞を受賞!20km競歩世界記録樹立が評価
愛知県スポーツ顕彰授与式が6月16日に行われ、男子競歩の山西利和(愛知製鋼)がスポーツ功労賞を受賞した。 同賞は愛知県出身、もしくは県内を拠点としている選手に贈られるもので、2月の日本選手権20km競歩で1時間16分10 […]
2025.06.16
砲丸投・大垣尊良ビッグショットなるか 女子短距離は山崎心愛に注目 男子中長距離は吉田星が軸/IH北海道
広島インターハイ(7月25日~29日)を懸けた地区大会が6月に各地で開催される。 インターハイ北海道地区大会は6月17日から20日まで、旭川花咲スポーツ公園陸上競技場で行われる。 広告の下にコンテンツが続きます 昨年、男 […]
2025.06.16
100mH・石原南菜が13秒33!地元で高校歴代2位・U18日本新・高2歴代最高の激走/IH北関東
◇インターハイ北関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場)最終日 広島インターハイ出場を懸けた北関東地区大会の最終日の4日目が行われ、女子100mハードルで石原南菜( […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会