2024.06.27

東洋大の西村真周
学生長距離Close-upインタビュー
西村真周 Nishimura Mashu 東洋大3年
「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。40回目は、東洋大の西村真周(3年)をピックアップする。
1、2年時は今ひとつ結果を残せなかったが、昨年のとある駅伝をきっかけに自らを反省。今年は春先から各種大会で結果を残しています。
ここまでの歩みや陸上を始めたきっかけなどを振り返りつつ、今季の目標やチームへの思いなどを聞いた。
対抗戦で強烈なスパート
春先から存在感を示している。“鉄紺軍団”の西村真周(3年)だ。
まずは4月7日の関東私学七大学対抗戦、5000m。留学生のスティーブン・レマイヤン(駿河台大2)や城西大の主将を務める平林樹(4年)らと先頭争いを繰り広げる。「ラストスパートは自信があったので、絶対勝てると思っていました。留学生にも負けない自信がありました」。
残り300mで強烈なスパートを仕掛けると、レマイヤンと平林は対応できず。13分50秒46の大会新記録で快勝し、大会最優秀選手にも選ばれた。
「大学に入って、なかなか勝ち切るレースがありませんでした。春先に大会記録で優勝できたことは、今年1年を過ごす上ですごく良かったです」
幸先の良いスタートを切ると、2年前は23位に終わっていた5月の関東インカレ1部5000mでも初入賞。しかし、「なかなか前に出られず、中盤で走ってしまいました」と反省するように、やや積極性を欠き、1年の松井海斗(5位)に先着を許している。
「練習では自分が勝てていましたが、試合で負けてしまうと1番の負け。入賞はできましたが、うれしくなかったというか、本当に悔しかったです」。先輩としてのプライドをのぞかせた。

対抗戦で強烈なスパート
春先から存在感を示している。“鉄紺軍団”の西村真周(3年)だ。 まずは4月7日の関東私学七大学対抗戦、5000m。留学生のスティーブン・レマイヤン(駿河台大2)や城西大の主将を務める平林樹(4年)らと先頭争いを繰り広げる。「ラストスパートは自信があったので、絶対勝てると思っていました。留学生にも負けない自信がありました」。 残り300mで強烈なスパートを仕掛けると、レマイヤンと平林は対応できず。13分50秒46の大会新記録で快勝し、大会最優秀選手にも選ばれた。 「大学に入って、なかなか勝ち切るレースがありませんでした。春先に大会記録で優勝できたことは、今年1年を過ごす上ですごく良かったです」 幸先の良いスタートを切ると、2年前は23位に終わっていた5月の関東インカレ1部5000mでも初入賞。しかし、「なかなか前に出られず、中盤で走ってしまいました」と反省するように、やや積極性を欠き、1年の松井海斗(5位)に先着を許している。 「練習では自分が勝てていましたが、試合で負けてしまうと1番の負け。入賞はできましたが、うれしくなかったというか、本当に悔しかったです」。先輩としてのプライドをのぞかせた。大迫傑の走りに衝撃
競技を始めたのは中学1年から。小学校の頃は空手やボクシングをやっていたいとこの影響で、空手に傾注。別のいとこが中学で陸上部に所属しており、「陸上部に入るなら、ユニフォームなど全てもらえる」と声をかけられた。加えて、仲の良かった友達が入部したこともあり、中学から陸上の道へ進んだ。 スピードが全然なかったので、短距離はできなかったです。跳躍へのあこがれや、投てきで投げてみたい気持ちもありませんでした」。自然と長距離から競技人生が始まった。 当時はものすごく競技が好きというわけではなかったが、2年時の2018年2月に地元・福岡で開かれた日本選手権クロスカントリーで、優勝を飾った大迫傑(Nike)の走りを目撃する。「他の選手と違うと感じましたし、衝撃的ですごく覚えています」。 中学2年までは3000mで10分を超えていたが、3年時の18年に急成長。9分17秒77まで自己記録を伸ばし、高校進学直前の3月末には9分05秒78を残し、自由ケ丘高に進学した。 [caption id="attachment_131366" align="alignnone" width="800"]
冬場から自身を見つめ直す
競技に対する姿勢やチーム内でどう過ごしていくか―。自身を見つめ直す機会となり、冬場から練習に臨み、今年は高校以来となる5000mの自己記録をたたき出した。 酒井俊幸監督も「練習通りの力を出せるようになったのは、課題だった安定感の欠如から脱却しきれているから。落ち着いて試合に臨めるようになりましたし、今後伸びていけそうな要素が出てきました」と評価する。 「今年は監督から『チームの主力になろう』と言われています。やっぱり他の大学の選手には負けられません。チームに勢いをつけられる選手になりたいです」 今季は箱根駅伝を最大の目標に挙げた。「チーム全体となってまとまっています。そこが自分の目標で、チームの目標でもあります」。直近2年は山下りの6区を担っており、「自分が6区を走るのがベストだと思います」と自覚を込めた。 石田洸介や梅崎蓮ら4年生に力のある選手がそろっており、「4年生頼りのチームになるのではなく、3年生としても一人ひとり役割を持って取り組んでいきたいです」と強調。大学4年間で5000mの東洋大記録(13分34秒64)の更新と、学生三大駅伝での区間賞獲得をまずは目標とする。 五輪や世界選手権は狭き門で、簡単に出られないことは理解している。先の競技人生はまだイメージしづらいものの、「競技者として最後まで走り続けて、誰かの記憶に残る選手になりたいと考えています」。 まずは残り2年の大学生活、“鉄紺”の歴史に名を刻むつもりだ。 [caption id="attachment_131365" align="alignnone" width="800"]
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