HOME 国内、大学

2024.04.30

5000mは中大・吉居駿恭が優勝!自己記録に迫る13分24秒06「最低限の結果」/織田記念
5000mは中大・吉居駿恭が優勝!自己記録に迫る13分24秒06「最低限の結果」/織田記念

24年織田記念の男子5000mを制した吉居

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島)

日本グランプリシリーズG1の織田記念が行われ、男子5000mは中大3年の吉居駿恭(中大)が制した。

最終種目で大学生ランナーが躍動した。コスマス・ムワンギ(中国電力)を先頭に6人が縦長の隊列を作り、ラスト1周の鐘が鳴り、ラストスパート勝負へ。残り300mを切って、満を持して勝負に出たのが、2番手につけていた吉居だった。

広告の下にコンテンツが続きます

最後の400mを57秒台で駆け抜け、コスマスらを突き放して優勝を飾った。記録は、昨年9月にマークした自己ベスト(13分22秒01)には惜しくも届かなかったものの、13分24秒06という好タイムだった。

ただ、フィニッシュ後の吉居が喜びを爆発させることはなかった。

ケガや体調不調はなかったというが、「あまり良くない状況が続いていた。うまく走れていない。(練習は)量自体はしっかりとこなしているんですけど、まだまだというか、弱い練習しかできていない。去年よりも良い日もあれば悪い日もあり、苦しい練習しかできていない」と、苦しい胸の内を明かした。

広告の下にコンテンツが続きます

昨年9月に自己ベストをマークしてからは、パリ五輪を目標に据えて取り組んできた。しかし、2月のアジア室内選手権では日本代表として3000mに出場し、積極的なレースを見せたものの5位に終わった。

新年度を迎え勢いづきたいところだったが、4月13日の金栗記念の5000mでは21位、記録も13分58秒58と振るわなかった。なかなか納得のいくレースができずにいただけに、「本当に苦しいシーズンになっている」と話す。

そんななか、織田記念では「13分40秒を切りたい、ぐらいに思っていた」。それを大きく上回る好走。もちろん決して会心のレースだったわけではない。

「日本人とペースメーカーとの差が開いた時に、出るタイミングでちょっと緊張してしまった。本来であれば出るべきだったし、振り返ってみれば、出ることができたと思う」と、反省点が口をついて出た。

それでも、「スタートラインに戻してこられた」「今回は最低限の結果は出せた」などと言う言葉も口にしたように、吉居にとって復調のきっかけをつかんだレースにはなったようだ。

「今日を機に、もう一度立て直して、パリを目指して強くなりたいと思います」

可能性がゼロではない限り、吉居はパリ五輪を諦めることはない。

文/和田悟志

◇第58回織田幹雄記念(4月29日/ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリシリーズG1の織田記念が行われ、男子5000mは中大3年の吉居駿恭(中大)が制した。 最終種目で大学生ランナーが躍動した。コスマス・ムワンギ(中国電力)を先頭に6人が縦長の隊列を作り、ラスト1周の鐘が鳴り、ラストスパート勝負へ。残り300mを切って、満を持して勝負に出たのが、2番手につけていた吉居だった。 最後の400mを57秒台で駆け抜け、コスマスらを突き放して優勝を飾った。記録は、昨年9月にマークした自己ベスト(13分22秒01)には惜しくも届かなかったものの、13分24秒06という好タイムだった。 ただ、フィニッシュ後の吉居が喜びを爆発させることはなかった。 ケガや体調不調はなかったというが、「あまり良くない状況が続いていた。うまく走れていない。(練習は)量自体はしっかりとこなしているんですけど、まだまだというか、弱い練習しかできていない。去年よりも良い日もあれば悪い日もあり、苦しい練習しかできていない」と、苦しい胸の内を明かした。 昨年9月に自己ベストをマークしてからは、パリ五輪を目標に据えて取り組んできた。しかし、2月のアジア室内選手権では日本代表として3000mに出場し、積極的なレースを見せたものの5位に終わった。 新年度を迎え勢いづきたいところだったが、4月13日の金栗記念の5000mでは21位、記録も13分58秒58と振るわなかった。なかなか納得のいくレースができずにいただけに、「本当に苦しいシーズンになっている」と話す。 そんななか、織田記念では「13分40秒を切りたい、ぐらいに思っていた」。それを大きく上回る好走。もちろん決して会心のレースだったわけではない。 「日本人とペースメーカーとの差が開いた時に、出るタイミングでちょっと緊張してしまった。本来であれば出るべきだったし、振り返ってみれば、出ることができたと思う」と、反省点が口をついて出た。 それでも、「スタートラインに戻してこられた」「今回は最低限の結果は出せた」などと言う言葉も口にしたように、吉居にとって復調のきっかけをつかんだレースにはなったようだ。 「今日を機に、もう一度立て直して、パリを目指して強くなりたいと思います」 可能性がゼロではない限り、吉居はパリ五輪を諦めることはない。 文/和田悟志

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.15

19年ドーハ世界陸上代表・井本佳伸が現役引退「たくさんの出会い幸せ」今後は指導者の道へ

男子短距離で活躍し、19年ドーハ世界選手権リレー代表(補欠)の井本佳伸(東京ガスエコモ)が現役生活に区切りをつけることを自身のSNSで発表した。 井本は京都・東輝中時代に全中で100m5位、200m4位。名門・洛南高へ進 […]

NEWS 100m宮本大輔が引退「最後まで走り切れた」元中学記録保持者「早熟なんて気にしなくていい」

2025.10.15

100m宮本大輔が引退「最後まで走り切れた」元中学記録保持者「早熟なんて気にしなくていい」

穏やかな笑顔で静かに、地元・山口でスパイクを脱いだ。 男子100mの元中学記録保持者・宮本大輔(山口フィナンシャルグループ)が現役生活にピリオドを打った。9月の全日本実業団対抗は、地元・山口。「夏くらいには一旦、区切りを […]

NEWS 九州実業団駅伝エントリー 旭化成は葛西潤や相澤晃、クラフティア・赤﨑暁、三菱重工・近藤亮太ら日本代表経験者登録

2025.10.15

九州実業団駅伝エントリー 旭化成は葛西潤や相澤晃、クラフティア・赤﨑暁、三菱重工・近藤亮太ら日本代表経験者登録

来年元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選会を兼ねた第62回九州実業団毎日駅伝(11月3日/大分・佐伯市の佐伯中央病院陸上競技場発着)のエントリーが10月15日、同実業団連盟から発表された。 エントリーチー […]

NEWS 国立競技場が2026年1月から5年間新たな呼称へ! 「ナショナルスタジアムパートナー」第1号にMUFG

2025.10.15

国立競技場が2026年1月から5年間新たな呼称へ! 「ナショナルスタジアムパートナー」第1号にMUFG

金融・証券などの三菱東京UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は10月15日、東京・国立競技場の運営を担うジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメント(JNSE)と「ナショナルスタジアムパートナー」契約を結んだと発 […]

NEWS リオ五輪110mH銀メダル・オルテガが現役引退 15年に12秒94をマーク

2025.10.15

リオ五輪110mH銀メダル・オルテガが現役引退 15年に12秒94をマーク

16年リオ五輪の男子110mハードルで銀メダルを獲得したO.オルテガ(スペイン)が引退を表明した。 オルテガはキューバ出身の34歳。12年にはロンドン五輪で6位入賞を果たす。13年のモスクワ世界選手権に出場した際にキュー […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top