HOME 国内

2024.03.13

西山雄介「自分でいく勇気や力がありませんでした」東京マラソンペースメーカーの話題に言及
西山雄介「自分でいく勇気や力がありませんでした」東京マラソンペースメーカーの話題に言及

西山雄介(トヨタ自動車)

パリ五輪マラソン代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジだった東京マラソンで、日本人トップの9位で、2時間6分31秒(日本歴代9位)をマークした西山雄介(トヨタ自動車)が自身のSNSを更新。話題となっているペースメーカーについて言及した。

西山は「ペースメーカーのことが色々言われていますが、僕の力不足でしかありません」と綴る。当日のペースメーカーについては、ペースが安定しなかったことや、給水で立ち止まったことなどが議論されている。

パリ五輪の出場に向けて2時間5分50秒が必要で、そこに届かなかったが、「日本記録を樹立した前田さんのように自分でいく勇気や力が僕にはありませんでした」と、大阪国際女子マラソンの前田穂南(天満屋)がペースメーカーより前に出て仕掛けたことを例に出す。

広告の下にコンテンツが続きます

その上で、「確かに想定より遅いとは思いましたが、ペースメーカーが悪いなどと一切思っていません。ペースメーカーをしてくれた選手には感謝しています」と綴っている。

西山はレース後の会見でも「前半は少し遅く感じてハーフは62分20秒くらいで行ってほしかったのは率直な気持ちでしたが、仕方ないと割り切ってペースメーカーが外れてから積極的なレースをするように心掛けました」とし、「予想外でしたが、そこで焦って見失っては元も子もない」とペースメーカーを理由にすることはなかった。

日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)はレース後のミックスゾーンで、自らペースメーカーについて話すことはなかった。記者に「ペースの上げ下げがあったのかと思うがいかがか」「他の選手から、鈴木選手がレース中に『ペースを戻してほしいと声をかけていた』と言っていたが」と聞かれた際にこう答えている。

「前半、割とペースがゆったりめで入ったので、設定タイム(2時間5分50秒)で行ってほしいというふうに周囲の人と言っていて、(少し前に出たのも)そこにチャレンジしないと日本人1番でも価値のないものになってしまうので、最初からそのタイムで行けないのは違うと思って意識しました。(1km)2分58秒ペースと聞いていたので、これはタイム通りなのかなとは思っていましたが、結局力がなかった。僕は最後までついていけなかったので…」

実際、ペースはやや遅くなった部分はあったが、高岡寿成シニアディレクターも「レースはなまもの。ペースメーカーにはペースメーカーの役割があるが、思っている通りに進むことはない。その中でどう対応するかが必要で、選手の感覚で勝負するのがおもしろいところ」と話していた。

一つ言えるのは、いずれの選手も、決してペースメーカーをいいわけにすることはなかった。メディア側がその話題を引き出すことは必要だが、その部分だけを強調する報じ方はするべきではないのではないだろうか。

パリ五輪マラソン代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジだった東京マラソンで、日本人トップの9位で、2時間6分31秒(日本歴代9位)をマークした西山雄介(トヨタ自動車)が自身のSNSを更新。話題となっているペースメーカーについて言及した。 西山は「ペースメーカーのことが色々言われていますが、僕の力不足でしかありません」と綴る。当日のペースメーカーについては、ペースが安定しなかったことや、給水で立ち止まったことなどが議論されている。 パリ五輪の出場に向けて2時間5分50秒が必要で、そこに届かなかったが、「日本記録を樹立した前田さんのように自分でいく勇気や力が僕にはありませんでした」と、大阪国際女子マラソンの前田穂南(天満屋)がペースメーカーより前に出て仕掛けたことを例に出す。 その上で、「確かに想定より遅いとは思いましたが、ペースメーカーが悪いなどと一切思っていません。ペースメーカーをしてくれた選手には感謝しています」と綴っている。 西山はレース後の会見でも「前半は少し遅く感じてハーフは62分20秒くらいで行ってほしかったのは率直な気持ちでしたが、仕方ないと割り切ってペースメーカーが外れてから積極的なレースをするように心掛けました」とし、「予想外でしたが、そこで焦って見失っては元も子もない」とペースメーカーを理由にすることはなかった。 日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)はレース後のミックスゾーンで、自らペースメーカーについて話すことはなかった。記者に「ペースの上げ下げがあったのかと思うがいかがか」「他の選手から、鈴木選手がレース中に『ペースを戻してほしいと声をかけていた』と言っていたが」と聞かれた際にこう答えている。 「前半、割とペースがゆったりめで入ったので、設定タイム(2時間5分50秒)で行ってほしいというふうに周囲の人と言っていて、(少し前に出たのも)そこにチャレンジしないと日本人1番でも価値のないものになってしまうので、最初からそのタイムで行けないのは違うと思って意識しました。(1km)2分58秒ペースと聞いていたので、これはタイム通りなのかなとは思っていましたが、結局力がなかった。僕は最後までついていけなかったので…」 実際、ペースはやや遅くなった部分はあったが、高岡寿成シニアディレクターも「レースはなまもの。ペースメーカーにはペースメーカーの役割があるが、思っている通りに進むことはない。その中でどう対応するかが必要で、選手の感覚で勝負するのがおもしろいところ」と話していた。 一つ言えるのは、いずれの選手も、決してペースメーカーをいいわけにすることはなかった。メディア側がその話題を引き出すことは必要だが、その部分だけを強調する報じ方はするべきではないのではないだろうか。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.13

編集部コラム「あっという間の2025年」

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]

NEWS 早大のルーキー・鈴木琉胤「少しずつトラックの頃に戻ってきた」 往路希望で「区間賞を狙う走りを」

2025.12.13

早大のルーキー・鈴木琉胤「少しずつトラックの頃に戻ってきた」 往路希望で「区間賞を狙う走りを」

箱根駅伝で15年ぶりの総合優勝を狙う早大が12月13日、埼玉・所沢キャンパスで合同取材会を開いた。 出雲駅伝、全日本大学駅伝で出走したルーキー・鈴木琉胤は「ハーフは走ったことがなくて、箱根でいきなりという不安はあります。 […]

NEWS 箱根駅伝15年ぶりV狙う早大が合同取材会 花田勝彦駅伝監督「状態上がっている」 山口智規「大手町を楽しみにしてほしい」

2025.12.13

箱根駅伝15年ぶりV狙う早大が合同取材会 花田勝彦駅伝監督「状態上がっている」 山口智規「大手町を楽しみにしてほしい」

箱根駅伝で15年ぶりの総合優勝を狙う早大が12月13日、埼玉・所沢キャンパスで合同取材会を開いた。 この日は撮影と共通取材、個別取材を実施。共通取材で花田勝彦駅伝監督は「今年もかなり良いかたちで準備ができたと思っています […]

NEWS 連覇か、V奪回か?「ニューイヤー駅伝2026」に挑む強豪3チームの意気込み/旭化成・トヨタ自動車・富士通
PR

2025.12.13

連覇か、V奪回か?「ニューイヤー駅伝2026」に挑む強豪3チームの意気込み/旭化成・トヨタ自動車・富士通

2026年の幕開けを飾る全日本実業団対抗駅伝(通称・ニューイヤー駅伝)は、第70回の記念大会として1月1日、前橋市にある群馬県庁前をスタートし、上州路をぐるりと回って県庁に戻る7区間・総距離100kmのコースで行われる。 […]

NEWS ロス瑚花アディアが60m7秒48のユタ州立大新記録 東京・城西高出身で今秋から留学中

2025.12.13

ロス瑚花アディアが60m7秒48のユタ州立大新記録 東京・城西高出身で今秋から留学中

12月10日に米国・ユタ州でブリガム・ヤング大で行われた同大学招待競技会室内女子60mで、ロス瑚花アディア(ユタ州立大)が7秒48で4位に入った。従来のユタ州立大記録38年ぶりの更新となる。 ロスは東京・駒沢中から城西高 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top