2023.12.06
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第11回(1930年/昭和5年)
慶大が往路初優勝 9区でアクシデントの日大は最下位フィニッシュ
前回と同じく9校が出場。第1回大会の優勝校の東京高師は、この大会から東京文理科大に校名変更した。
レース序盤は早大が主導権を握る。1区の小山勝太が区間新記録の走りで先行すると、2区の吉田芳春、3区の小原孝一も区間2位と好走して首位をキープした。
4区では3分20秒差の3位でスタートした日大の渡辺信男が前を行く早大と慶大を交わして首位に浮上。25秒差で慶大が続き、区間7位と苦戦した早大は38秒差の3位に転落した。
5区では慶大の渡辺弥太郎が日大を抜いて先頭を奪う。渡辺は前回区間賞の早大・藤木勲を突き放す区間賞の快走で、慶大が往路初優勝を果たした。2位は早大が48秒差でゴール。48秒差は第40回大会で中大が日大を13秒差で抑えるまで、往路の僅差記録として長い間破られなかった。小田原を首位通過した日大は5区で区間6位と苦戦して8分43秒差の3位に終わった。
復路では6区で早大の鈴木憲雄が2年連続となる区間賞の走りで慶大を逆転。区間8位と苦戦した慶大に2分9秒の差をつけた。
早大はその後も8区の中島幸基が区間賞を獲得するなど盤石の走りでリードを拡大。戸塚の時点で2位の日大と12分35秒の大差がついていた。
9区では先頭の早大を追う日大にアクシデントが起こる。鶴見中継所手前の生麦で早瀬道雄が転倒して走行不能となり、補欠の伊藤祐之が戸塚から再出発するという不運に見舞われた。その結果、日大はこの区間で3時間19分50秒を擁し、最下位転落を余儀なくされた。
最後まで堅実な走りを続けた早大が2位の明大に18分48秒差をつける13時間23分29秒で2年ぶり4回目の優勝。前年に出されたばかりの大会記録(13時間32分50秒)を10分近く更新した。若干のコース変更はあるもの、3年前までは優勝記録が14時間台だっただけに、学生ランナーの競技力向上が著しく進んでいた。また、往路優勝の慶大は復路7位と苦戦して中大に次ぐ4位に終わった。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第11回(1930年/昭和5年) 慶大が往路初優勝 9区でアクシデントの日大は最下位フィニッシュ
前回と同じく9校が出場。第1回大会の優勝校の東京高師は、この大会から東京文理科大に校名変更した。 レース序盤は早大が主導権を握る。1区の小山勝太が区間新記録の走りで先行すると、2区の吉田芳春、3区の小原孝一も区間2位と好走して首位をキープした。 4区では3分20秒差の3位でスタートした日大の渡辺信男が前を行く早大と慶大を交わして首位に浮上。25秒差で慶大が続き、区間7位と苦戦した早大は38秒差の3位に転落した。 5区では慶大の渡辺弥太郎が日大を抜いて先頭を奪う。渡辺は前回区間賞の早大・藤木勲を突き放す区間賞の快走で、慶大が往路初優勝を果たした。2位は早大が48秒差でゴール。48秒差は第40回大会で中大が日大を13秒差で抑えるまで、往路の僅差記録として長い間破られなかった。小田原を首位通過した日大は5区で区間6位と苦戦して8分43秒差の3位に終わった。 復路では6区で早大の鈴木憲雄が2年連続となる区間賞の走りで慶大を逆転。区間8位と苦戦した慶大に2分9秒の差をつけた。 早大はその後も8区の中島幸基が区間賞を獲得するなど盤石の走りでリードを拡大。戸塚の時点で2位の日大と12分35秒の大差がついていた。 9区では先頭の早大を追う日大にアクシデントが起こる。鶴見中継所手前の生麦で早瀬道雄が転倒して走行不能となり、補欠の伊藤祐之が戸塚から再出発するという不運に見舞われた。その結果、日大はこの区間で3時間19分50秒を擁し、最下位転落を余儀なくされた。 最後まで堅実な走りを続けた早大が2位の明大に18分48秒差をつける13時間23分29秒で2年ぶり4回目の優勝。前年に出されたばかりの大会記録(13時間32分50秒)を10分近く更新した。若干のコース変更はあるもの、3年前までは優勝記録が14時間台だっただけに、学生ランナーの競技力向上が著しく進んでいた。また、往路優勝の慶大は復路7位と苦戦して中大に次ぐ4位に終わった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第11回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 早大 13時間23分29秒 2位 明大 13時間42分17秒 3位 中大 13時間46分53秒 4位 慶大 13時間52分42秒 5位 法大 13時間56分20秒 6位 東京文理科大 14時間02分08秒 7位 日本歯科医専 14時間22分52秒 8位 東農大 14時間28分42秒 9位 日大 15時間39分22秒 ●区間賞 1区 小山勝太(早大) 1時間16分32秒 2区 岩本哲一郎(慶大) 1時間14分42秒 3区 北本正路(慶大) 1時間15分42秒 4区 小島道雄(明大) 1時間11分06秒 5区 渡辺弥太郎(慶大) 1時間42分28秒 6区 鈴木憲雄(早大) 1時間27分48秒 7区 権泰夏(明大) 1時間15分32秒 8区 中島幸基(早大) 1時間17分48秒 9区 引田二郎(法大) 1時間12分24秒 10区 浜田耕作(明大) 1時間17分18秒RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.17
日本陸連キャリア支援プログラムの第6期受講生が決定 佐々木哲、大西勧也ら9名
-
2025.10.17
-
2025.10.17
-
2025.10.13
-
2025.10.13
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.17
後藤大樹が300mH再びU18日本新の35秒44! 中盤にアクシデント「34秒台を目標にしていた」/U18・16大会
◇第19回U18・第56回U16大会(10月17~19日/三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場)1日目 U18・U16大会の第1日目が行われ、男子300mハードル決勝は後藤大樹(洛南高1京都)が35秒44で優勝し、予選で […]
2025.10.17
日本陸連キャリア支援プログラムの第6期受講生が決定 佐々木哲、大西勧也ら9名
日本陸連は10月17日、主に大学アスリートを対象としたキャリアサポート支援の「ライフスキルトレーニングプログラム」の第6期受講生を発表した。 今回決まった受講生は9名。男子3000m障害で今年のアジア選手権4位に入賞した […]
2025.10.17
ヴィンセント、池田耀平が故障のため欠場 近藤、飯田、森井らも調整不良のためキャンセル/東京レガシーハーフ
10月19日に行われる東京レガシーハーフマラソンの主催者は10月17日、招待選手の男子でイェゴン・ヴィンセント(Honda)、池田耀平(Kao)が欠場することを発表した。いずれも故障が理由という。 このほか、エリート男子 […]
2025.10.17
大迫傑が中国メーカー「LI-NING」所属で東京レガシーハーフ出場へ キャリアの新たな一歩へ
10月19日に行われる東京レガシーハーフマラソンの主催者は、大迫傑の所属が東京陸協から「LI-NING(李寧/リーニン)」に変更することを発表した。 LI-NINGは中国のシューズメーカー。中国国内ではナイキ、アディダス […]
2025.10.17
ニューバランスから駅伝・マラソン限定コレクション「NB Riswing Pack」が発売!
ニューバランスジャパンは、駅伝・マラソンシーズンに向けた2025年限定コレクション「NB Riswing Pack(ライジングパック)」より、フルマラソンで勝利を目指すアスリート、常に記録に挑み続けるエリートランナーを後 […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望