◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)2日目
アジア選手権の2日目午後セッションが行われ、男子400mは佐藤拳太郎(富士通)が45秒00で金メダルに輝いた。
日本人2人目の44秒台突入には、ほんのわずか届かなかった。だが、ブダペスト世界陸上、およびパリ五輪の参加標準記録も突破。6月の日本選手権では3位に入っており、4大会連続の世界陸上代表入りをほぼ手中に収めた。
「44秒99でなく、45秒00というところが僕っぽいですね」とおどけて振り返った佐藤拳太郎だが、レースぶりは冷静そのものだった。
スターティングブロックの不具合で開始時間が遅れたが、「自分のレースをしよう」と集中。「雨はあったけど、風もいい感じだったので記録は出せると思っていました」。
最後の直線、先行するアジアでただ1人43秒台(43秒93)を持つユスフ・アーマド・マスラヒ(サウジアラビア)。世界陸上で13年6位、15年8位と2度の入賞歴を持つ世界的ロングスプリンターを、佐藤拳太郎が佐藤風雅(ミズノ)とともに猛追する。
「先行されているなと思ったけど、最後まであきらめない」。フィニッシュ直前にかわし、アジア制覇を果たした。
そして、記録は「45秒00」。日本では44秒78の日本記録保持者・髙野進しか入ったことのない「44秒台」の扉を開くことはできなかった。しかし、世界への扉はこじ開けた。
昨年は、東京五輪イヤーの21年から抱えていたアキレス腱の痛みに悩まされ、日本選手権で予選敗退。苦しい時期を過ごした。だが、オレゴン世界選手権の4×400mリレーで、ともに戦った仲間たちがアジア新(2分59秒51)をマークして4位の快挙。それに刺激を受け、再び表舞台に帰ってきた。
今季は5月に自己新の45秒31をマーク。日本選手権は3位にとどまったが、「タイムよりも走っている形」を意識し、「自分の動きができるように」調整して、今大会を迎えた。
「うまくいかなかった昨年があったからこそ、今年が良かったというものにしないといけないと思っています」と佐藤。そして、「アジアのタイトルを取れたことは良かったけど、まだまだこのタイムで世界どうこうと言えるほどのものではない」と浮かれた様子はまったくない。
見据えるのは世界のファイナル。それも、1人ではない。「高野先生以来のファイナルに1人でも多く立つ。その結果が4×400mリレーにもつながる」。佐藤風雅、日本選手権覇者の中島佑気ジョセフ(東洋大)とともに、ブダペストで世界を驚かせるつもりだ。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.06.16
-
2025.06.11
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.17
大学男子長距離部門選手を対象とした乳酸菌・タンパク質含有ゼリー飲料に関する論文概要/大塚製薬株式会社
84%に体感があり、「コンディションの安定」などを実感 大塚製薬株式会社は、「NSCA JAPAN」の「SPORTS Nutrition Academy」へ「大学男子長距離部門選手を対象とした乳酸菌、アミノ酸およびホエイ […]
2025.06.17
インターハイ地区大会 広島行きを懸けて今日北海道開幕 週末は北信越、東海、中国でも!全国大会出場者が出そろう
広島インターハイ(7月25日~29日)の出場権を懸けた、最終関門となる地区大会は今日6月17日に北海道で開幕し、19日は北信越、20日には東海と中国でもスタートする。 いずれの4大会も22日までにすべて終了。16日までに […]
2025.06.17
弘前実が地元で男女マイルリレーV!「全国で入賞を」100mH佐藤柚希が13秒70、200m中森が好記録/IH東北
◇インターハイ東北地区大会(6月13~16日/青森・カクヒログループアスレチックスタジアム)4日目 広島インターハイを懸けた東北地区大会の最終日が行われ、男子4×400mリレーは地元・青森の弘前実が3分11秒84の大会新 […]
2025.06.17
失格とアクシデント乗り越え本村優太郎200mV 藤原千櫻&岩本咲真4冠 3000m障害の竹信祐太郎が学校初の地区制覇/IH北九州
◇インターハイ北九州地区大会(6月13日~16日/佐賀・SAGAスタジアム) 広島インターハイをかけた北九州地区大会の最終日は、風が強く吹き荒れる厳しい条件下で、トラック8種目、フィールド4種目の決勝が行われた。 広告の […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会