2022.10.10
◇第77回栃木国体(10月6~10日/宇都宮市・カンセキスタジアムとちぎ)5日目
3年ぶりの開催となった国体が栃木県宇都宮市で開かれ、大会最終日に行われた少年男子B3000mで好記録が続出した。
衝撃の記録が誕生した。高校1年生の鈴木琉胤(千葉・八千代松陰高)が8分01秒26をマーク。従来の高1歴代最高(8分13秒94)を大きく上回るだけでなく、高校歴代3位に入る快走だった。
「昨年の全中も勝っていて、3000mは得意種目。負けるわけにはいかない」。中学記録8分15秒04を持つ増子陽太(福島・鏡石中3)を意識しつつ、戦えることを楽しみにもしていた。
スタート直後から「中学生に引かすわけにはいかない。前に出てペースを作る」とすぐさま先頭へ。400mを63秒で通過する。600m付近から鈴木と濵口大和(長野・佐久長聖高1)が徐々に2人で引くようになり、増子が単独で3番手を追走。1000m2分39秒で通過し「目標の8分00秒がいけそう」と手応えをつかんだ。
どんな大会でも先頭を引っ張る積極性が持ち味。後ろは気にせずどんどんとペースを上げる。2000m5分24秒。2人がレース作るが、ラストスパートを仕掛けた鈴木が差を広げてフィニッシュした。「最後はお尻がつりそうでした」と笑うが、快走劇に大きな拍手が送られた。
「僕の自己ベスト(8分18秒70)よりも増子君の中学記録のほうが速かったですが、中学生には負けられないという高校生の意地でした」
中学時代はサッカー部だったが、どんどんと走りにのめり込んだ鈴木。昨年は全中3000mで優勝した。高校進学後も名門で力をつけ、1年生ながらインターハイ6位に入っている。
目標とするのは佐藤圭汰(洛南高、現・駒大)。「僕が陸上を始めたときからあこがれ」。高校3年間で佐藤の持つ1500m3分37秒18、3000m7分50秒81、5000m13分31秒19の高校記録を「一つずつ塗り替えていきたいです」と目を輝かせる。今後は「大好き」だという駅伝シーズン。来季は距離を延ばして5000mでも戦っていく。
また、2位に入った濵口も従来の高1最高記録を上回る8分07秒66でフィニッシュした。
■男子3000m高校歴代10傑
7.50.81 佐藤 圭汰(洛南3京都) 2021.11.21
7.59.18 遠藤 日向(学法石川3福島) 2016.10.16
8.01.26 鈴木 琉胤(八千代松陰1千葉)2022.10.10
8.01.29 吉岡 大翔(佐久長聖3長野) 2022. 4.29
8.04.99 大森龍之介(佐野日大3栃木) 2016. 9.17
8.05.28 長嶋 幸宝(西脇工3兵庫) 2022. 4.10
8.05.82 佐藤 悠基(佐久長聖3長野) 2004. 6. 5
8.06.06 南坂 柚汰(倉敷3岡山) 2022. 9.10
8.06.44 吉居 大和(仙台育英3宮城) 2019. 4.28
8.06.61 中谷 雄飛(佐久長聖3長野) 2017. 9. 9
■男子3000m高1歴代5傑
8.01.26 鈴木 琉胤(八千代松陰・千葉) 2022.10.10
8.07.66 濵口 大和(佐久長聖高・長野) 2022.10.10
8.13.94 三田 裕介(豊川工・愛知) 2005.10.26
8.15.01 植阪 嶺児(智辯カレッジ・奈良)2020. 9. 6
8.16.17 小山 翔也(埼玉栄・埼玉) 2021. 3.28

RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.22
米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す
-
2025.10.21
-
2025.10.21
-
2025.10.21
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.22
高校駅伝都道府県大会が第2週目突入!明日23日の福島から9県で開催 宮城、千葉らハイレベルの熱戦
10月に入って全国高校駅伝(12月21日/京都)出場を懸けた高校駅伝都道府県大会が行われている。 今週は週末にかけて、東北、関東を中心に9県で開催される。 23日には福島県大会が行われ、学法石川を中心にハイレベルの争いと […]
2025.10.22
関西実業団対抗駅伝に住友電工・遠藤日向、SGホールディングス・近藤幸太郎、NTT西日本・服部弾馬らがエントリー!
来年元日に行われる全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選を兼ねた第68回関西実業団対抗駅伝(11月9日/和歌山)のエントリーが、10月22日に関西実業団連盟から発表された。 前回と同じ13チームがエントリー。各チ […]
2025.10.22
米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す
米国陸連(USATF)は10月20日、米国陸連主催のUSATFツアーを新設することを発表した。 ツアーは2026年から実施予定で、現在は既存大会および新設大会を対象に参入申請を受け付けている。陸連はツアー化によって大会日 […]
2025.10.21
【プレゼント】保温性に優れたZAMSTの「アームスリーブWARM EDITION」/11月号
世界と戦うトップアスリートも愛用するサポート・ケア製品ブランド「ZAMST(ザムスト)」を展開する日本シグマックス株式会社。 同社から発売中の寒い時期でも快適にスポーツを行うことができるよう保温性に優れ、手首から上腕にか […]
2025.10.21
東京世界陸上サブトラックからの選手輸送「遅延ゼロ」分単位で計画「円滑に進められた」
公益財団法人東京2025世界陸上財団は10月21日、第31回理事会を開き、大会の開催結果について報告したあと、報道陣への記者ブリーフィングを開いた。 9月13日から21日まで、東京・国立競技場をメイン会場に開かれた世界選 […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望