
◇第30回金栗記念選抜中長距離2022(4月9日/熊本・えがお健康スタジアム)
日本グランプリシリーズ初戦でひと際存在感を放ったのが、東京五輪男子3000m障害で7位入賞の三浦龍司(順大)だ。
「身体を慣らしたくて、スピード種目を選んだ」という理由で1500mに出場した三浦。日本記録(3分35秒42)保持者の河村一輝(トーエネック)や舘澤亨次(DeNA)こそ欠場したが、昨年5月に日本記録を27年ぶりに更新した荒井七海(Honda)や、この春に大学生になった高校記録(3分37秒18)保持者の佐藤圭汰(駒大)、5000mが専門ながら1500mでインターハイ優勝などスピードに定評のある遠藤日向(住友電工)ら、実力者が参戦した。
そのスタートリストを見て、三浦は「怖気づいた」と言う。「持ちタイム(3分46秒29)では完全に格下。どんなレース展開になるのかも読めませんでしたが、自分が目指す3000m障害で7分台には、スピード持久力が不可欠だと思って、積極的なレースを心掛けました」。専門種目にプラスとなるレースにしようとスタートラインに立った。
レースは、800mの前日本記録保持者・横田真人(TWOLAPS)がペースメーカーとして800mまで先導。三浦はレースを静観するように5番手につけた。
終盤に差し掛かりレースが動く。残り1周で飛び出したのは、3年ぶりに1500mのレースに出場した遠藤。後続を一気に引き離す。三浦も2位に浮上したが、1200m~1300mでは20~30mの差がつく。
だが、三浦は最後まで冷静だった。余力と照らし合わせて「行ける」と判断。ラスト100mあたりから猛追すると、フィニッシュ手前10mで逆転した。
自己ベストを10秒近く更新し、日本歴代2位、学生歴代2位(日本人学生最高)の3分36秒59で優勝。大会MVPにも選ばれた。
「出し切れました。(行けると)判断できたことは大きな収穫でしたし、3000m障害のラスト1周の不安を克服できたようなレースができました」と三浦は手応えをつかんだ。
最後に逆転された遠藤も、高卒1年目の2017年に出した自己記録(3分42秒98)を6秒塗り替える日本歴代3位の3分36秒69。フィニッシュ後は笑顔で三浦に近づき「あれは速いよ!めちゃくちゃスピードがついている」と、声をかけた。
昨年の五輪では3000m障害で日本人初入賞を達成した三浦。「世界の選手と総当たりした訳ではないので、世界選手権で同じ結果が簡単に出せるとは思っていません」と、謙虚な姿勢を崩さない。
それゆえ、「世界選手権では成長した姿を見せたい」と世界のさらなる上を目指すつもりだ。昨年よりスピードアップした手応えを得た三浦は、4月29日の織田記念3000m障害に出場する見込み。専門種目でどんな走りを見せるだろうか。
文/田端慶子
◇第30回金栗記念選抜中長距離2022(4月9日/熊本・えがお健康スタジアム)
日本グランプリシリーズ初戦でひと際存在感を放ったのが、東京五輪男子3000m障害で7位入賞の三浦龍司(順大)だ。
「身体を慣らしたくて、スピード種目を選んだ」という理由で1500mに出場した三浦。日本記録(3分35秒42)保持者の河村一輝(トーエネック)や舘澤亨次(DeNA)こそ欠場したが、昨年5月に日本記録を27年ぶりに更新した荒井七海(Honda)や、この春に大学生になった高校記録(3分37秒18)保持者の佐藤圭汰(駒大)、5000mが専門ながら1500mでインターハイ優勝などスピードに定評のある遠藤日向(住友電工)ら、実力者が参戦した。
そのスタートリストを見て、三浦は「怖気づいた」と言う。「持ちタイム(3分46秒29)では完全に格下。どんなレース展開になるのかも読めませんでしたが、自分が目指す3000m障害で7分台には、スピード持久力が不可欠だと思って、積極的なレースを心掛けました」。専門種目にプラスとなるレースにしようとスタートラインに立った。
レースは、800mの前日本記録保持者・横田真人(TWOLAPS)がペースメーカーとして800mまで先導。三浦はレースを静観するように5番手につけた。
終盤に差し掛かりレースが動く。残り1周で飛び出したのは、3年ぶりに1500mのレースに出場した遠藤。後続を一気に引き離す。三浦も2位に浮上したが、1200m~1300mでは20~30mの差がつく。
だが、三浦は最後まで冷静だった。余力と照らし合わせて「行ける」と判断。ラスト100mあたりから猛追すると、フィニッシュ手前10mで逆転した。
自己ベストを10秒近く更新し、日本歴代2位、学生歴代2位(日本人学生最高)の3分36秒59で優勝。大会MVPにも選ばれた。
「出し切れました。(行けると)判断できたことは大きな収穫でしたし、3000m障害のラスト1周の不安を克服できたようなレースができました」と三浦は手応えをつかんだ。
最後に逆転された遠藤も、高卒1年目の2017年に出した自己記録(3分42秒98)を6秒塗り替える日本歴代3位の3分36秒69。フィニッシュ後は笑顔で三浦に近づき「あれは速いよ!めちゃくちゃスピードがついている」と、声をかけた。
昨年の五輪では3000m障害で日本人初入賞を達成した三浦。「世界の選手と総当たりした訳ではないので、世界選手権で同じ結果が簡単に出せるとは思っていません」と、謙虚な姿勢を崩さない。
それゆえ、「世界選手権では成長した姿を見せたい」と世界のさらなる上を目指すつもりだ。昨年よりスピードアップした手応えを得た三浦は、4月29日の織田記念3000m障害に出場する見込み。専門種目でどんな走りを見せるだろうか。
文/田端慶子 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.04.08
ダイヤモンドリーグ・ドーハ大会は6月19日に延期 選手、観客の安全を考慮
2026.04.08
佐藤拳太郎が東海大短距離コーチ就任「両立へ全力を捧げる」髙野監督「彼しかいないと直感」
2026.04.08
東海大・西出仁明駅伝監督が意気込み「スピードの東海復活を」両角総監督「役割分担明確に」
-
2026.04.07
-
2026.04.07
2026.04.07
800m久保凛が練習公開「今出せる力を出し切りたい」初戦“地元”で新ユニお披露目
-
2026.04.05
-
2026.04.07
-
2026.04.08
2026.03.16
GMO・吉田圭太と100mHの安達楓恋が結婚!「これからも二人で」青学大の先輩後輩
-
2026.03.31
-
2026.03.31
Latest articles 最新の記事
2026.04.08
ダイヤモンドリーグ・ドーハ大会は6月19日に延期 選手、観客の安全を考慮
世界最高峰の陸上シリーズであるダイヤモンドリーグ(DL)の主催者は4月8日、同リーグ第1戦として予定されていた5月8日のドーハ大会を、6月19日に延期すると発表した。 DLは毎年5月から9月にかけて世界各地で開催される1 […]
2026.04.08
佐藤拳太郎が東海大短距離コーチ就任「両立へ全力を捧げる」髙野監督「彼しかいないと直感」
東海大は4月8日、陸上競技部の新体制発表会見を行い、部長で短距離監督の髙野進氏と、新たに短距離ブロックコーチに就任した佐藤拳太郎(富士通)が登壇した。 伝統あるブルーのラインが入ったジャージに「これまで赤色が多かったの […]
2026.04.08
東海大・西出仁明駅伝監督が意気込み「スピードの東海復活を」両角総監督「役割分担明確に」
東海大は4月8日、新体制発表会見を行い、両角速総監督と西出仁明駅伝監督が登壇した。 両角総監督は佐久長聖高(長野)を指導して全国高校駅伝優勝など実績を残した。11年から母校・東海大の駅伝監督に就任。17年に出雲駅伝を制す […]
2026.04.08
ジャマイカのダグラスが女子短距離2冠 200mはU20歴代3位タイの22秒11/カリフタゲームズ
グレナダの首都セントジョーンズで4月4日から6日まで、カリフタゲームズが開催され、女子200mU20の部でS.M.ダグラス(ジャマイカ)がU20世界歴代3位タイの22秒11(+1.9)で優勝した。S.ミラー・ウイボ(バハ […]
Latest Issue
最新号
2026年4月号 (3月13日発売)
別冊付録 記録年鑑 2025
東京マラソン、大阪マラソン、名古屋ウィメンズマラソン