
◇第30回金栗記念選抜中長距離2022(4月9日/熊本・えがお健康スタジアム)
日本グランプリシリーズの第30回金栗記念選抜が4月8日、熊本・えがお健康スタジアムにて開催された。男子10000mには、昨夏の東京五輪代表の伊藤達彦(Honda)と相澤晃(旭化成)がそろって出場した。
この種目の今夏のオレゴン世界選手権の参加標準記録(27分28秒00)を対象期間内に突破しているのは田澤廉(駒大4年※今回は5000mに出場)のみ。伊藤と相澤は標準記録突破を視野に入れて今回のレースに臨んだ。
外国人選手が先頭集団を牽引し、入りの1000mは2分45秒と、標準記録を狙えるペースで入った。このペースを刻めば27分30秒。ラストスパートで切り替えれば、なんとか届く。しかし、その後ペースは落ちて、5000mは13分54秒で通過した。後半に入ると、伊藤がペースメーカーの前に出る場面もあった。伊藤と相澤は共に余裕を持ってレースを進め、終盤まで先頭集団に位置取る。この2人に市田孝(旭化成)を加えた3人が日本人トップ争いを繰り広げた。
最初に仕掛けたのは相澤だった。
「ラスト1周の前で、伊藤君よりも前にいないとダメだと思ったので、その前に行こうと思った」
残り2周を切って、相澤はするすると前方にポジションを上げていき、チームメイトのキプランガット・デービスと並ぶように先頭に立った。しかし、伊藤も負けじと食い下がる。
「標準記録を切れそうになかったので、日本選手権のために脚をとっておこうと思ったんですが。相澤君はライバルなので、負けたくないのでついついムキになってしまいました」
ラスト1周の鐘が鳴ると、すかさず猛烈なスパートを炸裂させる。伊藤は、「スピード強化を1月から始めてきた」と言い、ラスト1周をなんと55秒でカバー。最後は100分の2秒差でエバンス・ケイタニー(トヨタ紡織)に敗れたものの、昨年11月の八王子ロングディスタンスに続き相澤に先着し、27分42秒48で日本人トップの2位に入った。
ラストスパートで敗れたことと、世界選手権の標準記録には届かなかったことには悔しさを口にしたが、「全体的にスピードがついたお陰で、途中のペースの上げ下げにも対応できたし、余裕を持って27分40秒台で走ることができた」と収穫も多かった。
一方の相澤は27分45秒26で5位(日本人2位)。「かなり余裕があって、本当にきつかったのはラスト1周ぐらい。現時点ではまずまずの走りができたと思っています」と、こちらも手応えを口にした。
相澤は2月後半までなかなか調子が上がらない日々を送っており、2月26日の日本選手権クロスカントリーを欠場。「良い練習ができたのはこの1カ月ぐらい」。短期間で仕上げて、このレースに臨んだだけに、好感触を得ることができた。
世界選手権の標準記録を狙う機会は、おそらく5月7日の日本選手権か、ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022の20周年記念大会(6月22日・深川)あたり。限られたチャンスしか残されていないが、伊藤と相澤は共に世界選手権出場への自信を覗かせていた。まずは日本選手権。田澤も交えて、3者によるハイレベルなレースが繰り広げられることになりそうだ。
文/福本ケイヤ

◇第30回金栗記念選抜中長距離2022(4月9日/熊本・えがお健康スタジアム)
日本グランプリシリーズの第30回金栗記念選抜が4月8日、熊本・えがお健康スタジアムにて開催された。男子10000mには、昨夏の東京五輪代表の伊藤達彦(Honda)と相澤晃(旭化成)がそろって出場した。
この種目の今夏のオレゴン世界選手権の参加標準記録(27分28秒00)を対象期間内に突破しているのは田澤廉(駒大4年※今回は5000mに出場)のみ。伊藤と相澤は標準記録突破を視野に入れて今回のレースに臨んだ。
外国人選手が先頭集団を牽引し、入りの1000mは2分45秒と、標準記録を狙えるペースで入った。このペースを刻めば27分30秒。ラストスパートで切り替えれば、なんとか届く。しかし、その後ペースは落ちて、5000mは13分54秒で通過した。後半に入ると、伊藤がペースメーカーの前に出る場面もあった。伊藤と相澤は共に余裕を持ってレースを進め、終盤まで先頭集団に位置取る。この2人に市田孝(旭化成)を加えた3人が日本人トップ争いを繰り広げた。
最初に仕掛けたのは相澤だった。
「ラスト1周の前で、伊藤君よりも前にいないとダメだと思ったので、その前に行こうと思った」
残り2周を切って、相澤はするすると前方にポジションを上げていき、チームメイトのキプランガット・デービスと並ぶように先頭に立った。しかし、伊藤も負けじと食い下がる。
「標準記録を切れそうになかったので、日本選手権のために脚をとっておこうと思ったんですが。相澤君はライバルなので、負けたくないのでついついムキになってしまいました」
ラスト1周の鐘が鳴ると、すかさず猛烈なスパートを炸裂させる。伊藤は、「スピード強化を1月から始めてきた」と言い、ラスト1周をなんと55秒でカバー。最後は100分の2秒差でエバンス・ケイタニー(トヨタ紡織)に敗れたものの、昨年11月の八王子ロングディスタンスに続き相澤に先着し、27分42秒48で日本人トップの2位に入った。
ラストスパートで敗れたことと、世界選手権の標準記録には届かなかったことには悔しさを口にしたが、「全体的にスピードがついたお陰で、途中のペースの上げ下げにも対応できたし、余裕を持って27分40秒台で走ることができた」と収穫も多かった。
一方の相澤は27分45秒26で5位(日本人2位)。「かなり余裕があって、本当にきつかったのはラスト1周ぐらい。現時点ではまずまずの走りができたと思っています」と、こちらも手応えを口にした。
相澤は2月後半までなかなか調子が上がらない日々を送っており、2月26日の日本選手権クロスカントリーを欠場。「良い練習ができたのはこの1カ月ぐらい」。短期間で仕上げて、このレースに臨んだだけに、好感触を得ることができた。
世界選手権の標準記録を狙う機会は、おそらく5月7日の日本選手権か、ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022の20周年記念大会(6月22日・深川)あたり。限られたチャンスしか残されていないが、伊藤と相澤は共に世界選手権出場への自信を覗かせていた。まずは日本選手権。田澤も交えて、3者によるハイレベルなレースが繰り広げられることになりそうだ。
文/福本ケイヤ
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.04.08
ダイヤモンドリーグ・ドーハ大会は6月19日に延期 選手、観客の安全を考慮
2026.04.08
佐藤拳太郎が東海大短距離コーチ就任「両立へ全力を捧げる」髙野監督「彼しかいないと直感」
2026.04.08
東海大・西出仁明駅伝監督が意気込み「スピードの東海復活を」両角総監督「役割分担明確に」
-
2026.04.07
-
2026.04.07
2026.04.07
800m久保凛が練習公開「今出せる力を出し切りたい」初戦“地元”で新ユニお披露目
-
2026.04.02
-
2026.04.05
-
2026.04.07
2026.03.16
GMO・吉田圭太と100mHの安達楓恋が結婚!「これからも二人で」青学大の先輩後輩
-
2026.03.31
-
2026.03.31
Latest articles 最新の記事
2026.04.08
ダイヤモンドリーグ・ドーハ大会は6月19日に延期 選手、観客の安全を考慮
世界最高峰の陸上シリーズであるダイヤモンドリーグ(DL)の主催者は4月8日、同リーグ第1戦として予定されていた5月8日のドーハ大会を、6月19日に延期すると発表した。 DLは毎年5月から9月にかけて世界各地で開催される1 […]
2026.04.08
佐藤拳太郎が東海大短距離コーチ就任「両立へ全力を捧げる」髙野監督「彼しかいないと直感」
東海大は4月8日、陸上競技部の新体制発表会見を行い、部長で短距離監督の髙野進氏と、新たに短距離ブロックコーチに就任した佐藤拳太郎(富士通)が登壇した。 伝統あるブルーのラインが入ったジャージに「これまで赤色が多かったの […]
2026.04.08
東海大・西出仁明駅伝監督が意気込み「スピードの東海復活を」両角総監督「役割分担明確に」
東海大は4月8日、新体制発表会見を行い、両角速総監督と西出仁明駅伝監督が登壇した。 両角総監督は佐久長聖高(長野)を指導して全国高校駅伝優勝など実績を残した。11年から母校・東海大の駅伝監督に就任。17年に出雲駅伝を制す […]
2026.04.08
ジャマイカのダグラスが女子短距離2冠 200mはU20歴代3位タイの22秒11/カリフタゲームズ
グレナダの首都セントジョーンズで4月4日から6日まで、カリフタゲームズが開催され、女子200mU20の部でS.M.ダグラス(ジャマイカ)がU20世界歴代3位タイの22秒11(+1.9)で優勝した。S.ミラー・ウイボ(バハ […]
Latest Issue
最新号
2026年4月号 (3月13日発売)
別冊付録 記録年鑑 2025
東京マラソン、大阪マラソン、名古屋ウィメンズマラソン