東京五輪のマラソン日本代表の公式会見が行われ、中村匠吾(富士通)と服部勇馬(トヨタ自動車)がオンラインで登壇した。
8月8日、ついにやってくる東京五輪の男子マラソン。2019年マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で出場権を勝ち取った中村、服部の2人は、スタートを3日前に控え、その長さをしみじみ感じているようだ。
「2年間準備期間があって、1日1日、精一杯やってきた」と中村。今年は正月の全日本実業団駅伝でケガをした影響が長引き、それ以降レースに出場していない。「本来、びわ湖毎日マラソンと5月のテストイベントに出るようでした」と言う。だが、「6月から約2ヵ月は、長野で高地トレーニングをしっかり積んできた」と仕上げてきた。
MGCの圧勝劇に代表されるように、暑さは望むところで「強みだと思っています」。今日の朝も練習したようで「当日はわかりませんが気温も高いです」と中村。レース展開については「スローペースでもハイペースでも揺さぶりがあるので、身体と相談しながら対応したい。持ち前のスパートに持って行きたい」と話す。
学生時代から東京五輪を目指し、代表を決まってからケガをして不安な日々を過ごしてきた。だからこそ、「オリンピックに懸ける思いをもってやってきました。すべてを出し切ってゴールしたい」と中村。ここぞというときに“外す”ことのない勝負強さが、大一番で発揮されるはずだ。
服部も順調にはいかなかった。昨年12月の福岡国際マラソンは欠場。全日本実業団駅伝以降はレースから遠ざかり、5月5日のテストイベントとなった北海道・札幌チャレンハーフマラソンで久々のレース(1時間02分59秒)。それ以降は菅平でトレーニングを積んできた。
「普段のマラソンよりも急ピッチ作った感じ。冬のマラソンよりもペースが少し落ちると思うので、3分20~30秒くらいで押していけるようにしてきた。5月よりはかなり良い状態で臨めると思います」
最後の1ヵ月は、弟の弾馬(トーエネック)とともに練習してきたといい、「一緒に出られなかったのは悔しいですが、思いを引き継ぐことができた」。
ここまでの2年は「ものすごく長かった」が、「代表としての自覚、覚悟はついた。精神面で成長できたと思う」と服部。最終日に行われるということもあり、「プレッシャーも感じている」と打ち明ける。それは、「結果を出したい」から。
「これまでやってきたこと発揮したい。100%の力を出して悔いの残らないように走って行きたいです」
東洋大出身らしく、札幌でも目の前の1秒を削り出す走りで、一つでも上の順位を目指す。
男子マラソンは2012年ロンドン五輪の中本健太郎が6位入賞しているが、メダルとなると1992年バルセロナ大会の森下広一から届いていない。この時は3人が入賞。強い男子マラソン復権へ。8月8日、午前7時。いざ、勝負の時――。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.16
お詫びと訂正(月刊陸上競技2025年8月号付録)
2025.07.16
箱根駅伝総合優勝杯を箱根駅伝ミュージアムに寄託 7月19日より常設展示へ
2025.07.16
クレイ・アーロン竜波が800m2位 郡菜々佳は55m92の6位/WAコンチネンタルツアー
-
2025.07.15
-
2025.07.12
2025.06.17
2025中学最新ランキング【男子】
-
2025.06.17
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.16
お詫びと訂正(月刊陸上競技2025年8月号付録)
月刊陸上競技2025年8月号別冊付録、広島インターハイ完全ガイドの内容に一部誤りがございました。 14ページに掲載した佐藤克樹選手の所属が「新潟明訓3」となっていますが、正しくは「東京学館新潟3」でした。佐藤選手ご本人、 […]
2025.07.16
箱根駅伝総合優勝杯を箱根駅伝ミュージアムに寄託 7月19日より常設展示へ
一般社団法人関東学生陸上競技連盟は第100回大会まで使用していた箱根駅伝の総合優勝杯を箱根駅伝ミュージアムに寄託することを決め、7月16日に寄託式が行われた。 総合優勝杯は第80回大会を記念して製作されたもので、高さ53 […]
2025.07.16
クレイ・アーロン竜波が800m2位 郡菜々佳は55m92の6位/WAコンチネンタルツアー
7月15日、カナダ・バンクーバー郊外で世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズのハリー・ジェローム・クラシックが行われ、男子800mでクレイ・アーロン竜波(ペンシルベニア州立大)が1分46秒75で2位と健闘した。 […]
2025.07.16
桐生祥秀10秒21 小池祐貴10秒26 やり投・上田百寧は56m94の5位/WAコンチネンタルツアー
7月15日、イタリア・ブレシアで、世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズのブレシアGPが行われ、男子100mのBレースに出場した桐生祥秀(日本生命)が10秒21をマークした。 桐生は7月5日の日本選手権で優勝後、 […]
2025.07.16
安川電機陸上部 創部50年の節目にO2Room®を導入、2030年のニューイヤー駅伝で〝優勝〟を目指す!!
「世界大会で活躍できる選手を育てていきたい」(中本監督) 昨年、創部50周年を迎えた安川電機陸上部が面白い。男子マラソンでロンドン五輪6位、モスクワ世界選手権5位のキャリアを持つ中本健太郎が2023年3月に監督に就任。ニ […]
Latest Issue
最新号

2025年8月号 (7月14日発売)
詳報!日本選手権
IH地区大会