2026.01.03
◇第102回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)
第102回箱根駅伝の往路が行われ、青学大が5時間18分08秒で往路優勝を飾った。
各校のエースが集い、“花の2区”とも呼ばれる区間で日本人最上位となる1時間5分47秒で区間4位を占めたのが、早大の山口智規(4年)だった。前回の吉田響(創価大/現・サンベルクス)、黒田朝日(青学大4)に次ぐ日本人歴代3位の好記録。自らが2年時にマークした大学記録も更新し、7位から4人抜きを果たし駅伝主将としての役割を果たした。
「1時間5分台は出ると思っていました。しかし、高速化が進む中で、どこまで4分台に近づけられるかというレースでした」
鶴見中継所から城西大のヴィクター・キムタイ(4年)とほぼ同時にスタートし、しばらく並走。5kmは14分19秒で通過する。前回の13分49秒と比較すればかなり抑えたスタートに見えるが、それもプラン通りだった。「前回の失敗が絶対に生きるだろうという自信がありました」。前回は前半のオーバーペースがたたり、1時間7分1秒で区間12位、順位も7つ下げる失敗レース。同じことを繰り返すわけにはいかなかった。
「権太坂を終えるまでの余裕度がポイントだと思っていました。キムタイ選手の力も借りて進むことができてよかったです」と、2人で順位を上げ、12㎞の保土ヶ谷橋交差点を過ぎて國學院大・上原琉翔(4年)を捉え2位に浮上する。
キムタイには権太坂の下り坂で突き放されたものの、ペースは崩さず。戸塚中継所手前の急坂で前を走っていた中大の溜池一太(4年)に迫り、2秒差の3位で3区山口峻平(2年)にタスキを渡した。
「箱根駅伝は成長するために必要なものでした。競技者としても人としても成長するために必要なものでした」
福島・学法石川高から5000m高校歴代3位(当時)の13分35秒16の記録を引っ提げて入学。1年目は箱根に出場できなかったが、2年時の2区で渡辺康幸(現・住友電工監督)が持つ大学記録を29年ぶりに更新した。
花田勝彦駅伝監督が掲げて来た『圧倒的な個』の育成。その象徴としてチームの先頭に立ってきたのが山口だ。最終学年は駅伝主将として、トラックシーズンから大活躍。6月の日本インカレでは1500mと5000mの2冠を達成すると、7月の日本選手権1500mでは学生歴代5位となる3分38秒16で2位。翌週のホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会では、5000mで学生歴代7位となる13分16秒56を叩き出した。
「何をしてきたのかと聞かれると、自信を持って答えられるものはありませんが、みんなが慕ってくれて、僕を男にしたいと言ってくれるようなチームにいて、報われたと思います」
母校の学法石川高は12月の全国高校駅伝で初優勝。1区(10km)で日本人歴代最高記録となる28分20秒をマークした増子陽太(3年)は、4月に早大へ入学する。「増子が『僕がいるから早稲田に行きたい』と言ってくれて、情けない走りはできないとも思っていました。後輩たちの走りがモチベーションになっていました」と、先輩としての矜持も示した。
卒業後は世界の舞台への飛躍を目指す山口。「まずは五輪の標準を切れる選手になりたい。その上で、勝負強さを身につけ、世界大会でも置いていかれない選手になりたい。ロス五輪の決勝の舞台に立てるような存在を目指します」。
臙脂のエースから日の丸のエースへ。誓いを新たにした。
文/荒井寛太
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