◇日本選手権(6月24日~27日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
東京五輪代表選考会となる第105回日本選手権の1日目が行われた。男子走高跳は戸邉直人(JAL)が2年ぶり4度目の優勝を果たした。
日本記録(2m35)を持つ戸邉。「体調も良かった」と言う戸邉は、2m15から試技をスタートして1回目でクリアした。続く2m20は2回目だったが、2m24も1回で跳んだ。2m27には戸邉、前回王者の真野友博(九電工)、リオ五輪代表の衛藤昂(味の素AGF)ら5人が挑戦。これを戸邉と真野がともに2回目に跳んだ。一騎打ちとなった2m30を戸邉が3回目に成功させて勝負を決した。
戸邉は東京五輪参加標準記録の2m33にバーを上げたが、これはクリアならず。それでも2年ぶり4度目の頂点に立ち、参加標準記録は突破していないもののワールドランキングでターゲットナンバー(出場枠)32の圏内(昨日時点19位)にいるため、自身初のオリンピック代表を大きくたぐり寄せたと言える。
だが、戸邉は「優勝はもちろんですが、東京五輪の参加標準記録2m33を跳べなかったのは残念だった」と即時内定をできず悔しさを露わにする。2m30の3回目は「舞っていた風をしっかり見て丁寧に跳ぶことを心掛けた」とさすがの調整力を見せた。
「オリンピックを見据えて試合を絞ってきて、優勝できて(代表を)ほぼ決められた状態だと思うので良かった。本番に向けて状態を上げていきたい」と戸邉。「メダル獲得」という大きな目標に向かってまずはテイクオフに成功した。
2位に敗れた真野は「今季の中では調整ができた」と語る。参加標準記録にも届かず、ワールドランキングでも圏外となっているため代表入りは難しい状況。昨年2m31を跳んでいただけに「大一番に合わせられなかった」と振り返った。
3位の衛藤は「2m27の途中で脚をつってしまってすっきりしない試合になった」と振り返る。東京五輪シーズンで一線を退く決意をしている衛藤。ワールドランキングでは圏内で代表入りに近づき、最後の大舞台に向けてしっかり仕上げていく。
◇女子走幅跳は秦が6m40でV 男女円盤投はいずれも連覇
女子走幅跳は秦澄美鈴(シバタ工業)が5回目に6m40(-1.3)を跳んで優勝。6回目のファウル以外はすべて6mを跳ぶなど、風が変わるコンディションの中でも安定していた。だが、「優勝という目標に加えて東京五輪の参加標準記録(6m82)を狙っていたので記録的には不本意」と語るが、「今日の全力は尽くせたので悔いはありません」と振り返った。連覇を狙った高良彩花(筑波大)が6m30(-1.0)で2位。
男子円盤投は1回目に59m29を投げた堤雄司(ALSOK群馬)がそのまま逃げ切って優勝。3年連続8度目の日本一を手にした。女子円盤投は齋藤真希(東女体大)が2年連続3度目のV。初日で東京五輪代表に内定した選手はいなかった。
■日本選手権1日目の優勝者
男子
5000m 遠藤日向(住友電工)13分28秒67
走高跳 戸邉直人(JAL)2m30
円盤投 堤 雄司(ALSOK群馬) 59m29
女子
走幅跳 秦澄美鈴(シバタ工業)6m40(-1.3)
円盤投 齋藤真希(東女体大)52m89
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.09.11
編集部コラム「パリは燃えているか」
2024.09.11
東日本女子駅伝が今年の第39回大会をもって終了 多くの長距離ランナーを輩出
-
2024.09.11
-
2024.09.09
-
2024.09.06
-
2024.09.08
2024.08.20
BROOKSの新作ランニングシューズ「Ghost MAX 2」が9月3日より発売開始!
2024.08.13
やり投金メダル・北口榛花がチェコに凱旋! 住民から熱烈な歓迎で出迎えられる
-
2024.08.30
-
2024.08.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.09.11
DLファイナルに「ジェシー・オーエンス・ライジング・スター賞」創設 23歳以下の若手優秀選手男女各1名を表彰
ダイヤモンドリーグの大会事務局は9月10日、今年のダイヤモンドリーグ・ファイナル(9月13~14日)から若手優秀選手に贈られる新たな賞「ジェシー・オーエンス・ライジング・スター賞」を創設したことを発表した。 対象は23歳 […]
2024.09.11
編集部コラム「パリは燃えているか」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2024.09.11
東日本女子駅伝が今年の第39回大会をもって終了 多くの長距離ランナーを輩出
東日本女子駅伝の主催者は9月11日、今年の第39回大会を最後に大会を終了することを発表した。 同大会は1983年から都道府県対抗女子駅伝が始まったことを受け、1984年11月に第1回東北・北海道女子駅伝がスタート。翌年か […]
2024.09.11
サンベルクス退社の大津顕杜が中央発條に加入 「納得のいく陸上人生を歩みたい」
中央発條は9月10日、大津顕杜が新たに加入したことを発表した。 大津は1991年生まれの32歳。熊本・千原台高から東洋大に進み、14年の箱根駅伝では大会MVPに贈られる金栗四三賞にも選出された。 大学卒業後はトヨタ自動車 […]
2024.09.11
福岡国際マラソン申込者の氏名や住所など個人情報漏洩 主催の実行委員会が「深くお詫び」と謝罪
福岡国際マラソン実行委員会(日本陸連、福岡陸協、福岡県で構成)は9月11日、福岡国際マラソン2024(12月1日開催)への申込者の個人情報が漏洩したと発表した。同実行委員会は「本大会にお申し込みいただいた皆様及び関係の皆 […]
Latest Issue 最新号
2024年9月号 (8月9日発売)
速報 パリ五輪
大盛況 福岡IH
久保凛 日本新特集!