日本体育大学陸上競技部の創部100周年記念式典が3月7日、日体大健志台キャンパスの米本記念体育館にて、卒業生やその家族、来賓、招待を含め約600人が出席して盛大に開催された。
会の後半では、日本のトップで活躍する現役卒業生5人によるトークショーが実施された。
登壇したのは昨年緒東京世界選手権女子3000m障害代表の齋藤みう(パナソニック)、22年、23年世界選手権代表の女子短距離・君嶋愛梨沙(土木管理総合)、男子マラソンで日本歴代3位の2時間5分12秒を持つ池田耀平(花王)、パリ五輪女子マラソン補欠で今季限りで現役を引退する細田あい(エディオン)、日体大大学院所属でパリ・パラリンピック男子400m(視覚障害/T13)銀メダルの福永凌太。大学時代の思い出や、現在の考え方など、出席者だけでなく現役学生たちもその言葉に耳を傾けた。
400mと走幅跳に取り組んでいた福永は、種目を選んだ理由を「世界一になるため」ときっぱり。その言葉通り、23年の世界パラ選手権400mで金メダルを獲得し、「有言実行できました」と胸を張る。
齋藤は3000m障害を始めたきっかけを「高校の先輩の走りを見て、私もこうやって感動を与えられる選手になりたいと思ったこと」と話し、池田も4年時の箱根駅伝2区区間賞の実績を引っさげて実業団入りした時に、「マラソンが一番世界に挑戦できる種目」と考え、2年目からマラソンに挑戦したと明かした。
「競技で大切にしていたこと」という質問に対して、細田は「トレーニングでも、補強など自分が決めたことを地道にコツコツ続ける」ことと、「人とのつながり」を挙げる。現役ラストランだった3月1日の東京マラソンでは「たくさんの人が応援に来てくれたり、沿道でもたくさんの声をかけていただいた。本当に人に恵まれて競技をやってきたと感じました」と振り返った。
君嶋は「いろいろなことに挑戦すること」と「自分を知ること」。30歳を迎え、「年齢を重ねると挑戦することに不安が出たり、難しくなる。新しいことに挑戦することによって、いいことがたくさんある」と言う。
また、細田はパリ五輪を目指す過程で思うように走れなかった時期に「1回、落ち込んだほうがいい」と言われたエピソードを紹介した。
「自分の気持ちに従って、落ち込んでみる。そうすると、『もういいや』って思える瞬間があって、次に向けてスタートで切ることが多かった、本当に苦しい時は周りにも『苦しい』と伝えたり、自分自身もその気持ちを認めることがすごく大事です」
モチベーションに関する話題では、池田は「保とうとするのではなく、『こうなりたい』と思ったときに湧き出てくるもの。そのために、自分がやらないといけないことを定め、目標に向かって一つひとつつぶして近づいていくことを大事にしています」。福永も同意見で、「小さな目標から自分のなりたい姿を常に描き、結果を出していく」ことを大事にしているという。
このほかリラックス法や、先輩たちへのあいさつなど今だから話せるような学生時代のエピソードを紹介。最後は26年シーズンに向けて、それぞれが抱負を述べた。
齋藤は「アジア大会でメダルを獲得すること」と力強く語り、大学院を修了してセレスポに入社する福永も「アジア・パラで出場する種目すべてで優勝すること」と話した。
池田はケガの影響で25年は「リハビリのような1年になった」と振り返り、「まずは基礎構築であったり、トラックからやり直して、秋のマラソンでもう一度最前線に戻れるようにしたい」と話す。
君嶋は「まずは100mの日本記録(11秒21)を更新すること」と、2年後のロサンゼルス五輪をしっかり見据える1年とする。そして、「100mの10秒台」を掲げて引き続き挑んでいくという。
細田は引退後も社に残り、陸上競技部のランニングライフアドバイザーに就く予定だという。「指導というよりは陸上教室など、子供たちに陸上の楽しさを教えたり、違う形で陸上を見ることができればと思っています」と話した。
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