2026.01.01
◇第70回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝/1月1日、群馬県庁発着・7区間100km)
第70回記念のニューイヤー駅伝が行われ、GMOインターネットグループが4時間44分00秒の大会新記録で初優勝を飾った。
「No.1」を掲げて2016年に創部。その10年目、7年連続7回目の出場でつかんだ頂点に、出場メンバー最年長の吉田祐也は「非常にうれしいです」と誇らしげに振り返った。
2区でトップに立ち、3区以降は一度もその座を譲らない盤石の継走。それは、チームとしての想定を大きく上回るものだった。伊藤公一監督は「ライバルチームを考えると前半は30秒以内の差で抑えたい」と、後半勝負を見据えていたことを明かす。
だが、2年連続1区の吉田は9位ながら8秒差と「秒差でつなぐことができた」と、上々のスタートを切る。
2区の今江勇人は「非常にいい位置で渡してくれたので、自分がトップに立つことがチームの一番の役に立つ」。22人抜きの激走で猛追してきたサンベルクス・吉田響、ロジスティード・平林清澄のルーキーコンビを終盤に突き放し、言葉通りに2年連続トップ中継を果たした。
そして、3区の鈴木塁人が独走態勢に持ち込む。「優勝のためには僕がキーマン」と覚悟を決め、序盤からハイペースで飛ばす。終盤も耐え、2位のロジスティードに35秒差。完全に流れをつかんだ。
4区以降もトップの座を守るのではなく、攻めの走りを貫いた。3区のマイケル・テモイは区間2位の走りで2位との差を59秒に拡大。そして5区・太田蒼生、6区・嶋津雄大の連続区間新で優勝を決定づけた。
太田は「後ろでタスキをもらうことを想定していた」という。だが、3区終了時で「絶対に前で来る」と切り替え、「このままの流れで、1秒でも早くつないで優勝を確実にする」と臨んだという。嶋津も、「太田が(タスキ)もってきてくれた顔を見て、やるしかないという気持ちになりました」。
そんな先輩、同期からトップでタスキを受けたアンカーの鶴川正也は、フィニッシュ前でチーム名の「GMO」と書かれた胸を両手で叩き、右手人差し指を突き上げてフィニッシュテープを切った。「初優勝のテープが切れてうれしい」。代表取締役グループ代表の熊谷正寿氏らの胸に飛び込むと、テレビカメラに向かって再び「1」をアピールした。
区間賞を獲得した太田や嶋津が、テレビのインタビューで「No.1」と声をそろえた。それは、GMOインターネットグループが会社として掲げる目標であり、陸上部も会社からその期待を常にかけられている。チーム設立のきっかけを作った青学大の原晋監督をEKIDENダイレクターに据え、東京五輪男子マラソン6位入賞の大迫傑が22年にプレイング・ダイレクターになったことも、頂点を目指してのもの。
その過程で、昨年度にコーチから昇格した伊藤監督は、「どのチームも同じこと。特別な重圧はありません」。各チームが大企業の名を背負い、その名に恥じぬ走りを見せるのがこの駅伝。それを理解しているからこそ、選手たちも自分たちの力を出し切ることに注力し、それをやり遂げた。
28歳の吉田がチームで2番目の年長者と、若いチーム。名門たちを圧倒した強さは、今後のニューイヤー駅伝をリードするのでは、という予感を漂わせるものだった。
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