HOME 国内、大学

2025.07.04

フライング失格の栁田大輝は涙「どこかふわふわしてしまったかも」絶好調で迎えるも無念/日本選手権
フライング失格の栁田大輝は涙「どこかふわふわしてしまったかも」絶好調で迎えるも無念/日本選手権

フライングにより失格宣告を受けた栁田大輝

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 1日目

東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子100m予選6組に入った栁田大輝(東洋大)は不正スタートにより失格となった。

今季、日本リストトップの10秒06を持ち、アジア選手権も連覇。「これで勝てなかったら100mをやらないほうがいいんじゃないか、くらいの練習を積んできた」と絶好調で迎えたという。

広告の下にコンテンツが続きます

前日の公式練習でもスターターのタイミングを入念に確認し、「オリンピックトライアルの昨年(3位)は不安でしたが、今回はどれだけ速く走れるかワクワクしていた」とスタートラインに立った。

だが、「それが裏目に出た。テンションが上がって、冷静になれずどこかふわふわし過ぎてしまったかもしれません……」。身体が動いたことは自分でもわかったようで「頭が真っ白になった」と言う。

「家族や先生、トレーナーのみなさんが僕のために時間を割いてくれた。僕1人で走っているわけではない。走り、結果で恩返しできなかった」。そう言うと涙がこらえきれなくなった。同期の成島陽紀から「今は悔しがればいい。お前はこんなところで終わるはずじゃないだろ」と声をかけられた栁田。

まだ、東京世界選手権の出場権獲得条件を得ているのは、現段階で参加標準記録突破のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)と、ワールドランキングで出場枠内にいる栁田のみ。今後の他選手の動向次第では可能性が残る。

「すぐに切り替えるのは難しいですが、いつかは元気に走れると思う。徐々に次のレースに向けてやっていきたい」

パリ五輪の個人代表を逃した悔しさをバネに1年かけて成長してきた栁田。日本の男子短距離の次世代を担う男が、ここで立ち止まるとは誰も思っていない。苦難を乗り越えた先に、もっと強く、もっと速くなる姿がある。

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 1日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子100m予選6組に入った栁田大輝(東洋大)は不正スタートにより失格となった。 今季、日本リストトップの10秒06を持ち、アジア選手権も連覇。「これで勝てなかったら100mをやらないほうがいいんじゃないか、くらいの練習を積んできた」と絶好調で迎えたという。 前日の公式練習でもスターターのタイミングを入念に確認し、「オリンピックトライアルの昨年(3位)は不安でしたが、今回はどれだけ速く走れるかワクワクしていた」とスタートラインに立った。 だが、「それが裏目に出た。テンションが上がって、冷静になれずどこかふわふわし過ぎてしまったかもしれません……」。身体が動いたことは自分でもわかったようで「頭が真っ白になった」と言う。 「家族や先生、トレーナーのみなさんが僕のために時間を割いてくれた。僕1人で走っているわけではない。走り、結果で恩返しできなかった」。そう言うと涙がこらえきれなくなった。同期の成島陽紀から「今は悔しがればいい。お前はこんなところで終わるはずじゃないだろ」と声をかけられた栁田。 まだ、東京世界選手権の出場権獲得条件を得ているのは、現段階で参加標準記録突破のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)と、ワールドランキングで出場枠内にいる栁田のみ。今後の他選手の動向次第では可能性が残る。 「すぐに切り替えるのは難しいですが、いつかは元気に走れると思う。徐々に次のレースに向けてやっていきたい」 パリ五輪の個人代表を逃した悔しさをバネに1年かけて成長してきた栁田。日本の男子短距離の次世代を担う男が、ここで立ち止まるとは誰も思っていない。苦難を乗り越えた先に、もっと強く、もっと速くなる姿がある。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.26

【学生長距離Close-upインタビュー】全日本大学駅伝1区区間賞の志學館大・中村晃斗 「結果にこだわっていきたい」

学生長距離Close-upインタビュー 中村 晃斗 Nakamura Akito 志學館大3年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。54回目は、志 […]

NEWS 熊本信愛女学院高の元監督・山口和也さん死去 五輪1万m7位・川上優子さん、世界陸上マラソン4位・飛瀬貴子さんらを指導

2025.11.26

熊本信愛女学院高の元監督・山口和也さん死去 五輪1万m7位・川上優子さん、世界陸上マラソン4位・飛瀬貴子さんらを指導

熊本信愛女学院高(熊本)の元陸上競技部監督で、長年多くのランナーを育てた山口和也さんが11月23日、病気のため亡くなった。71歳。 1980年に同校に赴任した山口さん。当時の日本女子長距離は黎明期であったが、山口さんは高 […]

NEWS 世界クロカンU20代表選考会エントリー確定 インターハイ&国スポV新妻遼己や本田桜二郎ら 女子は細見芽生、真柴愛里

2025.11.26

世界クロカンU20代表選考会エントリー確定 インターハイ&国スポV新妻遼己や本田桜二郎ら 女子は細見芽生、真柴愛里

日本陸連は11月26日、第46回世界クロスカントリー選手権(2026年1月10日/米国・タラハシー)の男女U20日本代表代表選考会(11月30日/京都)の確定エントリーリストを発表した。 男子は当初エントリーしていた24 […]

NEWS パリ五輪4×400mR金のウィルソンが地元のメリーランド大に進学決定

2025.11.26

パリ五輪4×400mR金のウィルソンが地元のメリーランド大に進学決定

男子短距離のQ.ウィルソン(米国)がメリーランド大へ入学することが発表された。 ウィルソンは2008年生まれの17歳。23年ごろから400mで頭角を現し、同年の米国室内選手権で優勝するなど注目を浴びた。今年6月には400 […]

NEWS 男子3000m障害・ジャガーが現役引退 リオ五輪銀、ロンドン世界陸上銅など活躍 「別れの時が来た」

2025.11.26

男子3000m障害・ジャガーが現役引退 リオ五輪銀、ロンドン世界陸上銅など活躍 「別れの時が来た」

2016年リオ五輪の男子3000m障害で銀メダルに輝いたE.ジャガー(米国)が引退を表明した。 ジャガーは35歳。ジュニア時代には中長距離でU20世界選手権1500m7位などの成績を収め、シニアでは3000m障害で世界的 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top