◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 1日目
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子100m予選6組に入った栁田大輝(東洋大)は不正スタートにより失格となった。
今季、日本リストトップの10秒06を持ち、アジア選手権も連覇。「これで勝てなかったら100mをやらないほうがいいんじゃないか、くらいの練習を積んできた」と絶好調で迎えたという。
前日の公式練習でもスターターのタイミングを入念に確認し、「オリンピックトライアルの昨年(3位)は不安でしたが、今回はどれだけ速く走れるかワクワクしていた」とスタートラインに立った。
だが、「それが裏目に出た。テンションが上がって、冷静になれずどこかふわふわし過ぎてしまったかもしれません……」。身体が動いたことは自分でもわかったようで「頭が真っ白になった」と言う。
「家族や先生、トレーナーのみなさんが僕のために時間を割いてくれた。僕1人で走っているわけではない。走り、結果で恩返しできなかった」。そう言うと涙がこらえきれなくなった。同期の成島陽紀から「今は悔しがればいい。お前はこんなところで終わるはずじゃないだろ」と声をかけられた栁田。
まだ、東京世界選手権の出場権獲得条件を得ているのは、現段階で参加標準記録突破のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)と、ワールドランキングで出場枠内にいる栁田のみ。今後の他選手の動向次第では可能性が残る。
「すぐに切り替えるのは難しいですが、いつかは元気に走れると思う。徐々に次のレースに向けてやっていきたい」
パリ五輪の個人代表を逃した悔しさをバネに1年かけて成長してきた栁田。日本の男子短距離の次世代を担う男が、ここで立ち止まるとは誰も思っていない。苦難を乗り越えた先に、もっと強く、もっと速くなる姿がある。
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