◇吉岡隆徳記念出雲陸上(4月12日、13日/島根・浜山公園陸上競技場)2日目
実力者ひしめく男子100mを制したのは大学4年生の愛宕類(東海大)だった。パリ五輪代表選手をはじめ代表経験者を抑えての勝利に大会のMVPにも輝いた。
近年稀に見る荒れた天候により午前の競技が中止。男子100mも予選がキャンセルとなり、タイムレース決勝へと変更。さらに風速の関係からホームストレートを逆走する形式で行われた。
そんなコンディションのなか、風も味方に10秒16(+4.5)をマークした愛宕。今シーズンはすでに数本のレースをこなしていて、「皆さんが初レースの中、自分はレース感が出来上がっていると思います」と謙虚に話す。
福井・敦賀高時代にインターハイ100mで3位。昨年の日本インカレでは、決勝に残るも「レースになっていなかった」と7位に終わり辛酸を舐めた。スタート3歩目あたりでつまずき、得意の後半に繋がらないレースが多かった。その反省から冬はスタートの強化に重点を置いた。その一環として腸腰筋と臀部の筋肉を強化するウェイトトレーニングに力を入れた。
早速、その成果が出たのが今年の2月2日大阪室内陸上の60m。3位に入り感触を掴んだ。さらに1週間前の四大学対校では10秒13(+3.5)をマークしている。
今大会も事前に「スタートで力まず、少し高めでリラックスして行こう」と髙野進コーチと確認。スタート名人の坂井隆一郎(大阪ガス)と僅差で後半に差し掛かった。フィニッシュ手前で坂井が失速。それでも「並んでいても最後は差し切る自信があった」と言うほど乗っていたレースだった。フィニッシュラインが見えにくかったこともあり、「いつの間にか勝っちゃったという感じ」だったらしい。
追い風参考記録ながらも「10秒1台を出せたことで、今後のレースプランが決まった」と今年の好調が確信につながった。周りは世界選手権に向けての抱負を急ぐが、本人は「まずは学生日本一、その次はユニバ(ユニバーシティゲームズ)で日の丸をつけること」と目標設定は一歩ずつ。勝ち方を知った愛宕の今後のレースが見ものだ。
文/多々納健一
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.30
日本陸連、暑熱下の大会「危険な状況回避して」来年の全中、インターハイは予定変更できず
-
2025.10.30
-
2025.10.29
-
2025.10.29
-
2025.10.26
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望