HOME 国内

2024.11.09

サニブラウンが渡米「今季の経験を次につなげるのが大事」精力的なオフに込めた陸上競技への思い
サニブラウンが渡米「今季の経験を次につなげるのが大事」精力的なオフに込めた陸上競技への思い

サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)

男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が拠点とする米国へ戻る前に報道陣の取材に応じた。

2024年シーズンはパリ五輪に出場し、100mでは準決勝にとどまったものの9秒96と5年ぶりに自己記録を更新した。4×100mリレーでも5位入賞。ダイヤモンドリーグ・ファイナルにも初めて進んだ。

「比較的、悪くないシーズンでした。一応、ベストも更新したので及第点」と振り返りつつ、「悔しい気持ちが一番。求めるものはもっと高いので点数にすると40、50くらい」と語る。

広告の下にコンテンツが続きます

オフはこれまでになく積極的だった。母校訪問はもちろん、バラエティー番組や情報番組などにもテレビ出演。さらに、自ら手がけた中高生向けの競技会「DAWN GAMES」も初めて開催にこぎつけた。

そこには、来年に控える東京世界選手権、そして陸上競技への思いがある。

「東京世界陸上のアンバサダーに選んでいただいて、いつもとは違う濃いオフ。陸上を好きになってもらうのはもちろん、スポーツが楽しい、身体を動かすのが好き、と感じてもらいたい」

ファンや子どもたちとも触れ合い、「普段はなかなかない機会。いつも見てくれている人とつながることで、深い関係になったり、ストーリー性が生まれる。喜んでもらえて、自分が元気をもらいました」。

盟友の橋岡優輝(富士通)や北口榛花(JAL)らとも食事の場で、「どうやって盛り上げていくか」と話題に。さらには「東京世界陸上で終わらず、その先、陸上競技をどうしていくか。サッカーや野球のように地域で応援できるスポーツにしていかないといけない」と思いを巡らせている。

世界選手権を盛り上げるため、「海外にいる間はSNSなどを使いたい。もちろん、競技で結果を出すのが一番。メディアのみなさんも一緒に盛り上げていければ」と語る。

すでに米国では、所属するタンブルウィードTCで冬季トレーニングがスタートしている。書類の関係で少し遅れての合流となるようで、強化プランなどは「これから結果を分析して、感覚とすり合わせて決めていきたい」とした。

長く信頼関係を築いてきたレイナ・レイダー・コーチとは「家に遊びに行くくらい深い」といい、競技面でもイメージは共有できている。「競技に対する理解度も上がってきています。ビジョンを描いて逆算して組み立ててくれるので、コーチの想定以上をどうできるかを考えています」。

世界選手権には23年のブダペストまで5大会で代表入り。来年3月で26歳になる。「世界リレーでは最年長になってびっくり」と笑い、「これまで先輩たから学んで人としても成長できました。これからは若い選手たちにどう伝えていけるかが大事」と頼もしい。

ロサンゼルス五輪に向けて、スプリンターとして充実期を迎える年代となり、「オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない。30歳手前でいい年齢になるここからどう作っていき、結果を出すか」。

もちろん、東京世界選手権でも、これまで通り「やるからには世界一」が目標。「成功と失敗を経てどう学べるかが大事。今シーズンの経験を次につなげて生かしていきたい」と力を込めた。

男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が拠点とする米国へ戻る前に報道陣の取材に応じた。 2024年シーズンはパリ五輪に出場し、100mでは準決勝にとどまったものの9秒96と5年ぶりに自己記録を更新した。4×100mリレーでも5位入賞。ダイヤモンドリーグ・ファイナルにも初めて進んだ。 「比較的、悪くないシーズンでした。一応、ベストも更新したので及第点」と振り返りつつ、「悔しい気持ちが一番。求めるものはもっと高いので点数にすると40、50くらい」と語る。 オフはこれまでになく積極的だった。母校訪問はもちろん、バラエティー番組や情報番組などにもテレビ出演。さらに、自ら手がけた中高生向けの競技会「DAWN GAMES」も初めて開催にこぎつけた。 そこには、来年に控える東京世界選手権、そして陸上競技への思いがある。 「東京世界陸上のアンバサダーに選んでいただいて、いつもとは違う濃いオフ。陸上を好きになってもらうのはもちろん、スポーツが楽しい、身体を動かすのが好き、と感じてもらいたい」 ファンや子どもたちとも触れ合い、「普段はなかなかない機会。いつも見てくれている人とつながることで、深い関係になったり、ストーリー性が生まれる。喜んでもらえて、自分が元気をもらいました」。 盟友の橋岡優輝(富士通)や北口榛花(JAL)らとも食事の場で、「どうやって盛り上げていくか」と話題に。さらには「東京世界陸上で終わらず、その先、陸上競技をどうしていくか。サッカーや野球のように地域で応援できるスポーツにしていかないといけない」と思いを巡らせている。 世界選手権を盛り上げるため、「海外にいる間はSNSなどを使いたい。もちろん、競技で結果を出すのが一番。メディアのみなさんも一緒に盛り上げていければ」と語る。 すでに米国では、所属するタンブルウィードTCで冬季トレーニングがスタートしている。書類の関係で少し遅れての合流となるようで、強化プランなどは「これから結果を分析して、感覚とすり合わせて決めていきたい」とした。 長く信頼関係を築いてきたレイナ・レイダー・コーチとは「家に遊びに行くくらい深い」といい、競技面でもイメージは共有できている。「競技に対する理解度も上がってきています。ビジョンを描いて逆算して組み立ててくれるので、コーチの想定以上をどうできるかを考えています」。 世界選手権には23年のブダペストまで5大会で代表入り。来年3月で26歳になる。「世界リレーでは最年長になってびっくり」と笑い、「これまで先輩たから学んで人としても成長できました。これからは若い選手たちにどう伝えていけるかが大事」と頼もしい。 ロサンゼルス五輪に向けて、スプリンターとして充実期を迎える年代となり、「オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない。30歳手前でいい年齢になるここからどう作っていき、結果を出すか」。 もちろん、東京世界選手権でも、これまで通り「やるからには世界一」が目標。「成功と失敗を経てどう学べるかが大事。今シーズンの経験を次につなげて生かしていきたい」と力を込めた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.05

ナイキから高いサポート性に優れたランニングシューズ「ナイキ ストラクチャー プラス」が登場!

ナイキは、快適さと楽しさを併せ持ったスタビリティシューズであるナイキ ストラクチャー プラスを発売することを発表した。 ナイキではロードランニングシューズをシンプルな3つのカテゴリー(ペガサス、ボメロ、ストラクチャー)に […]

NEWS パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」

2025.12.04

パリ五輪競歩代表・濱西諒がサンベルクス退社 「再び日の丸を背負って戦うために」

24年パリ五輪男子20km競歩代表の濱西諒が12月1日に自身のSNSを更新し、所属していたサンベルクスを11月末で退社したことを発表した。 濱西は大阪府出身で、履正社高から競歩に取り組み、国体優勝など早くから頭角を現した […]

NEWS 飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催

2025.12.04

飯塚翔太がラオスで陸上競技指導 「飯塚翔太リレーカーニバル」も開催

東京世界選手権男子200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が11月30日から12月3日まで、ラオスを訪問。4日にリモートで現地で行った活動について報告会見を行った。 飯塚はJICA(国際協力機構)が進める「スポーツを通じて世界平 […]

NEWS 世界クロカンU20日本代表が決定!新妻遼己、本田桜二郎、宇都宮桃奈ら男女各6名で世界に挑戦

2025.12.04

世界クロカンU20日本代表が決定!新妻遼己、本田桜二郎、宇都宮桃奈ら男女各6名で世界に挑戦

日本陸連は12月4日、米国・タラハシーで開催される世界クロスカントリー選手権(2026年1月10日)のU20日本代表を発表した。 11月30日の京都陸協記録会内で行われた選考会の上位選手を中心に選考され、男子は今季のイン […]

NEWS 世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く

2025.12.04

世界陸連が走幅跳のルール変更を断念 「テイクオフゾーン」提案も選手からの反発強く

世界陸連(WA)が検討していた走幅跳のルール変更案について、選手からの反発などを受けて撤回されたことを英ガーディアン紙が報じた。 走幅跳では、20cmの踏み切り板とその先に10cmの粘土板が敷かれ、踏み切り板と粘土板の境 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top