2024.06.27
◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)1日目
パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権の1日目が行われ、男子三段跳は最終6回目に日本歴代12位、学生歴代6位となる16m70(+0.4)をマークした安立雄斗(福岡大院)が初めて日本一に輝いた。
「記録的にはもうひと押しでしたが、これまで2位続きだったので、自己ベストを更新して優勝できたことは素直にうれしいです」と笑顔がこぼれた。
これまでずっと痛みのあった右足首を昨秋に手術。リハビリを経て「痛みもなくなり、安定して練習、助走ができるようになったことが大きい」と話すように、4月の織田記念で16m46(+0.2)の自己ベストを跳んで優勝するなど、春先から好調をアピールしてきた。
調整として挑んだ11日前に行われた日本学生個人選手権でも追い風参考ながら、そのベストを1cm上回る16m47(+2.1)で1位となり、日本選手権制覇に向けて、順調な仕上がりで新潟に乗り込んでいた。
1回目こそ、助走がうまくかみ合わず15m62(-0.8)に終わったが、2回目に16m28(+0.8)を跳びトップへ。「徐々に助走からホップへの抜けがかみ合うようになってきた」と後半に入った4回目に16m52(+0.5)をマーク。「最後は、初優勝を決め、気持ちよく集中して跳ぶことができた」とビッグジャンプにつなげた。
リハビリ中に、これまでの自身の跳躍を一から見直し、「助走はもちろん、雑だった1つひとつの動きや技術の精度を上げるよう意識して取り組んできたことが少しずつ形になってきています」と好調の要因を口にする。
今回、ベストを一気に24cm更新したものの、決して満足していない。今回6位で同学年の伊藤陸(スズキ)が2021年の日本インカレで17m00の日本歴代4位をマーク。「自分も早く17m、そして17m15の日本記録を超えられるよう成長していきたい」ときっぱり。ライバルとともに日本のお家芸を盛り立てていく心構えだ。
文/花木 雫
男子三段跳学生歴代10傑
17.00 1.3 伊藤陸(近大高専S1) 2021. 9.19 16.98 1.5 石川和義(筑波大4) 2004.10.10 16.92 0.3 山下訓史(筑波大) 1985.10. 5 16.87 1.8 山本凌雅(順大4) 2017. 4.29 16.85 -1.1 山下航平(筑波大4) 2016. 5.22 16.70 0.4 安立雄斗(福岡大M2) 2026. 6. 7 16.67 0.6 井上敏明(法大) 1972.10.27 16.67 0.9 渡邉容史(筑波大3) 2001. 5.20 16.66 1.7 安西啓(東海大4) 1991. 6. 1 16.61 1.1 杉林孝法(筑波大3) 1996. 9. 6【動画】男子三段跳・安立雄斗の自己新ジャンプ
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.26
-
2025.11.26
-
2025.11.25
-
2025.11.20
-
2025.11.20
-
2025.11.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.26
熊本信愛女学院高の元監督・山口和也さん死去 五輪1万m7位・川上優子さん、世界陸上マラソン4位・飛瀬貴子さんらを指導
熊本信愛女学院高(熊本)の元陸上競技部監督で、長年多くのランナーを育てた山口和也さんが11月23日、病気のため亡くなった。71歳。 1980年に同校に赴任した山口さん。当時の日本女子長距離は黎明期であったが、山口さんは高 […]
2025.11.26
世界クロカンU20代表選考会エントリー確定 インターハイ&国スポV新妻遼己や本田桜二郎ら 女子は細見芽生、真柴愛里
日本陸連は11月26日、第46回世界クロスカントリー選手権(2026年1月10日/米国・タラハシー)の男女U20日本代表代表選考会(11月30日/京都)の確定エントリーリストを発表した。 男子は当初エントリーしていた24 […]
2025.11.26
パリ五輪4×400mR金のウィルソンが地元のメリーランド大に進学決定
男子短距離のQ.ウィルソン(米国)がメリーランド大へ入学することが発表された。 ウィルソンは2008年生まれの17歳。23年ごろから400mで頭角を現し、同年の米国室内選手権で優勝するなど注目を浴びた。今年6月には400 […]
2025.11.26
男子3000m障害・ジャガーが現役引退 リオ五輪銀、ロンドン世界陸上銅など活躍 「別れの時が来た」
2016年リオ五輪の男子3000m障害で銀メダルに輝いたE.ジャガー(米国)が引退を表明した。 ジャガーは35歳。ジュニア時代には中長距離でU20世界選手権1500m7位などの成績を収め、シニアでは3000m障害で世界的 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025