HOME 国内

2024.03.11

鈴木亜由子が地元で激走!終盤猛追で自己新3位「出し切りました」今後については…/名古屋ウィメンズマラソン
鈴木亜由子が地元で激走!終盤猛追で自己新3位「出し切りました」今後については…/名古屋ウィメンズマラソン

24年名古屋ウィメンズマラソン3位の鈴木亜由子

◇名古屋ウィメンズマラソン(3月10日/バンテリンドーム ナゴヤ前スタート―名古屋市内―バンテリンドーム ナゴヤフィニッシュ)

パリ五輪MGCファイナルチャレンジを兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが行われ、安藤友香(ワコール)が日本人トップの2時間21分18秒で優勝した。

「生半可な気持ちではダメだなと逆に気持ちが固まったというか、やるしかないなという境地になったのが良かったかなと思います」

広告の下にコンテンツが続きます

大会2日前の会見で東京五輪女子マラソン代表の鈴木亜由子(日本郵政グループ)は「攻めの走り」をする決意を語っていた。

大阪国際女子マラソンで前田穂南(天満屋)が2時間18分59秒の日本記録を樹立。パリ五輪を引き寄せるためには、MGCファイナルチャレンジ設定記録(2時間21分41秒)の突破だけでなく、『日本新記録』が必要になったからだ。

「新しい自分を見せられるように頑張りたい」と話していた鈴木は先頭集団でレースを進める。10kmを33分06秒で通過すると、スペシャルドリンクを取れず、ゼネラルの給水も失敗。それでも加世田梨花(ダイハツ)から水のペットボトルを受け取り、中間点を1時間9分57秒で通過した。

「今日は中盤まで余裕を持っていきたかったんですけど、中間点の少し前ぐらいからきつくなりました」と鈴木。25km過ぎに先頭集団から引き離された。

「最後までゴールできるのか。そんな不安もあったんですけど、これまで練習してきたことを信じて走りました」

30kmの通過(1時間39分43秒)では海外勢のトップ集団と40秒差、安藤友香(ワコール)と加世田にも10秒差をつけられるも、鈴木は終盤に強さを発揮する。「とにかく進めるだけでした」と、一歩一歩に力を込めた。

35kmからの5kmを17分08秒で走破して、39km付近で加世田を抜いて3位に浮上。その後も、安藤とユニスチェビチー・チュンバ(バーレーン)の背中に迫っていく。最終的には日本歴代9位となる2時間21分33秒の3位でフィニッシュに飛び込んだ。

地元で見せた激走。「自分を育ててくれましたし、でいつまで経っても童心に戻れて、甘えさせてくれる純粋に頑張れる場所です」という大声援も力に変えた。

「結果にもう少しつなげたかったんですけど、精一杯出し切りました。応援してくれる皆さんがいたから頑張れたと思います」。パリ五輪代表には届かなかったが、その表情は晴れやかだった。

今後については「ちょっと今は考えられない」と明言はしなかったものの、再び“亜由子スマイル”が見られる日を多くの人が待っている。

文/酒井政人

◇名古屋ウィメンズマラソン(3月10日/バンテリンドーム ナゴヤ前スタート―名古屋市内―バンテリンドーム ナゴヤフィニッシュ) パリ五輪MGCファイナルチャレンジを兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが行われ、安藤友香(ワコール)が日本人トップの2時間21分18秒で優勝した。 「生半可な気持ちではダメだなと逆に気持ちが固まったというか、やるしかないなという境地になったのが良かったかなと思います」 大会2日前の会見で東京五輪女子マラソン代表の鈴木亜由子(日本郵政グループ)は「攻めの走り」をする決意を語っていた。 大阪国際女子マラソンで前田穂南(天満屋)が2時間18分59秒の日本記録を樹立。パリ五輪を引き寄せるためには、MGCファイナルチャレンジ設定記録(2時間21分41秒)の突破だけでなく、『日本新記録』が必要になったからだ。 「新しい自分を見せられるように頑張りたい」と話していた鈴木は先頭集団でレースを進める。10kmを33分06秒で通過すると、スペシャルドリンクを取れず、ゼネラルの給水も失敗。それでも加世田梨花(ダイハツ)から水のペットボトルを受け取り、中間点を1時間9分57秒で通過した。 「今日は中盤まで余裕を持っていきたかったんですけど、中間点の少し前ぐらいからきつくなりました」と鈴木。25km過ぎに先頭集団から引き離された。 「最後までゴールできるのか。そんな不安もあったんですけど、これまで練習してきたことを信じて走りました」 30kmの通過(1時間39分43秒)では海外勢のトップ集団と40秒差、安藤友香(ワコール)と加世田にも10秒差をつけられるも、鈴木は終盤に強さを発揮する。「とにかく進めるだけでした」と、一歩一歩に力を込めた。 35kmからの5kmを17分08秒で走破して、39km付近で加世田を抜いて3位に浮上。その後も、安藤とユニスチェビチー・チュンバ(バーレーン)の背中に迫っていく。最終的には日本歴代9位となる2時間21分33秒の3位でフィニッシュに飛び込んだ。 地元で見せた激走。「自分を育ててくれましたし、でいつまで経っても童心に戻れて、甘えさせてくれる純粋に頑張れる場所です」という大声援も力に変えた。 「結果にもう少しつなげたかったんですけど、精一杯出し切りました。応援してくれる皆さんがいたから頑張れたと思います」。パリ五輪代表には届かなかったが、その表情は晴れやかだった。 今後については「ちょっと今は考えられない」と明言はしなかったものの、再び“亜由子スマイル”が見られる日を多くの人が待っている。 文/酒井政人

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.18

甲佐10マイルに東京世界陸上マラソン代表・近藤亮太と小山直城がエントリー! 5000m代表・森凪也、前回覇者・玉目陸も

12月7日に熊本県甲佐町役場前をスタート・フィニッシュとする第50回熊本甲佐10マイルロードレースのエントリー選手が11月18日、発表された。 招待選手は既に発表されていたが、9月の東京世界選手権マラソンで11位に入った […]

NEWS 国内外のレースでトップアスリートたちが好記録を樹⽴! On「Cloudboom Strike」日本長距離界のホープ・篠原倖太朗がその魅力を語る
PR

2025.11.18

国内外のレースでトップアスリートたちが好記録を樹⽴! On「Cloudboom Strike」日本長距離界のホープ・篠原倖太朗がその魅力を語る

スイスのスポーツブランド「On(オン)」が昨夏に発売したマラソンレースに特化したレーシングシューズ「Cloudboom Strike(クラウドブーム ストライク)」の人気が止まらない。 抜群の履き心地、通気性、サポート力 […]

NEWS 中国全国運動会女子100mで16歳・陳妤頡が11秒10!U18世界歴代4位タイ&28年ぶりU20アジア新で大会最年少V

2025.11.18

中国全国運動会女子100mで16歳・陳妤頡が11秒10!U18世界歴代4位タイ&28年ぶりU20アジア新で大会最年少V

中国の総合スポーツ競技会の第15回全国運動会の陸上競技が11月17日、広東省広州市で行われ、女子100mでは16歳の陳妤頡が11秒10(+0.7)でこの種目大会最年少優勝を果たした。この記録はU18世界歴代4位タイ、U2 […]

NEWS クイーンズ駅伝「クマ対応」出没時間によって開催・中止を本部で決定 広瀬川沿い、1区の松島町、利府町内を警戒

2025.11.17

クイーンズ駅伝「クマ対応」出没時間によって開催・中止を本部で決定 広瀬川沿い、1区の松島町、利府町内を警戒

一般社団法人日本実業団陸上競技連合は11月17日、全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城/11月23日)における「クマ対応」を発表した。 頻発するクマによる被害を鑑みての対応。松島町の文化交流館前のスタート地点 […]

NEWS 長谷川体育施設が日本陸連のオフィシャルサポーティングカンパニーに “協働”と“共創”目指す

2025.11.17

長谷川体育施設が日本陸連のオフィシャルサポーティングカンパニーに “協働”と“共創”目指す

日本陸連は11月17日、新たな協賛企業として、スポーツ施設総合建設業の長谷川体育施設(本社・東京都世田谷区/仁ノ平俊和社長)が決定したと発表した。11月からの契約で、カテゴリーとしては「オフィシャルサポーティングカンパニ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top