HOME 学生長距離

2023.12.10

【Playback箱根駅伝】第21回/日大完勝で5度目の栄冠 6区間で区間最高の圧倒的強さ
【Playback箱根駅伝】第21回/日大完勝で5度目の栄冠 6区間で区間最高の圧倒的強さ

第21回箱根駅伝・スタートする1区の選手たち

第21回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績
1位 日大  13時間12分27秒
2位 東京文理科大 13時間44分26秒
3位 中大  13時間56分35秒
4位 専大  14時間06分51秒
5位 東洋大 14時間21分42秒
6位 法大  14時間36分28秒
7位 横浜専門 14時間41分28秒
8位 東農大 15時間32分23秒
9位 拓大  16時間01分25秒
10位 日本歯科医専 16時間06分38秒
●区間賞
1区 郷野喜一(日大) 1時間15分55秒
2区 勝亦清政(文理科大) 1時間09分20秒
3区 山下勝(専大)  1時間14分32秒
4区 手島弘信(日大) 1時間13分16秒
5区 朴鍈采(東洋大) 1時間40分38秒
6区 渡辺安雄(日大) 1時間21分44秒
7区 片岡忠司(日大) 1時間18分02秒
8区 岡田正美(文理科大) 1時間22分06秒
9区 永野常平(日大) 1時間12分50秒
10区 小島武雄(日大) 1時間20分21秒

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第21回(1940年/昭和15年) 山上り6度目の鈴木房重が往路Vのフィニッシュテープ 復路も首位を譲らず

戦時色が強まる中、早大、慶大、明大、立大が不参加となり、10校で行われた。 すでに日中戦争が始まってから3年が経っており、伴走できる車の数なども制限。それでも、選手たちは必死にタスキをつなぎ、また沿道でもファンが声援を送っている。 レースは前年に5連覇を阻まれた日大が強さを発揮する。1区の郷野喜一が区間賞を獲得する絶好のスタート。2区で東京文理科大に先頭を譲るが、3区の大沢竜雄で首位を奪い返す。 4区の手島弘信が区間賞の快走で、2位の専大との差を47秒から6分16秒に広げた。5区では6度目の出走となる鈴木房重が区間2位でまとめて2年ぶりの往路優勝。前回優勝校の専大に10分18秒の大差をつけた。 復路でも日大の独走は続く。6区・渡辺安雄、7区・片岡忠司、9区・永野常平、10区・小島武雄が区間賞を獲得。2位の東京文理科大に31分59秒の大差をつけ、2年ぶり5回目の優勝を果たした。3位は中大、連覇を狙った専大は復路で順位を2つ落として4位に終わった。 また、東京文理科大の3区には1年生の高橋進が出場。高橋は戦後の1952年ヘルシンキ五輪に出場したほか、指導者として辣腕を振るい「日本マラソン育ての親」とも呼ばれた。 政府や軍部などから多くの制限を受けながらも行われてきた箱根駅伝だが、この大会の後に戦火がさらに拡大。コースとなる東海道と箱根路が軍需物資の輸送のため使用不可能となり、大会は翌年以降、中止を余儀なくされてしまった。しかし、関東学連は、1941年1月12日に東京―青梅間(8区間、107km)で「東京青梅間往復大学専門学校鍛錬継走大会」という大会名で代替レースを実施。さらに同じ年の11月に翌年の大会を繰り上げる形で青梅往復の2回目の代替レースが行われ、いずれも日大が優勝した。 代替レースは箱根駅伝に含まれない非公式大会であるため、正規の大会にはカウントされていない。しかし、スポーツの全国大会が全面禁止となる非常時の中で大会開催にこぎつけた当事者たちの情熱と努力は後世に受け継がれていくべきだろう。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第21回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 日大  13時間12分27秒 2位 東京文理科大 13時間44分26秒 3位 中大  13時間56分35秒 4位 専大  14時間06分51秒 5位 東洋大 14時間21分42秒 6位 法大  14時間36分28秒 7位 横浜専門 14時間41分28秒 8位 東農大 15時間32分23秒 9位 拓大  16時間01分25秒 10位 日本歯科医専 16時間06分38秒 ●区間賞 1区 郷野喜一(日大) 1時間15分55秒 2区 勝亦清政(文理科大) 1時間09分20秒 3区 山下勝(専大)  1時間14分32秒 4区 手島弘信(日大) 1時間13分16秒 5区 朴鍈采(東洋大) 1時間40分38秒 6区 渡辺安雄(日大) 1時間21分44秒 7区 片岡忠司(日大) 1時間18分02秒 8区 岡田正美(文理科大) 1時間22分06秒 9区 永野常平(日大) 1時間12分50秒 10区 小島武雄(日大) 1時間20分21秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

PR

2025.05.01

KIPRUNが環境に優しい新たなシューズを発表 接着剤不使用の「KIPX」はリサイクル可能な次世代アイテム

KIPRUNは4月上旬、フランス・パリで発表会を行い、新たなブランドロゴを発表するとともに、今後日本国内でも発売を予定している新モデルシューズを発表した。 競歩世界チャンピオンも愛用したシューズ 2021年にブランド初の […]

NEWS セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら

2025.05.01

セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら

セイコーGGPトラックの海外勢をチェック! ●男子100m ピジェイ・オースティン(米国)9秒89 ジェローム・ブレーク(カナダ)10秒00 ● 男子200m ロバート・グレゴリー(米国)19秒60 イアン・カー(バーレ […]

NEWS 坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP

2025.05.01

坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP

5月1日、日本陸連はセイコーゴールデングランプリ(5月18日/東京・国立競技場)の欠場者を発表した。 日本人選手で欠場するのは、男子100mの坂井隆一郎(大阪ガス)、同200mの水久保漱至(宮崎県スポ協)、同400mの中 […]

NEWS アジア選手権男子400m中島佑気ジョセフが故障のため辞退 44秒台の佐藤風雅が代表入り

2025.05.01

アジア選手権男子400m中島佑気ジョセフが故障のため辞退 44秒台の佐藤風雅が代表入り

クミアジア選手権の日本代表をチェック! 【男子】 ●100m 栁田大輝(東洋大) 東田旺洋(関彰商事) ●200m 鵜澤飛羽(JAL) 飯塚翔太(ミズノ) ●400m 佐藤拳太郎(富士通) 佐藤風雅(ミズノ) ●800m […]

NEWS 東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」

2025.05.01

東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」

伊東明日香の加入を発表する東京メトロ女子駅伝部 【選手入部のお知らせ】日頃より #東京メトロ女子駅伝部 (マーキュリー)を応援いただき、ありがとうございます。5月1日付けで、下記の選手が入部いたしました。 伊東 明日香 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top