◇第100回箱根駅伝予選会(10月14日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km)
噂のスーパールーキー・前田和摩が箱根駅伝予選会でも爆走。古豪・東農大を10年ぶりの本戦に導いた。
6月の全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会ではチームの14年ぶりの伊勢路出場に貢献。梅雨時期の蒸し暑い時期にもかかわらず、10000mでU20日本歴代2位の28分03秒51を叩き出した。あれから4ヵ月。今度は初めてのハーフマラソンでも強さを見せつけた。
前半は先輩の並木寧音(4年)とともに日本人集団のなかでレースを進める。5kmは14分31秒、10kmは29分20秒で通過した。そして15km(44分07秒)を過ぎてから自らペースを上げていく。
「ずっと後ろにつかせてもらっていたので余裕はありました。チーム順位も通過ギリギリくらいだったので、少しでも稼ぎたいと。残り5kmくらいなら持つかなと思い切って前に出ました」
目指すターゲットは15km地点を44秒前に通過した日本人トップの吉田礼志(中央学大3)だった。
「トップ集団は突っ込んでいったと思うので、(吉田の)背中が見えたら勝てるかなと思っていました」
前田の視界にフラッシュイエローのユニフォームが飛び込んでくると、その差を一気に詰めていく。17.4kmの折り返し地点で23秒差。18km付近でリチャード・エティーリ(東京国際大1)を抜き去ると、20km手前で吉田を逆転した。
白いキャップをかぶった前田は秋晴れのもと20km(58分34秒)までの5kmを14分27秒まで引き上げると、1時間1分42秒で日本人トップの個人9位フィニッシュ。3年前に行われた雨の予選会で、三浦龍司(順大)が打ち立てたハーフマラソンのU20日本記録にあと1秒差と迫った。「日本人トップは無理な目標ではないと思ってやり続けてきたので、自分の思いが実って良かったです」。
兵庫・報徳学園高3年時の昨年、インターハイ5000mでは、日本人トップの4位に入っている前田。ただ、高2の高校駅伝では兵庫県大会、近畿地区大会と2レース連続で1区(10km)28分台をマークするなど、当時から長い距離でも強さを見せていた。
「自分は距離が長くなるほど得意だと言い続けていますが、さらに自信を持って言えるかなと思います」と今回の予選会を通じて手応えをつかんだ様子だ。
スーパールーキーの快走で東農大は11位通過。上位13チームに与えられる第100回大会出場権を獲得した。本戦出場は70回目となる。
そんな節目に、前田は花の2区を希望。「各大学の強い選手たちと勝負できたらいいなと思っています。2区のコースはアップダウンが結構きついと思いますが、前を見ながらひたすら力を出し切って、押していきたいです」と2ヵ月半後の大舞台へ、思いを口にした。
将来的にはマラソンで五輪や世界選手権などで勝負したいという夢を持つ前田。新たなヒーロー候補は大学の4年間で力をたくわえて、「箱根から世界へ」を体現させていくに違いない。
文/酒井政人
男子ハーフマラソン U20日本歴代10傑をチェック!
■男子ハーフマラソン U20日本歴代10傑 1.01.41 三浦 龍司(順大1) 2020.10.17 1.01.42 前田 和摩(東農大1) 2023.10.14 1.01.47 大迫 傑(早大1) 2010.11.21 1.01.47 吉居 大和(中大1) 2020.10.17 1.01.51 野村 優作(順大2) 2020.10.17 1.02.02 青木 瑠郁(國學院大1+) 2023. 2. 5 1.02.03 鬼塚 翔太(東海大1) 2016.11.20 1.02.05 相澤 晃(東洋大1) 2016.11.20 1.02.08 伊達 秀晃(東海大1) 2004.11.21 1.02.09 石井 一希(順大1) 2020.10.17RECOMMENDED おすすめの記事
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