2023.06.05
◇第107回日本選手権(6月1日~4日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
ブダペスト世界選手権・アジア選手権・アジア大会の代表選考会を兼ねた第107回日本選手権が6月1日から4日までの4日間、大阪・ヤンマースタジアム長居で開かれた。
今大会では2つの日本新記録が誕生。荒天のため2日目から3日目に順延した女子三段跳で、森本麻里子(内田建設AC)が14m16(+0.7)をマークした。これは花岡麻帆の日本記録(14m04)を24年ぶりに更新するもの。また、最終日の男子110mハードル決勝では、泉谷駿介(住友電工)が自身の日本記録を2年ぶりに0.02秒更新する13秒04(-0.9)を叩き出した。2人は大会最優秀選手に選出された。
大会新記録は日本新2つを含めて6つ。上記の他に、男子800mの川元奨(スズキ)が1分46秒18で30年ぶりに大会記録を更新している。男子1500mでは優勝した河村一輝(トーエネック)の3分38秒45を筆頭に、高橋佑輔(北海道大院/3分38秒69)、森田佳祐(SUBARU/3分38秒75)と上位3人が大会新だった。
ブダペスト世界選手権の代表には、参加標準記録を突破していた男子3000m障害の三浦龍司(順大)、男子110mハードルの泉谷、高山峻野(ゼンリン)の3人が新たに内定。一方、参加標準記録をクリアしていた男子走幅跳の吉田弘道(神崎郡陸協)、女子100mハードルの福部真子(日本建設工業)は3位以内ならず今大会での代表内定はならなかった。
全日程終了後には日本陸連強化委員会の山崎一彦強化委員長と中長距離・マラソン担当の高岡寿成シニアディレクターが総括会見に登壇した。
山崎強化委員長は「日本選手権の楽しさと恐ろしさがあった」と有力選手が敗れる波乱も多かった大会をこう表現。ただ、世界大会常連組に関しては「ブダペスト世界選手権で結果が出る。試運転というところもあるので、ここでは評価できない」とした。
世界選手権の新規内定3名について「ある意味で順当」とし、「記録だけではなく日本選手権でしっかり3位以内を取るというのも重要な要素」と『記録』と『強さ』を求める。
高岡シニアディレクターは「日本一を決める大会らしく力のある選手が勝った印象」とし、日本記録保持者により大会記録が誕生した男子中距離2種目、13分20秒台が続いた男子5000m、貫禄勝ちした3000m障害の三浦について高く評価した。
ただ、各種目とも「日本記録より高いところに参加標準記録が設定されている突破していくのは難しい」。その上で、「特に中距離においてはターゲットナンバー(出場枠)が増えているので、世界大会に出る機会が増えればいい。5000mについてもポイントの上積みができている」と、1人でも多く世界選手権に出場することに期待していた。
7月のアジア選手権、秋のアジア大会の代表は6月中旬をめどに発表予定。ブダペスト世界選手権の参加標準記録とワールドランキング対象の有効期間は7月30日まで。世界選手権入賞の100mのサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)と走高跳の真野友博(九電工)は参加標準記録を突破した時点で代表に内定。日本選手権3位以内の選手も、このあと参加標準記録を突破したら内定する。その後、世界陸連により出場資格獲得者が判明後に代表が決定。ワールドランキングで出場権を得た選手で、日本選手権3位以内が優先して代表に選ばれる。
【動画】圧巻の日本新!泉谷駿介の13秒04と森本麻里子の14m16
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