2023.06.04
◇第107回日本選手権(6月1日~4日/大阪・ヤンマースタジアム長居)4日目
ブダペスト世界選手権の代表選考会を兼ねた第107回日本選手権の4日目に男子800mが行われ、川元奨(スズキ)が30年ぶり大会新の1分46秒18で5年ぶりの復活優勝を飾った。
バックストレートでオープンレーンになったところから、敢然と先頭に立った。「プランを2つ持っていて、1つは誰も行かなければ思い切って行く、もう1つは2番手で行く。誰も行かなかったので、行きました」。
ここ数年、「いっぱいあり過ぎてわからないほど」のケガを繰り返したが、ようやくこの春から継続したトレーニングを積めるようになった。今は、「日本記録(1分45秒75/2014年)を出した頃と同じぐらの体調」が作れている。自信を持って、ライバルたちを従える。
最後の直線も、ラストスパートが得意の松本純弥(FAJ)を0.34秒差で抑えた。松本も日本歴代9位タイの1分46秒52を出したが、完全に封じたと言っていいほど上回った。思わず出たガッツポーズには、「ずっと先頭を走り切って勝てたことがうれしい」との思いが込められていた。
ケガが続いた間も、「状態が悪いから負けているだけ。これまで絶好調で負けたことはない」と心が折れることはなかったという。「まだ走れる、勝てるという気持ちが強い。今回も優勝するという気持ちで臨んだ」。日本記録を持つ第一人者は力強く語った。
先頭を引っ張り続け、自身と今回は8位だった源裕貴(環太平洋大/現・NTN)が持つ日本記録にあと0.43秒。「1人で走ってこのタイムなら、日本記録を狙っていける」。2016年リオ五輪以来の世界の舞台も、はっきりと視界に捉える。
優勝回数はこれで「7」となり、横田真人と並んでいたこの種目の最多優勝回数で単独トップに。「800mの歴史を作れて、シンプルにうれしい」と笑顔でこぼれた。
※タイトルに誤りがあり、訂正いたしました。
【動画】30年ぶりの快挙!川元奨が大会新Vを果たした男子800mをチェック
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.15
19年ドーハ世界陸上代表・井本佳伸が現役引退「たくさんの出会い幸せ」今後は指導者の道へ
-
2025.10.15
-
2025.10.15
-
2025.10.14
-
2025.10.14
-
2025.10.13
-
2025.10.13
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.15
19年ドーハ世界陸上代表・井本佳伸が現役引退「たくさんの出会い幸せ」今後は指導者の道へ
男子短距離で活躍し、19年ドーハ世界選手権リレー代表(補欠)の井本佳伸(東京ガスエコモ)が現役生活に区切りをつけることを自身のSNSで発表した。 井本は京都・東輝中時代に全中で100m5位、200m4位。名門・洛南高へ進 […]
2025.10.15
100m宮本大輔が引退「最後まで走り切れた」元中学記録保持者「早熟なんて気にしなくていい」
穏やかな笑顔で静かに、地元・山口でスパイクを脱いだ。 男子100mの元中学記録保持者・宮本大輔(山口フィナンシャルグループ)が現役生活にピリオドを打った。9月の全日本実業団対抗は、地元・山口。「夏くらいには一旦、区切りを […]
2025.10.15
九州実業団駅伝エントリー 旭化成は葛西潤や相澤晃、クラフティア・赤﨑暁、三菱重工・近藤亮太ら日本代表経験者登録
来年元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選会を兼ねた第62回九州実業団毎日駅伝(11月3日/大分・佐伯市の佐伯中央病院陸上競技場発着)のエントリーが10月15日、同実業団連盟から発表された。 エントリーチー […]
2025.10.15
国立競技場が2026年1月から5年間新たな呼称へ! 「ナショナルスタジアムパートナー」第1号にMUFG
金融・証券などの三菱東京UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は10月15日、東京・国立競技場の運営を担うジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメント(JNSE)と「ナショナルスタジアムパートナー」契約を結んだと発 […]
2025.10.15
リオ五輪110mH銀メダル・オルテガが現役引退 15年に12秒94をマーク
16年リオ五輪の男子110mハードルで銀メダルを獲得したO.オルテガ(スペイン)が引退を表明した。 オルテガはキューバ出身の34歳。12年にはロンドン五輪で6位入賞を果たす。13年のモスクワ世界選手権に出場した際にキュー […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望