◇第102回関東インカレ(5月11日~14日/神奈川・ギオンスタジアム相模原)2日目
関東インカレ2日目に行われた男子100mはオレゴン世界選手権代表の栁田大輝(東洋大)が10秒09(+3.1)で2連覇を達成した。
2位に入ったのが井上直紀(早大)。その差はわずか0.01秒だった。
前日の予選は10秒14(+2.9)。これは別組の栁田を0.01秒上回る記録だった。準決勝は同組に入ると、10秒22(-0.7)をマークしてトップ。成島陽紀(東洋大)が2着で、栁田は3着通過となる。
ただ、決勝は9レーンから栁田が強襲。井上は「負けてしまった」と一言。「タイムは追い風参考なので……。準決勝のほうが走りや良かったです。(決勝は)スタートから10mのところで行けなかった」と、これまでの課題が出た形になった。
2人は同じ群馬出身。井上は群馬南中時代に全中100mで優勝した世代トップ選手で、同大会で栁田が2位(※走幅跳で優勝)。群馬勢ワンツーは大きなトピックスだった。
県内屈指の進学校・高崎高に進学。1年目からインターハイにも進んだ。しかし、高2から東農大二高に進んだ栁田がスプリントで開花。日本選手権で7位に入るなど一気に飛躍を遂げた。
一方の井上も着実に力をつけたが、福井インターハイ100mでは東京五輪4×100mリレー補欠にも入った栁田が10秒31で制し、井上が10秒45の2位。その背中を追う立場になった。
「栁田がいなかったら今の僕はないというのは間違いない」。冬季もしっかりトレーニングを積み、得意とする中盤以降はさらに力強さを増した。さらに「前半で脚をしっかり回せるようになった」ことで、今季はシーズン序盤から好調で、日本学生個人選手権では10秒19をマークして優勝した。
実はグランプリシリーズなどハードな日程だった栁田が、関東インカレ100mへの出場を最終的に決めたのが井上の学生個人での快走だった。
お互いに「意識していないと言えば嘘になる」と、切磋琢磨してきた。井上は「栁田は高2から(シニアの)トップで戦っている。0.01秒の差は大きいです」と話す。
それでも、今季好調なのは「自信になります」。栁田とは「これからも勝ったり、負けたりを繰り返していく関係」と井上。次は「大舞台で同じようなタイムを出せるようにしたいです」と、日本選手権に向けてさらに気合を入れていく。
早大の井上直紀(右)と東洋大の栁田大輝[/caption]
◇第102回関東インカレ(5月11日~14日/神奈川・ギオンスタジアム相模原)2日目
関東インカレ2日目に行われた男子100mはオレゴン世界選手権代表の栁田大輝(東洋大)が10秒09(+3.1)で2連覇を達成した。
2位に入ったのが井上直紀(早大)。その差はわずか0.01秒だった。
前日の予選は10秒14(+2.9)。これは別組の栁田を0.01秒上回る記録だった。準決勝は同組に入ると、10秒22(-0.7)をマークしてトップ。成島陽紀(東洋大)が2着で、栁田は3着通過となる。
ただ、決勝は9レーンから栁田が強襲。井上は「負けてしまった」と一言。「タイムは追い風参考なので……。準決勝のほうが走りや良かったです。(決勝は)スタートから10mのところで行けなかった」と、これまでの課題が出た形になった。
2人は同じ群馬出身。井上は群馬南中時代に全中100mで優勝した世代トップ選手で、同大会で栁田が2位(※走幅跳で優勝)。群馬勢ワンツーは大きなトピックスだった。
県内屈指の進学校・高崎高に進学。1年目からインターハイにも進んだ。しかし、高2から東農大二高に進んだ栁田がスプリントで開花。日本選手権で7位に入るなど一気に飛躍を遂げた。
一方の井上も着実に力をつけたが、福井インターハイ100mでは東京五輪4×100mリレー補欠にも入った栁田が10秒31で制し、井上が10秒45の2位。その背中を追う立場になった。
「栁田がいなかったら今の僕はないというのは間違いない」。冬季もしっかりトレーニングを積み、得意とする中盤以降はさらに力強さを増した。さらに「前半で脚をしっかり回せるようになった」ことで、今季はシーズン序盤から好調で、日本学生個人選手権では10秒19をマークして優勝した。
実はグランプリシリーズなどハードな日程だった栁田が、関東インカレ100mへの出場を最終的に決めたのが井上の学生個人での快走だった。
お互いに「意識していないと言えば嘘になる」と、切磋琢磨してきた。井上は「栁田は高2から(シニアの)トップで戦っている。0.01秒の差は大きいです」と話す。
それでも、今季好調なのは「自信になります」。栁田とは「これからも勝ったり、負けたりを繰り返していく関係」と井上。次は「大舞台で同じようなタイムを出せるようにしたいです」と、日本選手権に向けてさらに気合を入れていく。
意識の変化で成長を遂げた東洋大の中村彰太
[caption id="attachment_101848" align="alignnone" width="2508"]
100mで1位・栁田と3位・中村。2人を擁した東洋大が4×100mR優勝[/caption]
もう一人、忘れてはならないのが3位の中村彰太(東洋大)。予選10秒12(+3.4)、準決勝10秒23(+1.6)と快走を見せていた。
決勝は「モニターに自分が映ったのでもしかして優勝できたかなと思った」と笑ったが、惜しくも3位。ただ、「格上だった後輩の栁田との差を縮められました」と胸を張った。
静岡・浜松の名門クラブチーム「河輪AC」出身で、浜松工高時代には2年でインターハイ4位。3年時も100m5位、200m7位と2種目で入賞した。大学2年時に腰のケガなどあったが、昨年は日本インカレ4位。準決勝では10秒24と自己記録を短縮している。
3年目になる時にも順調にトレーニングを積めたが、さらに昨秋以降は「最上級生としてチームを引っ張っていこう」と気持ちに変化が。「練習でも手を抜かずに、後輩たちにも気を配るようになって、自分にも集中できました」。意識の変化から、同じ練習でも成長度合いが格段に上がった。
今年は日本学生個人選手権で井上に次ぐ10秒23の2位。井上とともにワールドユニバーシティゲームズ代表にもなった。
この日の快走で「10秒1台は見えてきました。日本選手権決勝を目指していきます」と手応えをつかんだ中村。豪華な東洋大スプリントをまとめる頼れる兄貴分として、学生ラストシーズンでさらなる飛躍を見せそうだ。
にわかにハイレベルな様相を呈してきた学生スプリント陣。その中心に栁田がいるのは間違いないが、刺激を受けるように選手層に厚みが出てきた。ブダペスト世界選手権、パリ五輪、そして東京世界選手権へ。シニアを相手にどんどんと突き上げていきそうだ。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.09
鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」
-
2025.12.09
-
2025.12.08
-
2025.12.08
-
2025.12.08
-
2025.12.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.09
富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外
全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の主催者は、12月30日に行われる大会のエントリー選手を発表した。 10月の全日本で25年ぶりの優勝を果たした城西大は、区間賞を獲得した兼子心晴(4年)、金子陽向(4年)、本間香( […]
2025.12.09
ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」
ユニクロ女子陸上競技部が、選手の一般公募を12月5日に開始した。 同社女子陸上競技部は1997年に創部。全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)には2003年に初出場。14年には7位に入った。 その後は浮き沈みを繰り返 […]
2025.12.09
パロマ瑞穂スタジアムが2026年4月22日供用開始 6月には日本選手権開催、秋は名古屋アジア大会の会場
愛知県名古屋市の瑞穂公園を管理する株式会社瑞穂LOOP-PFIは12月9日、建て替えを進めていたパロマ瑞穂スタジアム(瑞穂公園陸上競技場)が2026年4月22日に一般供用を開始すると発表した。 発表によると、約30000 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025