HOME 国内、大学

2023.05.13

100m2位井上直紀が感じたライバルとの0.01秒の差 3位・中村彰太を成長させた意識の変化/関東IC

早大の井上直紀(右)と東洋大の栁田大輝

◇第102回関東インカレ(5月11日~14日/神奈川・ギオンスタジアム相模原)2日目

広告の下にコンテンツが続きます

関東インカレ2日目に行われた男子100mはオレゴン世界選手権代表の栁田大輝(東洋大)が10秒09(+3.1)で2連覇を達成した。

2位に入ったのが井上直紀(早大)。その差はわずか0.01秒だった。

前日の予選は10秒14(+2.9)。これは別組の栁田を0.01秒上回る記録だった。準決勝は同組に入ると、10秒22(-0.7)をマークしてトップ。成島陽紀(東洋大)が2着で、栁田は3着通過となる。

ただ、決勝は9レーンから栁田が強襲。井上は「負けてしまった」と一言。「タイムは追い風参考なので……。準決勝のほうが走りや良かったです。(決勝は)スタートから10mのところで行けなかった」と、これまでの課題が出た形になった。

2人は同じ群馬出身。井上は群馬南中時代に全中100mで優勝した世代トップ選手で、同大会で栁田が2位(※走幅跳で優勝)。群馬勢ワンツーは大きなトピックスだった。

県内屈指の進学校・高崎高に進学。1年目からインターハイにも進んだ。しかし、高2から東農大二高に進んだ栁田がスプリントで開花。日本選手権で7位に入るなど一気に飛躍を遂げた。

一方の井上も着実に力をつけたが、福井インターハイ100mでは東京五輪4×100mリレー補欠にも入った栁田が10秒31で制し、井上が10秒45の2位。その背中を追う立場になった。

「栁田がいなかったら今の僕はないというのは間違いない」。冬季もしっかりトレーニングを積み、得意とする中盤以降はさらに力強さを増した。さらに「前半で脚をしっかり回せるようになった」ことで、今季はシーズン序盤から好調で、日本学生個人選手権では10秒19をマークして優勝した。

実はグランプリシリーズなどハードな日程だった栁田が、関東インカレ100mへの出場を最終的に決めたのが井上の学生個人での快走だった。

お互いに「意識していないと言えば嘘になる」と、切磋琢磨してきた。井上は「栁田は高2から(シニアの)トップで戦っている。0.01秒の差は大きいです」と話す。

それでも、今季好調なのは「自信になります」。栁田とは「これからも勝ったり、負けたりを繰り返していく関係」と井上。次は「大舞台で同じようなタイムを出せるようにしたいです」と、日本選手権に向けてさらに気合を入れていく。

[caption id="attachment_101847" align="alignnone" width="2508"] 早大の井上直紀(右)と東洋大の栁田大輝[/caption] ◇第102回関東インカレ(5月11日~14日/神奈川・ギオンスタジアム相模原)2日目 関東インカレ2日目に行われた男子100mはオレゴン世界選手権代表の栁田大輝(東洋大)が10秒09(+3.1)で2連覇を達成した。 2位に入ったのが井上直紀(早大)。その差はわずか0.01秒だった。 前日の予選は10秒14(+2.9)。これは別組の栁田を0.01秒上回る記録だった。準決勝は同組に入ると、10秒22(-0.7)をマークしてトップ。成島陽紀(東洋大)が2着で、栁田は3着通過となる。 ただ、決勝は9レーンから栁田が強襲。井上は「負けてしまった」と一言。「タイムは追い風参考なので……。準決勝のほうが走りや良かったです。(決勝は)スタートから10mのところで行けなかった」と、これまでの課題が出た形になった。 2人は同じ群馬出身。井上は群馬南中時代に全中100mで優勝した世代トップ選手で、同大会で栁田が2位(※走幅跳で優勝)。群馬勢ワンツーは大きなトピックスだった。 県内屈指の進学校・高崎高に進学。1年目からインターハイにも進んだ。しかし、高2から東農大二高に進んだ栁田がスプリントで開花。日本選手権で7位に入るなど一気に飛躍を遂げた。 一方の井上も着実に力をつけたが、福井インターハイ100mでは東京五輪4×100mリレー補欠にも入った栁田が10秒31で制し、井上が10秒45の2位。その背中を追う立場になった。 「栁田がいなかったら今の僕はないというのは間違いない」。冬季もしっかりトレーニングを積み、得意とする中盤以降はさらに力強さを増した。さらに「前半で脚をしっかり回せるようになった」ことで、今季はシーズン序盤から好調で、日本学生個人選手権では10秒19をマークして優勝した。 実はグランプリシリーズなどハードな日程だった栁田が、関東インカレ100mへの出場を最終的に決めたのが井上の学生個人での快走だった。 お互いに「意識していないと言えば嘘になる」と、切磋琢磨してきた。井上は「栁田は高2から(シニアの)トップで戦っている。0.01秒の差は大きいです」と話す。 それでも、今季好調なのは「自信になります」。栁田とは「これからも勝ったり、負けたりを繰り返していく関係」と井上。次は「大舞台で同じようなタイムを出せるようにしたいです」と、日本選手権に向けてさらに気合を入れていく。

意識の変化で成長を遂げた東洋大の中村彰太

[caption id="attachment_101848" align="alignnone" width="2508"] 100mで1位・栁田と3位・中村。2人を擁した東洋大が4×100mR優勝[/caption] もう一人、忘れてはならないのが3位の中村彰太(東洋大)。予選10秒12(+3.4)、準決勝10秒23(+1.6)と快走を見せていた。 決勝は「モニターに自分が映ったのでもしかして優勝できたかなと思った」と笑ったが、惜しくも3位。ただ、「格上だった後輩の栁田との差を縮められました」と胸を張った。 静岡・浜松の名門クラブチーム「河輪AC」出身で、浜松工高時代には2年でインターハイ4位。3年時も100m5位、200m7位と2種目で入賞した。大学2年時に腰のケガなどあったが、昨年は日本インカレ4位。準決勝では10秒24と自己記録を短縮している。 3年目になる時にも順調にトレーニングを積めたが、さらに昨秋以降は「最上級生としてチームを引っ張っていこう」と気持ちに変化が。「練習でも手を抜かずに、後輩たちにも気を配るようになって、自分にも集中できました」。意識の変化から、同じ練習でも成長度合いが格段に上がった。 今年は日本学生個人選手権で井上に次ぐ10秒23の2位。井上とともにワールドユニバーシティゲームズ代表にもなった。 この日の快走で「10秒1台は見えてきました。日本選手権決勝を目指していきます」と手応えをつかんだ中村。豪華な東洋大スプリントをまとめる頼れる兄貴分として、学生ラストシーズンでさらなる飛躍を見せそうだ。 にわかにハイレベルな様相を呈してきた学生スプリント陣。その中心に栁田がいるのは間違いないが、刺激を受けるように選手層に厚みが出てきた。ブダペスト世界選手権、パリ五輪、そして東京世界選手権へ。シニアを相手にどんどんと突き上げていきそうだ。

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.08.31

27年冬季ユニバ長春大会から初採用のクロカンに代表選手派遣へ 男女2種目と混合リレーを実施

日本学生陸上競技連合は8月31日、2027年1月に中国・長春で行われるワールドユニバーシティゲームズ冬季大会で初採用となるクロスカントリーランニング競技に代表選手を派遣すると発表した。 従来の冬季大会ではクロスカントリー […]

NEWS 日本陸連がインターハイ、全中の暑熱対策を報告 緊急搬送ナシ、高体連専門部とプロジェクト立ち上げへ

2026.08.31

日本陸連がインターハイ、全中の暑熱対策を報告 緊急搬送ナシ、高体連専門部とプロジェクト立ち上げへ

日本陸連が8月31日、第114回理事会を開き、酷暑下で開かれた主催大会のインターハイと全中について、田﨑博道専務理事と、強化部の磯貝美奈子部長が報告した。 日本陸連はWBGT(暑さ指数)31度以上になった場合、競技会を原 […]

NEWS 愛三工業・東瑞基が退部 ニューイヤー駅伝のエース区間で力走 マラソンでも活躍

2026.08.31

愛三工業・東瑞基が退部 ニューイヤー駅伝のエース区間で力走 マラソンでも活躍

愛三工業は8月31日、所属する東瑞基が同日付で退社することを発表した。 東は愛知県出身の32歳。愛知高から神奈川大に進み、箱根駅伝は1年時と4年時の2度出場を果たしている。大学卒業後、1度は愛知県警に就職したものの、走る […]

NEWS 【学生長距離Close-upインタビュー】トラックチーム最速の中央学大・日数谷隼人 「チームを引っ張りたい」

2026.08.31

【学生長距離Close-upインタビュー】トラックチーム最速の中央学大・日数谷隼人 「チームを引っ張りたい」

学生長距離Close-upインタビュー 日数谷隼人 Hikazutani Hayato 中央学大3年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。61回目 […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第72回「全中でのある選手の躍進~部活動の地域展開 ~」

2026.08.31

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第72回「全中でのある選手の躍進~部活動の地域展開 ~」

山梨学大陸上競技部元監督の上田誠仁氏による月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 広告の下にコンテンツが続きます 第72回「全中でのある選手の躍進~部活動の地 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年9月号 (8月17日発売)

2026年9月号 (8月17日発売)

滋賀IH総特集
山口全中展望
アジア大会代表Close up

page top