HOME 世界陸上、海外

2022.07.25

「鳥人」デュプランティス6m21の世界新!!大会のフィナーレ飾るビッグジャンプ!/世界陸上
「鳥人」デュプランティス6m21の世界新!!大会のフィナーレ飾るビッグジャンプ!/世界陸上

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)10日目

広告の下にコンテンツが続きます

オレゴン世界陸上10日目のイブニングセッションに行われた男子棒高跳決勝。アルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が自身の世界記録を1cm上回る6m21を2回目にクリアし、大会の有終の美を飾った。

上位7人が5m87をクリアするハイレベルの中でも、デュプランティスが異次元の跳躍を見せ続ける。5m87を1回失敗した以外は、5m70、5m94、6m00をすべて1回で成功。ここ優勝を決めると、大会新の6m06すら軽々とクリアした。

3月の世界室内選手権で作った世界記録を1cm上回る6m21にバーを上げる。1回目は失敗。その間に大会最終種目としてプログラムされていた4×400mリレー決勝が行われ、地元・米国の男女優勝を飾った。スタンドの盛り上がりは最高潮に達する。

そして、デュプランティスが今大会最後の試技者となった。3月の世界室内でも同じシチュエーションとなり、見事に世界新を作って会場を熱狂の渦に巻き込んでいる。その再現なるか。

広告の下にコンテンツが続きます

スタジアム中の視線を一身に浴び、助走をスタート。ポールを突っ込み、高々とオレゴンの空に舞い上がった身体は、バーの上に鮮やかに越えていった。

大歓声に包まれながら、デュプランティスはトラックで宙返りを見せるなど歓喜を爆発させた。これまで4度成し遂げてきた世界新ジャンプはいずれも室内。屋外で待望の世界記録樹立を、世界陸上という大舞台で成し遂げた。

スウェーデン国籍だが、生まれも育ちも米国で、ルイジアナ州立大出身。今も指導を受ける元棒高跳選手の父の手ほどきで3歳から跳び始めると、10歳から年齢別世界記録をことごとく塗り替え、「天才ボウルター」と呼ばれてきた。

17年ロンドン世界陸上では17歳ながら決勝に進み、入賞にあと一歩の9位。18年に史上最年少で6mをクリアすると、19年ドーハ世界陸上では19歳にして銀メダルを獲得した。20年2月の室内競技会で初めての世界新となる6m17に成功すると、1週間後には6m18とさらに記録を更新。昨年の東京五輪で金メダルに輝き、名実ともに「世界一」に君臨した。

広告の下にコンテンツが続きます

長く世界記録保持者としてその名を刻み、世界陸上6連覇などのキャリアを誇ったセルゲイ・ブブカは「鳥人」と称された。その名を引き継ぐだけでなく、はるかに超える次元で飛び続けるデュプランティスはこの日、現陸上界「世界最高のアスリート」となった。

■男子棒高跳上位成績
1位 アルマンド・デュプランティス(スウェーデン) 6m21=世界新
2位 クリストファー・ニルセン(米国)       5m94
3位 アーネスト・ジョン・オビエナ(フィリピン)  5m94=アジア新
4位 チアゴ・ブラズ・ダ・シルヴァ(ブラジル)   5m87
5位 オレグ・ツェルニケル(ドイツ)        5m87
5位 ルノー・ラヴィレニ(フランス)        5m87
7位 ボカンダ・リタ・ベーレ(ドイツ)       5m87
8位 エルス・サスマ(トルコ)           5m80

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)10日目 オレゴン世界陸上10日目のイブニングセッションに行われた男子棒高跳決勝。アルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が自身の世界記録を1cm上回る6m21を2回目にクリアし、大会の有終の美を飾った。 上位7人が5m87をクリアするハイレベルの中でも、デュプランティスが異次元の跳躍を見せ続ける。5m87を1回失敗した以外は、5m70、5m94、6m00をすべて1回で成功。ここ優勝を決めると、大会新の6m06すら軽々とクリアした。 3月の世界室内選手権で作った世界記録を1cm上回る6m21にバーを上げる。1回目は失敗。その間に大会最終種目としてプログラムされていた4×400mリレー決勝が行われ、地元・米国の男女優勝を飾った。スタンドの盛り上がりは最高潮に達する。 そして、デュプランティスが今大会最後の試技者となった。3月の世界室内でも同じシチュエーションとなり、見事に世界新を作って会場を熱狂の渦に巻き込んでいる。その再現なるか。 スタジアム中の視線を一身に浴び、助走をスタート。ポールを突っ込み、高々とオレゴンの空に舞い上がった身体は、バーの上に鮮やかに越えていった。 大歓声に包まれながら、デュプランティスはトラックで宙返りを見せるなど歓喜を爆発させた。これまで4度成し遂げてきた世界新ジャンプはいずれも室内。屋外で待望の世界記録樹立を、世界陸上という大舞台で成し遂げた。 スウェーデン国籍だが、生まれも育ちも米国で、ルイジアナ州立大出身。今も指導を受ける元棒高跳選手の父の手ほどきで3歳から跳び始めると、10歳から年齢別世界記録をことごとく塗り替え、「天才ボウルター」と呼ばれてきた。 17年ロンドン世界陸上では17歳ながら決勝に進み、入賞にあと一歩の9位。18年に史上最年少で6mをクリアすると、19年ドーハ世界陸上では19歳にして銀メダルを獲得した。20年2月の室内競技会で初めての世界新となる6m17に成功すると、1週間後には6m18とさらに記録を更新。昨年の東京五輪で金メダルに輝き、名実ともに「世界一」に君臨した。 長く世界記録保持者としてその名を刻み、世界陸上6連覇などのキャリアを誇ったセルゲイ・ブブカは「鳥人」と称された。その名を引き継ぐだけでなく、はるかに超える次元で飛び続けるデュプランティスはこの日、現陸上界「世界最高のアスリート」となった。 ■男子棒高跳上位成績 1位 アルマンド・デュプランティス(スウェーデン) 6m21=世界新 2位 クリストファー・ニルセン(米国)       5m94 3位 アーネスト・ジョン・オビエナ(フィリピン)  5m94=アジア新 4位 チアゴ・ブラズ・ダ・シルヴァ(ブラジル)   5m87 5位 オレグ・ツェルニケル(ドイツ)        5m87 5位 ルノー・ラヴィレニ(フランス)        5m87 7位 ボカンダ・リタ・ベーレ(ドイツ)       5m87 8位 エルス・サスマ(トルコ)           5m80

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.06

【大会結果】2024世界リレー(2024年5月4日~5日)

【大会結果】2024世界リレー(2024年5月4日~5日/バハマ・ナッソー) 男子 4×100mR 金 米国 37秒40 (C.リンジー、K.ベナドレク、Kキング、ライルズ) 銀 カナダ 37秒89 銅 フランス 38秒 […]

NEWS 男子4×400mRは2大会連続メダルにあと0.04秒 超攻撃的オーダー実らずも上位争い展開に収穫/世界リレー

2024.05.06

男子4×400mRは2大会連続メダルにあと0.04秒 超攻撃的オーダー実らずも上位争い展開に収穫/世界リレー

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー) パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの2日目が5月5日(日本時間6日)に行われ、男子4×400mは3分01秒20で4位に入った。優勝はバハマで2分59秒11、2位は […]

NEWS 日本4×100mRメダルに0.01秒の4位!2走力走の栁田大輝「修正してパリへ」サニブラウン抜きでも 伝統の底力示す/世界リレー

2024.05.06

日本4×100mRメダルに0.01秒の4位!2走力走の栁田大輝「修正してパリへ」サニブラウン抜きでも 伝統の底力示す/世界リレー

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー) パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの2日目が5月5日(日本時間6日)に行われ、男子4×100mは38秒45で4位に入った。優勝は米国で37秒40、2位はカナダで3 […]

NEWS 女子4×100mRと男女混合マイルは日本歴代上位をマークも今大会でのパリ五輪は逃す/世界リレー

2024.05.06

女子4×100mRと男女混合マイルは日本歴代上位をマークも今大会でのパリ五輪は逃す/世界リレー

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー) パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの2日目が5月5日(現地)に行われた。女子4×100mリレーと男女混合4×400mリレーは前日の予選の結果、ラウンド2に回った。 […]

NEWS 4×400mRもメダルにあと0.04秒の4位!佐藤拳太郎、佐藤風雅、中島佑気ジョセフ、川端魁人で3分01秒20/世界リレー

2024.05.06

4×400mRもメダルにあと0.04秒の4位!佐藤拳太郎、佐藤風雅、中島佑気ジョセフ、川端魁人で3分01秒20/世界リレー

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー) パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの2日目が5月5日(日本時間6日)に行われ、男子4×400mは3分01秒20で4位に入った。優勝はバハマで2分59秒11、2位は […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top