HOME 国内、世界陸上、日本代表
女子やり投・上田百寧が初の世界舞台で貴重な経験!最終調整で左膝負傷「万全でなくて悔しい」/世界陸上
女子やり投・上田百寧が初の世界舞台で貴重な経験!最終調整で左膝負傷「万全でなくて悔しい」/世界陸上

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)6日目

オレゴン世界陸上6日目のイブニングセッションに行われた女子やり投予選A組に出場した上田百寧(ゼンリン)は、左脚にテーピングを施し、左膝にはサポーターを付けた状態でピッとに立った。1投目を47m36で終えた後は、左脚を引きずる仕草を見せる。

日本での最終調整で左膝前十字靭帯を部分断裂する大ケガを負っていた。やり投において最も重要なブロック動作を担う左脚。まともに投げられる状態ではなかっただろう。

それでも、「他の選手や大会の雰囲気を見たかったので、ぎりぎりまであきらめずにやってきた」。2投目は50m70と記録を伸ばし、3投目は49m51。残り2回もしっかりと投げ切った。

A組の13位にとどまり、B組を待たずに予選敗退が決定。初の世界大会はほろ苦いものとなり、「万全ではなくて悔しいです」と唇をかむ。

広告の下にコンテンツが続きます

小学校時代はドッジボールチームに所属し、全国3位に。福岡・前原西中で陸上を始め、最初に取り組んだのは短距離だった。その走力は、その後にスタートしたやり投のキャリアにおいて最大の武器になり、中村学園女高ではインターハイ3位に入っている。

福岡大では、男子砲丸投の元日本記録保持者・野口安忠監督の指導でさらに力をつけ、3年時に日本インカレを制覇した。昨年、日本歴代6位の61m75をマークし、いよいよ世界が見える。だが、東京五輪はワールドランキングのポイントでわずか1点届かず、出場は叶わなかった。

その悔しさをバネに、今季は主要大会で確実に結果を残し、日本選手権ではセカンドベストの61m20で自己最上位の2位を確保。ワールドランキングで念願の世界の舞台に立った。

将来のことを考えれば棄権の選択もあったかもしれないが、「(世界陸上に至るまでの)取り組みは経験になる」と前を向く上田。「しっかり治して帰ってきて、決勝に進みたい」と言葉に力を込めた。

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)6日目 オレゴン世界陸上6日目のイブニングセッションに行われた女子やり投予選A組に出場した上田百寧(ゼンリン)は、左脚にテーピングを施し、左膝にはサポーターを付けた状態でピッとに立った。1投目を47m36で終えた後は、左脚を引きずる仕草を見せる。 日本での最終調整で左膝前十字靭帯を部分断裂する大ケガを負っていた。やり投において最も重要なブロック動作を担う左脚。まともに投げられる状態ではなかっただろう。 それでも、「他の選手や大会の雰囲気を見たかったので、ぎりぎりまであきらめずにやってきた」。2投目は50m70と記録を伸ばし、3投目は49m51。残り2回もしっかりと投げ切った。 A組の13位にとどまり、B組を待たずに予選敗退が決定。初の世界大会はほろ苦いものとなり、「万全ではなくて悔しいです」と唇をかむ。 小学校時代はドッジボールチームに所属し、全国3位に。福岡・前原西中で陸上を始め、最初に取り組んだのは短距離だった。その走力は、その後にスタートしたやり投のキャリアにおいて最大の武器になり、中村学園女高ではインターハイ3位に入っている。 福岡大では、男子砲丸投の元日本記録保持者・野口安忠監督の指導でさらに力をつけ、3年時に日本インカレを制覇した。昨年、日本歴代6位の61m75をマークし、いよいよ世界が見える。だが、東京五輪はワールドランキングのポイントでわずか1点届かず、出場は叶わなかった。 その悔しさをバネに、今季は主要大会で確実に結果を残し、日本選手権ではセカンドベストの61m20で自己最上位の2位を確保。ワールドランキングで念願の世界の舞台に立った。 将来のことを考えれば棄権の選択もあったかもしれないが、「(世界陸上に至るまでの)取り組みは経験になる」と前を向く上田。「しっかり治して帰ってきて、決勝に進みたい」と言葉に力を込めた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.08.24

【“陸女”インタビュー】バラエティーや情報番組に引っ張りだこ!タレント・国本梨紗さん 中学3年間の陸上部「あの時の記憶が数年後の自分を助けてくれる」

オリンピックの花形である陸上競技! 球技に比べると、すこーし“地味”な印象があるかもしれない……。しかし、中高生合わせて、なんと約30万人以上が「陸部」なんです。 実は芸能界で活躍するあの人も、この人も、結構、陸上経験者 […]

NEWS 東京世界陸上と「進撃の巨人」がコラボ!大会記念グッズ販売も決定

2025.08.24

東京世界陸上と「進撃の巨人」がコラボ!大会記念グッズ販売も決定

TBSは8月24日、公式SNSやYouTubeを更新し、東京世界陸上とアニメ『進撃の巨人』とのコラボレーションを発表した。 世界的に人気を誇る『進撃の巨人』とのコラボとなる「進撃の世界陸上」。そのコラボVTRが公開された […]

NEWS 100m桐生祥秀 世界陸上への「刺激入れ」で10秒03w!「ここから磨いていきたい」

2025.08.24

100m桐生祥秀 世界陸上への「刺激入れ」で10秒03w!「ここから磨いていきたい」

東京世界選手権出場のための記録の有効期間最終日となる8月24日、奈良市サーキットの男子100mに桐生祥秀(日本生命)が出場。追い風参考ながら10秒03(+2.8)の好記録をマークして会場にいた中高生たちの歓声を浴びた。 […]

NEWS 100m山縣亮太の世界陸上ついえる 記録会を違和感で欠場「身体が無理だというまで」現役続行へ

2025.08.24

100m山縣亮太の世界陸上ついえる 記録会を違和感で欠場「身体が無理だというまで」現役続行へ

東京世界選手権出場のための記録の有効期間最終日となる8月24日、奈良市サーキットの男子100mにエントリーしていた山縣亮太(セイコー)だったが、脚の違和感により欠場した。 報道陣の取材に応じた山縣。ウォーミングアップをし […]

NEWS 400mH黒川和樹は世界陸上届かず 中3日で果敢に挑戦「今出せる力を出し切った」

2025.08.24

400mH黒川和樹は世界陸上届かず 中3日で果敢に挑戦「今出せる力を出し切った」

東京世界選手権出場のための記録の有効期間最終日となる8月24日、奈良市サーキットの男子400mハードルに黒川和樹(住友電工)が出場した。 20日のトワイライト・ゲームス(日産スタジアム)で48秒71をマーク。世界選手権の […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年9月号 (8月12日発売)

2025年9月号 (8月12日発売)

衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99

page top