東京五輪代表選考会を兼ねた第105回日本選手権・混成競技が6月12日、13日に長野運動公園総合陸上競技場で開催。その前日会見が長野市内のホテルで行われ、十種競技の中村明彦(スズキ)と、七種競技の山崎有紀(スズキ)、大玉華鈴(日体大)が登壇した。
400mハードルでロンドン五輪に出場し、前回リオ五輪は十種競技で代表となった中村。前回は3年ぶり3度目の優勝を果たしている。今大会、覇権を争ってきた日本記録保持者の右代啓祐(国士舘クラブ)は、よりワールドランキングを上げるために多くのポイントを稼げる可能性のあるスペインでの競技会に出場することを選択。だが、「右代さんがいてもいなくてもやることは変わらない」と中村。昨年から「スピード型からオールランダーへ」をテーマに取り組んできた。その結果、「投てきがハイアベレージになった」と手応えをつかんでいる。
5年前、リオ五輪選考会だった日本選手権では、リオ五輪の参加標準記録8100点を超える8180点をマークして優勝し、この長野でリオ五輪への切符をつかんでいる。ちなみに、中村にとって混成競技で初の日本選手権が10年前の最初の長野開催。「アスリートファーストがしっくりくる、一番の競技会。10年分の感謝を込めて、成長した姿を見せたい」と話す。中村は東京五輪に向け、参加標準記録8350点は「現実的にかなり厳しい」。それでも、「しっかりジャンプアップして8000点を超えたい」と意気込みを語った。
現在、3連覇中の山崎は、5月に5975点の日本新記録を樹立した。今大会は初めて日本記録保持者として臨む大会。「まだ日本記録を出してから2週間しか経っていなので実感がない」のが本音だという。日本記録を出した時は「1日目がいつもよりまとまった」と振り返り、「今回の大会でも1日目にもう少しいいパフォーマンスができれば」と展望。得意の投てき種目で安定していると実感していることに加え、「スプリント系も上がっている」と山崎。
今回が日本選手権7度目で、「最初はあこがれの舞台で、それがチャレンジする舞台に変わって、長野はとても成長させてくれた場所。いいパフォーマンスを見せたい」と長野への感謝を語る。東京五輪の参加標準記録6420点は遠いが、4連覇、そして6000点に向けて、「いつも通り楽しみながら、1種目ずつやっていくと自己ベストは確実に出ると思っています」と、日本女子初の大台に向かっていく。
大玉は今回、初めて前日会見に臨んだ。関東インカレでも自己ベストを出して優勝するなど伸び盛りの日体大の女子主将は、「今季、一番仕上がっていると思うので、いつも以上に上の選手に食らいつけると思う。楽しみ」と堂々と応え、「1日目を取りこぼしなく、トップで終えられれば」と目標を語った。
東京五輪の参加標準記録は十種競技が8350点、七種競技が6420点。いずれも日本記録よりも高いが、この記録を出して3位以内に入れば東京五輪代表に内定する。大会の模様はライブ配信される予定だ。

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