2025.12.21
安定した走りで牽引
これまでの2年間は、自身が思い描いていた姿とは違っていたかもしれない。だが現在の順大・吉岡大翔(3年)は、確かな自信を取り戻しつつある。
今季は本格的なトラックシーズンが始まる前の3月に、10000mで28分25秒19の自己新をマーク。4月には1500mで3分39秒15で走り、7月の日本選手権にも出場を果たす。
チームとして重要な全日本大学駅伝選考会と、箱根駅伝予選会でも好走。5月の全日本選考会では最終組で、28分22秒04の自己新で6着(日本人2番)。10月の箱根予選会では、1時間2分34秒をマークして力強く牽引した。
「今季はトラックでベストを出せましたし、大事な予選会の2レースもしっかり走ることができました。特に箱根予選会は、チームにとって最も大事なレースで、昨年は失速してしまいましたが、今回は失敗しないレースを意識していたなかで、余力を持ちながらまとめることができたと思います」
一方で、「中身を見ると、大きな故障ではないものの、脚の痛みなどで何度も離脱してしまった点は反省です」とも振り返る。
4月の日本学生個人選手権後には、身体のあちこちに痛みが出て約2週間走れない時期があり、急ピッチで全日本選考会に合わせた。その影響で「練習につながりがなかった」と感じていた。
だからこそ、身体をリセットすることを決断。日本選手権出場後は、予定したトラックレースを取りやめ、もう一度土台作りに着手する。「夏に向けて、じっくり練習する期間を作りたいと思いました。3年目になって、自分の特性や経験則に基づいて、取り組めたと思います」と成長を感じている。
夏合宿も「練習の質が上がりましたし、感覚的な部分ですが、これまで構えてしまっていたポイント練習も、余裕を持って臨めるようになりました。合わせるのは練習ではなく試合だと割り切れたのは大きいです」と割り切れた。
そんな姿に長門俊介駅伝監督も「下級生の頃は期待に応えなきゃいけないけど、思うような走りができず、遠回りしたかもしれません。しかし、競技者としての幅は確実に広がっています。それが輝きを取り戻すための積み上がりとなって、次のフェーズにいくと感じています」と期待を寄せている。
11月末に10000mで自己新をマークし、箱根に向けて調子を上げている順大・吉岡大翔[/caption]
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。安定した走りで牽引
これまでの2年間は、自身が思い描いていた姿とは違っていたかもしれない。だが現在の順大・吉岡大翔(3年)は、確かな自信を取り戻しつつある。今季は本格的なトラックシーズンが始まる前の3月に、10000mで28分25秒19の自己新をマーク。4月には1500mで3分39秒15で走り、7月の日本選手権にも出場を果たす。チームとして重要な全日本大学駅伝選考会と、箱根駅伝予選会でも好走。5月の全日本選考会では最終組で、28分22秒04の自己新で6着(日本人2番)。10月の箱根予選会では、1時間2分34秒をマークして力強く牽引した。「今季はトラックでベストを出せましたし、大事な予選会の2レースもしっかり走ることができました。特に箱根予選会は、チームにとって最も大事なレースで、昨年は失速してしまいましたが、今回は失敗しないレースを意識していたなかで、余力を持ちながらまとめることができたと思います」一方で、「中身を見ると、大きな故障ではないものの、脚の痛みなどで何度も離脱してしまった点は反省です」とも振り返る。4月の日本学生個人選手権後には、身体のあちこちに痛みが出て約2週間走れない時期があり、急ピッチで全日本選考会に合わせた。その影響で「練習につながりがなかった」と感じていた。だからこそ、身体をリセットすることを決断。日本選手権出場後は、予定したトラックレースを取りやめ、もう一度土台作りに着手する。「夏に向けて、じっくり練習する期間を作りたいと思いました。3年目になって、自分の特性や経験則に基づいて、取り組めたと思います」と成長を感じている。夏合宿も「練習の質が上がりましたし、感覚的な部分ですが、これまで構えてしまっていたポイント練習も、余裕を持って臨めるようになりました。合わせるのは練習ではなく試合だと割り切れたのは大きいです」と割り切れた。そんな姿に長門俊介駅伝監督も「下級生の頃は期待に応えなきゃいけないけど、思うような走りができず、遠回りしたかもしれません。しかし、競技者としての幅は確実に広がっています。それが輝きを取り戻すための積み上がりとなって、次のフェーズにいくと感じています」と期待を寄せている。箱根駅伝への思いに変化も
11月に入ると、各大学の主力選手が10000mで27分台を多数マーク。ライバルたちの快走は当然耳に入ってくる。だが吉岡自身は、それを過度に意識することはなかった。「全日本で戦った選手も好タイムを出したことは焦りではなく、逆に自分もそれくらいでは走れるだろうと感じました。タイムはレースが流れれば、ある程度出せますが、自分がなりたいのは“強い選手”です」と強調する。「MARCH対抗戦で自らレースを作った黒田さん(朝日、青学大4)や溜池さん(一太、中大4)。八王子ロングディスタンスで勝負を挑んでいた野中(恒亨、國學院大3)や岡田(開成、中大2)のように強さが出せる選手になることです」。ライバルの名前だけでなく走りぶりを具体的に挙げ、自身の目標とする。11月29日の日体大長距離競技会では、終始先頭でレースを展開しながら28分08秒02の自己新。記録以上に、“強さ”を体現する走りで、箱根に向けて好調ぶりを見せた。3度目の箱根路も出走区間にこだわりはない。「2区なら各校のエースとしっかり戦うことが求められます。自分が主要区間以外ならそれだけチーム状態が良いということ。自分がタイム差をつけられるストロングポイントとなります。どんな区間パターンでも、チームのために走るだけです」と頼もしい。長野・佐久長聖高3年時に5000mで13分22秒99の高校記録をマーク。今もなお、トラックで世界と戦う意識は強い。一方で、かつては「通過点」と捉えていた箱根駅伝への思いにも変化が生まれている。「最終目標にする選手もいますが、今は競技人生を懸けるだけの価値がある大会だと感じています。駅伝は、チームで何かを成し遂げられる幸せなもの。やるからには、適当にこなすようなことはしたくありません」世界と戦える「強い選手」になるため、今はチームのために全力を尽くす。その先に、さらなる飛躍が待っているはずだ。 [caption id="attachment_193839" align="alignnone" width="800"]
将来的にはトラックで世界を目指す吉岡。そのためにも箱根でしっかりと結果を出すつもりだ[/caption]
文/田中 葵RECOMMENDED おすすめの記事
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