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2025.12.19

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箱根駅伝Stories/東海大のスピードスター・兵藤ジュダ リベンジの1区で「やっぱり区間賞がほしい」

1区でのリベンジを誓う東海大・兵藤ジュダ

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。

失意から復活、トラックで勢い

前回の箱根駅伝予選会で総合14位に終わり、東海大は12年ぶりに本戦出場を逃した。ダブルエースの一人、兵藤ジュダ(4年)の姿はそこにはなかった。

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「昨年は夏合宿で故障してしまって、予選会を走ることすらできませんでした。その時は箱根本戦を走れれば良いという気持ちで、出場できないことは考えていなくて……。走ったメンバーが悔しがっている時に、チームのために何もできなかったことが、本当に言葉に表せない感情だったのを覚えています」

本格的に練習を再開したのは、年が明けた2月。「最終学年では長い距離で勝負したかった」が出遅れたぶん、1500mを中心に取り組み、6月の日本インカレ1500mで2位に入る。7月の日本選手権でも5位入賞を果たした。

「トラックで結果を出したことは、チームにも刺激というか、良い影響を与えられたと思います」。5月の全日本大学駅伝選考会10000mでも28分33秒55でまとめ、「トラックシーズンはある程度充実していたと思います」と振り返る。

兵藤が箱根駅伝を意識し始めたのは中学の頃。ちょうど東海大が箱根駅伝で初優勝を飾ったタイミングだ。「その時のことはよく覚えていて、箱根駅伝に対してあこがれを持つきっかけとなりました」と話す。

静岡・東海大翔洋高3年時のインターハイでは、800mを大会新(当時)で優勝、1500m2位と“ミドルランナー”として名を馳せた。

だが、自身は「箱根を走りたいという気持ちがあったので、高校の頃から練習でしっかり距離も踏んでいました」。5000mでも13分54秒70をマークすると、静岡県高校駅伝1区では29分54秒で区間賞を獲得するなど、長い距離への適性も見せてきた。

[caption id="attachment_123595" align="alignnone" width="800"] 1区でのリベンジを誓う東海大・兵藤ジュダ[/caption] 新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。

失意から復活、トラックで勢い

前回の箱根駅伝予選会で総合14位に終わり、東海大は12年ぶりに本戦出場を逃した。ダブルエースの一人、兵藤ジュダ(4年)の姿はそこにはなかった。 「昨年は夏合宿で故障してしまって、予選会を走ることすらできませんでした。その時は箱根本戦を走れれば良いという気持ちで、出場できないことは考えていなくて……。走ったメンバーが悔しがっている時に、チームのために何もできなかったことが、本当に言葉に表せない感情だったのを覚えています」 本格的に練習を再開したのは、年が明けた2月。「最終学年では長い距離で勝負したかった」が出遅れたぶん、1500mを中心に取り組み、6月の日本インカレ1500mで2位に入る。7月の日本選手権でも5位入賞を果たした。 「トラックで結果を出したことは、チームにも刺激というか、良い影響を与えられたと思います」。5月の全日本大学駅伝選考会10000mでも28分33秒55でまとめ、「トラックシーズンはある程度充実していたと思います」と振り返る。 兵藤が箱根駅伝を意識し始めたのは中学の頃。ちょうど東海大が箱根駅伝で初優勝を飾ったタイミングだ。「その時のことはよく覚えていて、箱根駅伝に対してあこがれを持つきっかけとなりました」と話す。 静岡・東海大翔洋高3年時のインターハイでは、800mを大会新(当時)で優勝、1500m2位と“ミドルランナー”として名を馳せた。 だが、自身は「箱根を走りたいという気持ちがあったので、高校の頃から練習でしっかり距離も踏んでいました」。5000mでも13分54秒70をマークすると、静岡県高校駅伝1区では29分54秒で区間賞を獲得するなど、長い距離への適性も見せてきた。

「ダブルエース」として牽引

東海大では、2年時に学生三大駅伝デビュー。全日本では2区9位、箱根駅伝では1区5位と好走した。 「初めての箱根駅伝は独特の雰囲気で、こんなレースは他では味わえないと感じました。走ったことで、競技者としても成長させてくれたと思います。大学4年間で1番覚えているレースです」 3年頃からは、同期で卒業後もHondaでチームメイトになることが決まっている花岡寿哉とともに、ダブルエースと呼ばれるようになった。それでも、「そう呼ばれるようになってから、あっという間にここまで来たという感じです」と柔らかい表情で話す。 「2人でバチバチやり合うこともなく、良い刺激を受けてきました。プレッシャーも特になく、それがチームにとって安心感を与えられれば良いと考えていましたね」と回顧した。 今季の夏合宿では、「昨年はそこから故障が長引いてしまったので、その反省を生かして夏に故障しないように細心の注意を払ってきた」と順調に練習を消化。10月の箱根予選会でも、1時間2分34秒の自己新をマークしている。  その後は体調を崩した影響で、11月の全日本では1区17位と苦しんだ。だが、今は最後の箱根に向けて、順調に調子を上げている。 「全日本は当初2区を予定していましたが、走り始めても体がきつくて、一時は走らないことも考えました。それでも送り出してくれた監督、コーチやチームメイトに申し訳ない気持ちがあります。箱根ではシード獲得へ貢献したいと思っています」 希望するのは、前々回好走した1区。兵藤自身は「リベンジ」と口にする。「個人としても最後の箱根になるので、悔いの残らないような走りをしたいですし、やっぱり区間賞がほしいです」 4年ぶりのシード権へ、チームの火付け役となる。 [caption id="attachment_123595" align="alignnone" width="800"] 11月の全日本大学駅伝では1区17位と苦しんだが、箱根駅伝に向けて調子を上げている[/caption] 文/田中 葵

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